2000年10月
平成12年10月
  139号

発行人 片岡和男
編集人 岡本拓雄
中華人民共和国51周年 日中国交正常化28周年 祝賀大会開催
 9月29日、標記の祝賀大会が、岡山県華僑総会・岡山県中国人留学生学友会・岡山県華僑(中国)青年会の共催により、岡山市藤田ジュラーシで開かれた。

 駐日本国大使館一等書記官呉暁寅氏をはじめ、国会議員、地方議員、大韓民国民団代表、在日本朝鮮人総聯代表、各種友好団体有志、留学生等約150人が参加した。協会からは片岡会長、小路理事、岡本理事が出席した。

 祝賀会は三部にわかれていて、第一部の式典が約1時間あった。呉暁寅一等書記官は、挨拶の中で、中華人民共和国の現状と将来計画、日中国交の展望について詳しく話した。劉勝徳華僑総会会長は、岡山県在住の留学生、研修生の厳しい生活状況を話した。日本人に対して誠意のある温かい支援を求め、留学生、研修生に対しては、甘えを捨てて強く生きていくよう訴えた。馬福山中国人留学生学友会会長は、重篤な病気で長い間、病床に伏している留学生のことを話して援助を訴えた。

 第二部は余興で、太鼓歴22年の太鼓奏者・今岡誠一さんの雄壮な太鼓の演奏で始まった。創価学会吹奏楽団サックス四重奏、独唱など次々と披露された。

 第三部は福引大会で、受付で渡された番号が呼びあげられるたびに大歓声があがった。

留学生生活支援レポート
 9月16日あいにくの雨空の中、待望の冷蔵庫12台が留学生の待つ岡山大学留学生会館(岡山市津島)に届けられた。朝10時ごろ引取先の邑久町にある岡山県の第三セクター『いこいの森』に下電運輸のトラック(運転手は森下さん)が到着しており、協会からの洞、松井理事と合流。早速、服部総務課長の指示で冷蔵庫保管場所に案内され、トラックに積み込んだ。

 岡大留学生会館には11時30分ごろ到着。中国人人留学生会のメンバーが出迎え荷下ろしを手伝った。ロビーには冷蔵庫を必要としている留学生が引き取りに来ており、早速持ち帰っていた。留学生を代表して馬会長が協会に対する謝辞を述べた。

 協会では留学生の生活支援物資の提供を会員はじめ、県民に呼びかけていたが、輸送の問題がネックとなり、なかなか県民の善意が留学生に届かなかった。そこで、先の理事会で協議した結果、永山副会長(下津井電鉄社長)の提案により、下電運輸の協力を得ることが出来、今回の引き渡し作業が実現した。

 まだまだ十分に使用できるものを提供できる人がおり、それを必要としている人がいる。しかし、それを結ぶ人が足りない。トラック、運転手、ガソリン、高速料金、荷積み作業人すべて無償提供してくれる人。あるいは、それらを雇用してその費用を負担してくれる人。協会にはそのような人が必要なのだ。(松井理事)

お礼とご報告 私費留学生生活支援の件
 中国私費留学生のための生活用品援助につきまして、当協会会報136号(7月号)でお願いしましたところ、早速、多くの方々より、種々の申し出を頂き有難うございました。予想以上の反響に深く感銘致しました。

 これらの物品につきましては、中国留学生学友会の馬福山会長を通じて、ご提供者と希望者との連絡を取って頂きました。都合よく授受が成立した件、ボランティアの方が運送して下さったので大きな成果を挙げた件もありましたが、連絡不行き届きや、留学生の都合で指定の日時に取りに行けなくて大変ご迷惑をおかけした件もありました。折角のご好意を無にするようなことになり、深くお詫び申し上げます。第一次の援助活動は、10月をもってひとまず終わりにし、授受の成立していない件は、解消させていただきますのでご了承のほどをお願い申し上げます。

