岡山と中国  設立30周年
2011年8月
平成23年8月
  210号

発行人 片山浩子
編集人 松井三平
行ってきます!大連へ
      STUDENT EXCHANGE in 大連
  県内の高校生と中国・大連の高校生が交流する日中青年交流「STUDENT EXCHANGE in 大連」で、県下13校20名の高校生と門野八洲雄団長以下引率者3名等合計24名が大連第一中学(高校)との交流のため7月28日、岡山大連便で飛び立った。

  当日、岡山空港二階ロビーで出発式が行われた。最初に門野団長(岡山県日中教育交流協議会会長)が団員を代表して挨拶したあと、このプロジェクトを委託している財団法人福武教育文化振興財団の宮野正司常務理事が激励の挨拶を行った。
  これに対し、派遣生徒を代表して岡山県立倉敷南高校の生本めいさんが「大連の高校生と交流を通じて友情を深め、いろんなことを学んで、帰国した時には一回り大きくなったといわれるようにしたい」と決意表明をした。
  空港には、家族ら約30名が駆けつけ一行を見送った。

  一行は、大連一中での交流や授業体験、交歓会を行い、ホームステイも体験し、北京、上海の見学をし、8月3日に帰国した。
  この事業は財団法人福武教育文化振興財団の委託事業として平成17年から始まり、これまで上海の高校との交流を4年間継続してきたが、昨年からは大連との交流を実施している。  
団員は門野八洲雄会長(団長、写真右)以下24人
 
力強く決意表明する生徒代表生本めいさん
日中教育交流通じ有為な人材育成
厳しい状況下にある時こそ交流を

   岡山県日中教育交流協議会 会長 門 野 八洲雄
 
 よろしく
  私は、本年5月の理事会・総会で、岡山県日中教育交流協議会の会長に選出いただいた。
  この会は、岡山と中国との教育交流及び青少年交流を促進し、日中友好を発展させることを目的として、平成11年3月に設立されている。
  現、社会福祉法人旭川荘名誉理事長の江草安彦先生をはじめ、県内各界の有志が発起人となり、教育関係者等を中心に組織された当協議会は、これまでに、森崎岩之助会長、黒瀬定生会長、岡田浩明会長と受け継がれ、中国の教育事情や交流等について情報を提供すること、交流の仲立ちをすること、教育事情視察のための訪中団を派遣することなどに取り組んでこられている。

  今日、社会はグローバル化し、地球レベルでの視点なしには成り立っていかないようになってきている。
  とりわけ日本と中国とは二千年を超える交流の歴史がある。日本は、古くから中国の文化など様々なことを学び、国の発展に生かしてきた。
  今日のような社会情勢を考えるとき、教育においては、グローバル化社会に生きる人材育成が不可欠である。
  そうした意味からも、青少年の目を、国内はもとより海外にも開き、これからの国際社会を生きていく上での必要不可欠な資質を養っていかなければならない。

  岡山県日中教育交流協議会の取り組みは、こうした視点からも意義深いものと考える。
  私も、これまでの先輩方の後を引き継ぎ、会員や支援の皆様方等の御協力をいただきながら、事業展開を図っていきたいと考えている。
  日本は、今年3月に起きた東日本大震災により、未曾有の大被害を受け、建物だけでなく多くの方々が犠牲となられ、今なお多くの方々が避難を余儀なくされている。
  この震災は、東京電力福島第一原子力発電所の事故を引き起こしており、世界の人々がその成り行きを注目している。
  日本国内はもとより、世界各地から多くの温かい支援の手が差し伸べられ、この震災からの一日も早い復興が期待されている。

  このような状況の中ではあるが、当協議会がこれまで実施してきた高校生交流などの事業を、本年度も例年通り実施したいと考え、5月に中国を訪問し、学校関係者等と協議をしてきた。
  そうした中で、中国の関係者は、「青少年の相互交流は大切なことである。喜んで岡山の高校生を受け入れるし、中国の生徒も岡山を訪問させていただきたい」ということであった。
  特に強調されたことは、厳しい状況にあるときこそ、このような交流をしっかり進めていく必要があるということであった。

  私たちは、今後も地道に日中教育交流に取り組み、グローバル化社会に生きる有為な人材育成に資するよう努めてまいりたい。
    =岡山県日中教育交流協議会会報「悠久」第35号より=
 
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洛陽市第三次医療視察団
    謝副局長、病院長ら来岡
               病院、専門学校など4施設を見学
  洛陽市衛生局が派遣し、岡山市日中友好協会(日中医療交流促進委員会)が招聘した第三次医療視察団が、6月29日、上海・岡山便で来岡した。

  医療訪日団は、洛陽市衛生局副局長の謝国璽女史を団長とし、洛陽中心病院や汝陽県、伊川県、孟津県、新安県など洛陽市郊外の県の病院長らを団員とする6名の訪日団。
  今回視察したのは、洛陽市と友好病院提携をしている岡山旭東病院、倉敷成人病センター、岡山医療福祉専門学校、クリニックとして中島内科小児科医院で、6月30日、7月1日の両日にわたり精力的に見学し、見聞を深めた。

