2001年2月
平成13年2月
  142号

発行人 片岡和男
編集人 岡本拓雄
2001年度定期総会 盛況裡に終わる 協会創立20周年記念事業を成功させよう
 2001年度の協会定期総会は、1月27日(土)午前11時から、岡山駅前、日本生命ビル6階で開かれた。会に先立ち協会関係の物故者6人に黙祷を捧げた。ついで、片岡会長が挨拶に立ち、今年は岡山市・洛陽市友好都市締結20周年記念の年であり、また岡山市日中友好協会にとっても創立20周年の年であるので各種の記念事業について一層の協力を要請した。

 椋代理事を議長に選んで5つの議案を審議し、提案どおり承認された。審議事項は次のとおりである。

2000年度活動報告
一 各種交流
1.岡山市―洛陽市(河南省)友好都市交流
(1)岡山市友好訪中団(団長 片岡和男協会会長ら27名) (4/16~4/21)
(2)洛陽教育交流訪問団(団長 板野忠綾南学区連合町内会長ら41名) (8/6~8/11)
(3)洛陽市民訪日団来岡 (8/17~8/23)
2.上海との友好交流
(1)教育視察団(岡山県日中教育交流協議会、森崎岩之助団長ら10名) (6/13~6/16)
(2)上海市人民対外友好協会訪日団来岡 (7/15)
(3)第11回福祉の翼訪中団後援(江草安彦名誉団長、菊池達男団長ら110名) (8/22~8/25)
3.交流協力活動
(1)信陽友好訪問団(田口光代団長 10名、奨学金贈呈式) (3/31~4/4)
(2)日中友好リレーフ完成式参加訪問団 (4/21~4/25)
二 中国留学生との交流活動
(1)第6回日中友好ボーリング大会 (7/15)
(2)生活支援活動(7月~9月)
三 中国語普及活動
(1)会話クラス(入門4名、初級5名、中級6名、個人レッスン3名)
(2)中国語能力検定協会試験(第40回~第42回)
四 中国三誌普及活動
(1)三誌友の会例会開催(第83回~第94回)
(2)協会扱い定期購読数『人民中国』49部 『中国画報』7部 『北京週報』5部
五 組織の現況報告
1.2000年度新規入会者
一般会員 38名、賛助会員 2団体
  2000年度退会者
一般会員 33名、賛助会員 2団体
2.総会員数(2000年12月現在)
一般会員 318名、賛助会員 21団体
3.理事会開催  4回
4.機関紙11回発行(131号~141号)
2001年度活動方針
一 協会設立20周年記念事業
 1981年9月12日、協会はそれまでの組織を再建して『市民ぐるみの日中友好を!』をスローガンに、幅広い市民組織として再スタートした。以来、各界の要望に沿って、中国との交流に尽力し、岡山市民と中国とを結ぶ民間団体として定着してきた。この20年を振り返り、新世紀の友好を展望する意味を込めて、記念事業を展開していきたい。
(1)『岡山市民友好訪中団』に参加 (4/17~4/21)
(2)『洛陽の民話』記念出版 (9月までに)
(3)中国展参加 (5月)
(4)記念式開催 (9月)
(5)事務所の改善
(6)その他
一 岡山―洛陽友好都市締結20周年事業
*同事業実行委員会(事務局…市国際化。協会も参加)と協力して実施
*希望工程事業に協力
二 各種交流活動の強化
(1)上海市との交流促進(旭川荘の実践に協力等)
(2)教育交流促進  岡山県日中教育交流協議会(会長―森崎岩之助)と協力等
(3)岡山県下市町村と中国諸都市との交流促進  新見市―信陽市シ河区、賀陽町―淮安市、他
(4)各種協賛事業  シンフォニーホール10周年記念中国民族音楽会(5/23)等
三 在岡中国人との連携・交流促進
四 日常活動
(1)中国語普及活動(中国語センター運営強化)
(2)中国三誌普及活動
(3)その他
五 組織強化
(1)会員拡大
(2)財政強化
六 広報活動
(1)機関紙『岡山と中国』発行
(2)ホームページの充実と活用