 ご芳情をお寄せ頂いた方々に対し重ねて感謝の意を表しますとともに、今回の活動の反省の上に、次の計画をたてたいと思いますので、今後ともよろしくご支援ご協力のほどをお願い申し上げます。
(協会会長 片岡 和男)

ドキュメンタリー映画『正乙祠』完成間近!
 構想から足かけ4年がかりで制作してきたドキュメンタリー映画『正乙祠』が本年11月に完成し、来年から公開されることとなった。

 これは中国の京劇をテーマにしたドキュメンタリー映画で京劇上映劇場『正乙祠』の再建にかける中国人を描きながら、体制の違う中で個人の生き方、生き甲斐などを描いている。

 監督は笠井正俊氏(33歳)で、9月25日同映画の完成報告と上映協力のため、協会を訪れた。氏はこれまで何回か協会を訪問し、映画制作の中で直面した様々な困難(映画は北京での撮影が主となっている)やエピソードなどを説明してきており、この映画にかける意気込みを感じさせた。笠井氏は、これまでにも6本ほどの映画製作を手がけてきており映画祭などにも出品してきたが、中国を舞台にしたのは初めて。既にNHKからの取材要請もきており、来年にかけて注目されてくるだろう。上映の成功により、京劇への関心が深まり、日中交流が促進されることが期待される。

東西の格差解消を目指して 中国開発の重点を西部へ 「西部の天然ガスを東部へ送る」
 2000年2月、中国国務院は、中国西部の新彊ウイグル自治区タリム盆地の天然ガスを東部の長江デルタ地区へ輸送する計画を認可した。

 この「西気東輸」(西部の天然ガスを東部へ輸送)と呼ばれるプロジェクトは、4年にわたる研究を経て、中国政府の西部大開発戦略決定という背景の下に開始された。このプロジェクトは、西から東へ向ってタリム盆地の輪南を起点として、新彊、甘粛、寧夏、陝西、山西、河南、安徽、江蘇を経て終点の上海まで4,200キロメートルのガスパイプラインが建設される予定である。パイプラインの全長は、中国最長の人口大運河・北京―杭州大運河の2倍を超え、輸送量は、年120億立方メートル、第一期の総投資は1,200億元に達し、長江三峡水利中枢プロジェクトに継ぐ重要プロジェクトであり西部開発の看板プロジェクトともなっている。この膨大なプロジェクトは2001年に施行され、2003年に全線開通する計画である。

 中国政府は、すでに外国企業及び外国投資者に対して、投資、建設、管理を歓迎する意向を表明している。「西気東輸」プロジェクトは、西部の資源上の強みを経済上の強みに変え、地元の新しい経済成長点となり、産業構造とエネルギー構造の調整、ひいては地元の町鎮建設を推進し、新しい就業のチャンスをもたらすことができる。ちなみに新彊ウイグル自治区は、このプロジェクトによって、毎年8億元以上の各種税収を確保することができる。また、このプロジェクトによって東部沿海地区の持続的発展を支えるエネルギー資源が保証される。

 なお西部大開発にについてのインターネット・HPは http://www.xbdkf.com
(参考資料:「中国画報」7月号)

白楽天を遊ぶ 日本人と洛陽(8)                        長泉寺住職 宮本 光研
 洛陽といえば白楽天。盛唐のもっともかがやかしい"開元の治"で仏教文化が花開いた。その後、李白と杜甫が相ついで亡くなった大暦年中(772)鄭州に生まれた。

 蘇州、杭州などで過し、晩年17年間、香山―洛陽龍門の川向うに住む。かの大仏―奉先寺の完成したすがたを拝んでいたことであろう。

 その詩文『白氏文集』70巻が日本に影響を与えた。平安時代、菅原道真の『菅家文草』や清少納言が香炉峰の雪は簾をかかげてみる、と『枕草子』に引用し、文才を示したエピソードは有名。又「長恨歌」「琵琶行」の影響は『源氏物語』にみられる。