  倉敷成人病センターでは、新井達潤理事長や服部輝彦常務理事病院長らの出迎えを受け、全体説明を受けた後、内視鏡の子宮けいがん摘出手術現場を見学した。
  その後世界的に有名な安藤正明副院長の手術技術などについての詳しい説明を聞いた。
岡山旭東病院を訪れた一行
 
岡山医療福祉専門学校での説明
倉敷成人病センターでの説明
 
サイバーナイフの機器を視察する一行
 

  一行は、「中国では、このような手術は多くない。安藤医師に洛陽へ来ていただき指導を」と要望していた。
  また、医療事故の現状や対策について質問していた。洛陽では医療事故が増え大きな問題となっている実情についても話していた。
  また、今回は、病院以外に医療に従事する専門職を養成する岡山医療福祉専門学校を訪問した。

  学校では、大橋節子理事長(学校法人創志学園学園長)らが出迎え、保健師と看護師の両方の資格がとれる保健看護科や介護福祉士科の内容説明を受けた後、校内を視察、整備された実習現場の機器に関心を示していた。
  同校では、中国からの留学生が2人いて、看護師国家資格合格に向けて頑張っていることを報告しながら訪日団の案内役をした。

  また、今回の訪日団の要望もあり、地域に密着した街中のクリニック・中島内科小児科医院を視察した。中島豊院長は、訪日団が関心ある病院経営について、具体的な数字を挙げ、説明した。 
     
歓迎夕食会を開催     協会員を交えて歓談
前列右から4人目が謝団長
  洛陽市第三次医療視察団(謝国璽団長)を迎えての協会主催の歓迎夕食会が、6月30日、しんとうざん茶屋で開かれた。
  
  
片山浩子会長が協会を代表して「今年は岡山、洛陽両市の友好交流が始って30年の記念すべき年です。心より歓迎します」とあいさつ。
  これを受けて謝団長が「今日は岡山の先進的医療の現場をじっくり見せていただきました。みなさんには洛陽の医療の発展に大きな貢献をしていただいています」とお礼。
  協会会員を交えて歓談はいつまでも続いていた。
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こんにちは!洛陽から
   岡山・洛陽市友好都市30周年記念訪日団来岡
  岡山市と洛陽市の友好都市30周年を記念した総勢約100人の訪日団が8月5日、来岡した。
  内訳は、洛陽市より、政府訪日団4名、観光促進訪日団6名、報道関係訪日団12名、そして小学生を主とする教育訪問団78名。5日、上海岡山便と関西からの陸路に分かれて岡山入りした。

  訪日団は、6日に岡山市主催の30周年記念式典及び歓迎昼食会に参加したほか、各種交流を行い、岡山花火大会も楽しんだ。
片山浩子協会長と歓談する
    楊炳旭副市長(右)
 
陶笛を披露する洛陽の子供たち

吉備国際大で講演
         
松井三平理事事務局長
  交流の歴史と課題説く  交友望む留学生の声も
  市日中友好協会の松井三平理事事務局長が、7月8日午後4時から、高梁市の吉備国際大学で「岡山での日中友好の歴史と今後の課題」について約1時間、講演した。
  講演は、国際環境経営学部の2年生を対象に行われ、参加学生約70名の内、半数は中国人留学生であった。

  講演の後の質疑応答では、内山完造氏について、上海で記念館を訪問したことがあるが、岡山県人であることは知らなかった、認識が改まったという参加講師の方からの感想なども寄せられた。
  また、講師から学生への質問で、中国人留学生が多い環境の中で、中国への関心が高まったかどうか、との質問には大して変わらないとの回答が多く寄せられた。

  中国人留学生からは、講義の時は一緒だが、終わるとアルバイトなどに行き、日本人学生との接触の機会は少ない。交流機会が増えればいいとの希望が寄せられた。
  留学生が増えても、日本人学生との接触は案外少ない様子にも感じられた。
  この講座は、「基礎演習Ⅲ」の講義の一環として、外部講師を招いて見聞を広げるために実施されている。
 
「岡山浪乗り会」一周年記念 中国語特別講座のお知らせ
  岡山市日中友好協会では、中山時子先生が開発した中国語学習法「浪乗り会」を岡山で実践し始めて一周年になるのを記念して、岡山出身で協会ともなじみのある道上知弘先生をお招きして、特別講座「中国語発音指導」を開催します。申込は事務局まで。

 ○講師 道上知弘先生
       東京大学・慶應義塾大学中国語講師
 ○日時 8月31日(水)午後6時半~8時半
 ○場所 協会中国語教室(錦町5-15)
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シルクロード
    唐蕃古道と黄河源流を四駆で訪ねて <下>
                     荒木敏雄氏ら5人組
 