新春互礼会・バザー
 総会のあと、八仙閣で新春互礼会が開かれた。会場にバザーコーナーも設けられた。中国人留学生の招待者をはじめ約70人が参加した。

 片岡会長の挨拶で始まった。1年に1回しか顔を合わせられない会員が多く、話がはずんで予定の時間より30分延長して閉会した。宴の間に、入れかわり立ちかわり訪れるお客様でバザーコーナーは終始賑わった。今年も一品残らず売りつくした。売上金は、協会設立20周年記念事業に使わせていただきます。

岡山県中国留学生新年会開催!
 1月28日、岡山大学留学生会館において、県下の中国人留学生が春節を祝う新年会が同友会(会長―馬福山)主催により開催された。当日はあいにくの雨にもかかわらず、約200名が集い、『歌唱祖国』を全員で合唱し、馬会長の挨拶のあと、手作りの中国料理やカラオケを楽しんだ。協会からは松井事務局長が来賓として参加した。

 現在、岡山県下には日本語学校で学ぶ就学生や企業の研修生などを除いて、約600人の留学生が生活している。そのほとんどが私費留学生という。馬会長は昨年協会が実施した生活支援活動を高く評価し、今後も協力してもらいたいと表明した。

私と岡山(23) 岡山で学んだことを将来に役立てたいと思います
                                 倉敷芸術科学大学留学生 呉 阿栄
―ご家族について教えてください。
呉:両親は公務員です。妹と弟がいますが、弟は軍の教官をしています。妹は私より先に留学しました。今は研究生ですが、4月に岡山大学の大学院に入学します。

―留学の目的は何ですか。
呉:貿易会社に勤めていたのですが、世界を視野に入れて仕事をするためには、いろいろな国のことを知る必要があると思いました。先に留学していた妹から日本のことは聞いていましたし、日本の文化にも興味がありましたから、日本で学ぶことによって将来に役立てたいと考えました。

―会社をやめて日本語を勉強し留学するというのは一大決心でしたね。
呉:リスクや苦労はステップアップのためにはやむを得ないと思います。将来は会社を作りたいので、夢に向けて頑張っていけるのです。

―大学生活も3月で終わりますが、これからのご予定は?
呉:岡山で就職することになりました。繊維関係の会社ですが海外との取引が多いので、今英語を勉強しています。

―将来の夢に向けて、また一歩前進ですね。頑張ってください。ご出身は内モンゴル自治区だそうですが、岡山とはずいぶん違うでしょう。
呉:そうですね。まず、気候が違います。今はだいたいマイナス20度くらいですね。夏は30度位まで上がることもありますよ。乾燥しているので日本のような蒸し暑さはありません。7、8月がベストシーズンで「草原ツアー」などの観光客が多いですね。羊のしゃぶしゃぶ鍋はとてもおいしいですよ。

―モンゴル族の生活はどんな様子ですか。
呉:フフホトでは90%が漢族ですが、草原には昔ながらの遊牧生活をするモンゴル族もいます。定住用のレンガで造った家と夏の遊牧のためのパオと2つの家を持っていますが、若者は学校や仕事のために町に出ていきますから草原にはお年寄りが多いですね。

―広い草原では隣のパオに行くのもたいへんですよね。馬で1時間位とか…?
呉:そういうこともありますね。

―北京からフフホトまで飛行機で行ける時間と、隣の家に行くのとが同じくらいだなんて、さすが内モンゴルならではですね。悲劇の妃、王昭君の墓もあるそうですが。
呉:はい、近いです。車で1時間位で行けます。すぐです。

―えっ?1時間?すぐ?(やはり隣の家まで5分もかからない日本的感覚とは距離感が違うのである…)

「日本に来て、道が狭いのでこわかった。自転車で走っていると溝に落ちそうになるしまっすぐ走れませんでしたね。」と笑った彼女だったが、今は狭い道もなんのその、スイスイ車を運転しているのである。
(文責 杉本博子)