 あまりの影響が大きすぎたためか、能楽『白楽天』に、日本の知恵をはからんとしてやって来た白楽天、住吉明神が神風で吹きもどしたという逸話も。

 また入唐僧、空海とは同時代、2歳年上である。盛唐の同じ空気を吸って民衆をたすけんとした心は等しい。ふたりが出会ったことはなかろうが、空海が長安に滞在したとき、楽天はその常楽坊に居た。

 ―煙霞日夕をねがう詩心は又、同じい。

 岡山市に白氏詩碑二つある。96年、洛陽市から半田山牡丹園に贈られた。

   野比焼けども尽きず
   春風吹けばまた生ず

 洛陽旅遊でいつも想う。もっと白楽天を楽しみたい。香山で酔吟先生に出会い、柏林にごろ寝して『文集』を読もう。日夕に大日仏を拝み、楽天―仏心の何ものかをきわめたい。

 洛陽と日本人のこころの紐帯が白居易―楽天先生であることはまちがいない。(協会理事)

活動日誌
9/21 中国三誌友の会91回月例会
9/25 坪田譲二翻訳出版協力募金6万円を劉迎氏に贈呈
10/5

上海市対外友好協会訪日団歓迎会

会員消息
【入会】
賛助会員・シモデンツアーサービス株式会社
一般会員
中田憲一(内科医師)
林泰雅(会社員)
山本直樹(会社員)
渡邊隆啓(建築業)
児玉八重子

中国関係消息
岡山あいフェスティバル2000
 "同心協力、走向二十一世"「心をつなげて21世紀へ」のあいことばのもと、10月28日(土)と29日(日)の2日間、岡山市・岡山市国際交流祭実行委員会の主催で、「岡山あいフェスティバル2000」が下石井公園及び西川アイプラザにおいて開かれる。

 28日は、11時から16時まで。オープニングイベントでは、南米音楽、備中神楽、インドネシア舞踊があり、グローバルビレッジでは、中国をはじめ世界各国の自慢料理や特産物の販売がある。

 29日は、10時から16時まで。ステージパフォーマンス、民族衣装ファッションショー等があり、子どものために、遊びを通じて世界のことを学び、中国人ゲストとふれあう国際理解の集いもある。

講演会
 10月28日13時30分より、岡山県国際交流協会の主催で「シニアボランティア養成全国リレー講演会」が岡山国際交流センターで開かれる。
 2つの講演と体験発表および質疑応答があり、個別相談コーナーも設けられている。入場は無料。(事前の申し込みが必要)

中国スケッチ展覧会
 依田翠晃氏が約60年前の中国各地をスケッチした遺作展が下記により開かれる。
1.日時:11月7日(火)より12日(日)まで
2.場所:RSKメディアコム
3.問合せ先:222-4628 依田

中国修学旅行増加
 岡山県日中教育交流協議会の会報「悠久」第3号によると、高校、中学の中国修学旅行の参加人数、学校数とも着実に増加している。1999年の参加人数は4万人を超え、実施校は200校に達している。日中間の航空路線の増加や、中国国内インフラ整備、価格の低下などが要因として考えられる。また実施日数は私立、公立ともに4泊5日が最も多い。

先憂後楽
  先頃来岡した上海市対外友好協会の話しによると、かつてはコンピューターと外国語が出来なくても良い就職口が見つかった。しかし今ではこの両方が出来なければ良い就職は出来ないという。こんな時代が既に到来しているのだ。

 協会でも早くからホームーページを立ち上げているが利用度というと今ひとつというところ。更新が出来ておらず内容に新鮮さが無かったのも一原因だが、このほど会員の大上さんの協力で刻々更新できる見通しが立った。

 来年迎える協会20周年事業にはホームページを利用して作文募集を実施したらどうだろう。老いも若きも同一レベルで参加でき、協会や日中友好活動への関心を呼ぶのは間違いないと思うのだが。(松)


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