   シルクロードのチベットルート「唐蕃古道」はいよいよ最終。青海省から四川省にかけての世界の屋根をひたすら走る。一行は、登山経験のある70歳台の男女4人と、全く山には素人の60歳台の男、つまり私・荒木の計5人。 

  今、走っているのは青海省南東部に広がるアムネマチン山脈の山間盆地である。アムネマチン山といえば、標高が6,282メートルあり、チベット仏教三大聖山の一つとして崇められている山。
  その山群を走り標高4,000メートルの黒土山峠を越えると瑪沁である。標高は3,700メートル。

  夜は瑪沁泊。
  石炭ストーブと電気毛布があった。屋外トイレの場所を確認すると、床下に途方もなく大きな穴、暗黒のルツボではないか。
  夜空の星は大きく、くっきり、手が届くようだった。石炭ストーブは2時間ごとに石炭補給、燃焼ガスに悩まされた。
  朝は、洗面器一杯の水で歯磨き、洗顔、整髪。しかし、寒い。

  青海省から四川省にかけてのチベット高地がどこまでも続く。周囲は雪をいただいた4,000メートルから6,000メートル級の山々が重なる。
  雪山郷。ここはアムネマチン山の麓にある小さな村である。このあたりは高原、渓谷、峠と激しく景観が変化する。チベット寺院も多い。
  邑から邑の境界には検問所があり、その都度、ガイドはテントの検問室(写真・上)に行き、通行許可を得る。
  主として精力剤だといわれる特産物を取りにやって来る盗賊に対する公安警備だとか。
  雪山郷では、途中まで車で行き、以後片道約1時間の山登りに挑戦した。一番若い私が「はぁはぁ、ゼイゼイ」、1時間半も費やしてしまった。
  その登った先での景色は、まるで桃源郷。昼飯はそこでピクニック気分で頂いた。
 


  久治、阿覇、三文川、そして成都。当時の玉樹地震の影響で、道路事情や交通環境が、極めて悪化していた。
  予定地を制覇するには早朝5時出発。しかし、中国災害救援車両軍団多数進行中。
  四姑娘山は、東方のアルプスともうたわれる美山で、世界遺産にも指定されている。
  それだけに期待も大きく、写真撮影では時間がかかり過ぎ、道路工事時間帯に引っ掛かり、全面通行止で4時間待機させられた。片側交互通行など始めから念頭にナシ。
  最後は、予定を変更、成都にまっしぐら。
              ○      ○      ○
  成都では、ホテルのレストランでゴージャスな大晩さん会を開き、疲れをいやしました。
  全行程を通じて、食事はたいへんおいしかった。また、チベット族を中心に、西域の人々は優しく素朴でした。心の強さを感じさせられた旅でした。(荒木)

活動日誌
 6/ 9…三誌友の会例会
 6/29…第三次洛陽医療視察訪日団来岡(~7/1)
 7/ 5…岡山県日中懇話会理事会(ピュアリティまきび)
 7/ 8…吉備国際大学講演(松井事務局長)
 7/14…三誌友の会例会
 7/22…洛陽市青少年交流団来日(ホームステイ)
 7/26…通訳ガイド養成講座準備会
 7/28…2011年日中青少年交流大連へ出発(~8/3) 

先憂後楽
  観光取材に同行して北京を訪問した。万里の長城、故宮といった定番の観光地に加えて、若い層にも人気のあるスポットを紹介するのが狙い。

  798芸術区というエリアは、もともと文化大革命時代にドイツと合弁で作った電子部品工場の跡地に芸術家が集まり、アートの街になっていき、多くの観光客が集まってきた。独特の雰囲気がある。まだ日本人観光客は少ないが、気軽に行ける新たな観光スポットになっている。胡同めぐりも人力車でめぐるだけでなく、ゆっくり歩くと、面白い。

  しかし、多くのパッケージツアーは安さだけが優先されて、ゆっくり味わう旅になっていない。「走馬観花」(馬で走りながら花を愛でる)そのものだ。北京2泊3日 29,800円。こんなツアーが人気を集めているが、ホテルや食事を削ってもあり得ないツアー費。

  しわ寄せは現地ガイドに集まる。買い物やオプショナルをいくら増やしても元が取れない。もちろん、北京の面白さ、おいしい料理などを案内できるはずがない。

  今回の現地ガイドの高さんはレベルが高い。取材手配は、その日その日に時間配分を決めてルートを確認していく、難しいコーディネートが求められたが、彼は淡々とこなしていった。

  中国にはこのようなレベルの高い通訳ガイドが多いが、日本の安いパッケージツアーは彼らの誇りも能力も無視してやる気をなくさせてしまう。

  安いツアーだけでは、本当の中国旅行の面白さが味わえない。日本の旅行社はもっと工夫し、良質のツアー造成に努力しなければならない。消費者も安さだけを追求するのでなく、旅の醍醐味を味わえるツアーを育てるべきだろう。中国のイメージ造成にも関わる大切な仕事だ。(松)


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また、ご入会いただくと、毎月お手元へお届けいたします。入会案内をご覧ください。


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