大連・旅順4日間の旅(2)                           協会会長 片岡 和男
 10月22日は旧満鉄本社前で止まり、外から見たが、当時の実力を示す堂々たるコンクリート建築である。この道筋には路面電車が頻繁に走っている。近くにある大連医科大学の前を通り、海浜道路へ、素晴らしい星海公園をへて棒睡島へ着く。次の老虎灘へ、近くに姉妹都市の北九州市の協力によりできた北大大橋がある。午後には岡山に夫婦で留学していた張建華さんが尋ねて来てくれた。10月23日は早く起きて、ホテルの隣にある労働公園を散歩した。9時30分より大連開発区管理委員会を訪問し、同委員会副主任肖盛峰氏、大連経済技術開発区招商局副局長博義民氏を表敬訪問した。開発局ができてから15年になるが、外国企業の進出は130で、日本が一番多く、33億ドルになり、大企業では三菱、東芝、松下、サンヨウ等であり、岡山、広島の企業にも、また中小企業にも来てほしいとのことである。投資についての条件、規則は貰った冊子に書かれている。誘致されている日本の三島食品を訪問した。昼食は開発局のご馳走になった。そして大連を後にし、空路福岡へ、新幹線で岡山に無事帰着した。お世話になった皆様に厚く御礼申し上げます。なお、今回のプログラムにおいて、岡山市日中友好協会として有形無形の協力ができたと思っております。

今年は巳年 蛇にまつわる話
 十二支に十二の動物を配当したのは、中国の戦国時代からのようであるがなぜ6番目が「巳」になったかはわからない。

 動物伝説の中で、もっとも広く行き渡っているのは、蛇の話である。現在、蛇の種類は2,600余りあり、南極大陸を除く各大陸に分布している。各地の原野、山林、沼沢、湖海、雑多の場所に棲み大きさ、形、色、動作、習性が違っていて、劇毒をもって人畜に被害を与えるものもいる。古来人類の歴史に関係が深いので、蛇にまつわる伝説が多いのであろう。

蛇と財宝
 財宝を隠したところに蛇が棲んでいるという伝説が多い。中国では蛇を銭の神としている。アルバニヤの伝説に、蛇が伏蔵した財産を護り時々地上へ曝して、財宝に錆や黴の付くのを防いでいた。かつて、蛇が莫大な金を巻いているのを見た羊飼いが、一計を案じ牛乳をその辺に置き物陰に潜んで窺っていると案の定蛇がやってきて牛乳を飲み尽くし、また金を巻いていたが喉が渇いて仕方がないので、ついに遠方へ水を求めに出かけた。その間に羊飼いは大願成就かたじけないと、そっくりそのお金を盗み取ったという話がある。

蛇の足
 蛇足の喩えは『戦国策』に出ている。昭陽が楚の将として魏を伐ち、さらに斉を攻めたとき、弁士陳軫が斉を救うためにこの喩えを説いて、昭陽に戦を止めさせた。一盃の酒を数人で飲もうとする時、頭割りでは飲むほどもないが一人で飲むとたっぷりあるから、申し合わせて蛇を地に描き、一番早く描いた者一人が飲むことにしようと定め、さて最も早く蛇を描いた者が、その盃をとりながら、この蛇の足も描いてみせようと描き始めたので、ほかの者が盃を奪い取り、蛇は足がないに決まっているではないか無用なことをするからおれが飲むといって飲んでしまい、足を描き添えようとした一番の者は、酒を失った。
(南方熊楠著十二支考より)

ちょっとチャット(1) 留学生との交流あれこれ              協会理事 綾野 富美子  
 中国語講座でお世話になっている留学生S嬢から、1月中旬の夜中に、電話があった。用件は、昨夜から腹痛が続いていて中国から持って来ている薬を飲んだが治まらないという。取り急ぎ受診の手配をした。朝食の支度をしていたら再度電話で、受診の結果、虫垂炎で手術をすすめられたが中国の両親に相談すると言って薬を貰って帰ったという。大学のこと、アルバイトのことにけじめをつけて2月4日に彼女は成田空港から天津の実家へ手術目的で帰って行った。

 他の中国語講座の知人から、突然講座の留学生の先生が来られなくなったのだという。時間をやりくりして参加しているのに、今度、いつ来て下さるかが分からないという。先生は男性で車で夜でも、少々遠距離の所へも来て下さって喜んでいたのにと。来られなくなったのは、免許証が中国のもので、そのうえ速度違反もしていたと、後で分かったとか。

 私は孫娘を連れて3年来夏休みに上海交通大学へ短期留学した。その際いろんな人のお世話になった。そのお礼と中国好きもあって、中国の留学生に対してささやかなボランティア活動を続けている。女子学生は自炊する人が多いので食材や調味料など、家庭で眠っている日用品と共に留学生たちのアパートをたずねて渡す。通学、通勤の足にと中古自転車を貰い受けに、車で同行することもある。文化の違いかどうか同行先で、礼を言わない学生がいる。この頃は、それが分かったので、後で礼状を送るように、好い国際交流をするように促している。

 留学生が、岡山で自活することは、大変だ。多くは私費留学で、生活費、学費に加え殆どの学生がコンピューターを持ち、インターネットをする。携帯電話も使う。そのうえ、中国へ送金もする。バイト口も2つ3つのかけ持ちは誰もがやっているらしい。オーバーワークになり生活に追われて留年休学、果ては卒業できないで退学者も出て来ている。夢を抱いて来た岡山で是非所期の目的を達成してから帰国して欲しい。

 留学生の多くは、「岡山はきれいだけど、こんな田舎とは思わなかった」という。私は、「青春時代の最も良い時期を暮らす岡山、ご縁が有ったの、応援するね」と返す。

活動日誌
1/11 中国三誌友の会(ピープルズチャイナ誌ほか) 新年互礼会。ゲスト・中国留学生
2/3 日中女性フォーラム報告会
2/8

第96回中国三誌友の会 ①訪中報告 ②チャイナ誌記事

会員消息
【入会】
片岡 啓さん

中国関連消息
国際交流講演会
日時 2月17日 2時~
場所 友好交流サロン
演題 私の健康を求める道
講師

甄立学・アスカ国際クリニック漢方医療顧問

岡山県同宗連記念講演会
演題 新世紀と東アジアの宗教
日時 2月23日 3時~
場所 県綜合福祉会館(石関町)
講師 上田正昭・京都大学名誉教授
図書紹介 『ことわざ東洋医学 酒は百薬の長』
 前漢五朝の歴史を書いた『漢書』の中の「食貨志」に記載されている。

 塩は食肴の将軍であり、酒は百薬の長で、めでたい宴会の時には必要なものであると。

 孔子も「酒は老を養うゆえんであり、病を養うゆえんである」と言っている。前漢・後漢の頃には、治療に酒を使ったことがわかっている。

 貝原益軒の「養生訓」に「酒は少しく飲めば益多く、多く飲めば損多し」とある。

 われわれ日本人が生活の中で、ごく自然に口にし、耳に親しんできたことわざの中には、健康に対する心得や生活の知恵などが込められたものが多い。中国と日本のことわざを集めたのが本書である。
(山本徳子著、医道の日本社、B5版、1,800円)

先憂後楽
 新世紀明けてから2つの新年会に招かれた。ひとつは『在日岡山県朝鮮人商工会』、もうひとつは『中国人留学生同友会』である。

 昨年、シドニーオリンピック開幕式で南北朝鮮の同胞たちが統一旗を掲げ共同入場し世界をあっと言わせた。6月15日には南北首脳が歴史的な会談をもち、統一に向けた共同声明を発表するなど、かつてない平和ムードの中での新年会だったため、大いに盛り上がった。来賓で出席していた中田倉敷市長の挨拶にもあったように、今年はさらに統一に向けた前進が期待される。

 中国人留学生同友会は馬福山会長就任以後、活動が活発になり、新年会参加留学生も約200名とこれまた盛り上がった。中国全土からきている留学生の交歓風景は圧巻だった。

 在日外国人で最も多いのは朝鮮の方々でついで中国人である。21世紀は間違いなくアジアが世界をリードするようになるだろう。中国と朝鮮そして日本が固い友好関係と相互協力関係を強化していけば、平和と繁栄が実現できるのは明々白々である。

 在日のアジア人との友好関係を更に強化していく年にしたい。(松)


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