2003年10月
平成15年10月
  163号

発行人 片岡和男
編集人 岡本拓雄
協会訪中団洛陽訪問 SARS救援金を手渡す ―片岡和男会長から呉中陽洛陽副市長へ―
洛陽訪問団一行  本年4月の洛陽牡丹祭りに参加する予定だった岡山市日中友好協会訪中団は、SARSのため訪問延期を余儀なくされていたが、渡航自粛が解除された8月より準備を始め、9月21日から洛陽をはじめ孔子生誕祭りで賑わう山東省の曲阜などを訪問し、28日無事帰国した。訪問団は片岡会長を団長とし、会員などで構成する総勢15名。
訪問団一行 劉典立氏と会見
洛陽市での訪問交流
 洛陽市では、人民政府を公式に訪問し、呉中陽常務副市長ら政府幹部の応接と歓迎を受け、打ち溶け合って交流を深めた。協会から持参した会員のSARS募金と防護服も会長から呉副市長に贈呈された。歓迎会の席上では、洛陽の銘酒杜康酒を12杯以上飲み干した者に「杜康酒会」会員証を公布するという趣向がこらされ、団員の猛者が4名、会員証を手にした。
前市長劉典立氏と会見
 会議で鄭州出張のため、洛陽で会見できなかった洛陽市人民対外友好協会会長、人民代表大会(注:日本の議会にあたる)常務副主任の劉典立氏と会見できることとなり、洛陽駐在鄭州事務所になっている「洛陽龍門大酒店」で全員が会見に臨んだ。

 席上、劉氏は、古い友人と新しい友人の来訪を熱烈に歓迎すると述べた上で、友好都市関係凍結問題に触れ、「二つの中国」「一つの中国、一つの台湾」は容認できないこと、中国は一つであることは日中国交関係の基本原則であり、「中華民国」の標記は容認できないと言明し、この中国の立場を理解してもらいたいと語った。
副市長と会見
片岡会長・呉中陽副市長と会見
 また、台湾人の中には『河洛人』と呼ばれる黄河流域の人々が福建省を経て移り住んだ者が多く、生活風習がよく似ており、毎年台湾の『河洛人』ツアーが洛陽を訪問しており、同胞として親しみを感じていることを披露した。岡山、洛陽、新竹の市民が交流することは良いことであり、民間交流は歓迎するが、「中華民国」の一つの市として認めることはできないとした。そして、今後市議会との交流や民間交流をより活発に推し進め、相互理解を深めていくことが重要と訴えた。

 洛陽市長として二十周年記念式典を主催し、多くの岡山市民と共に友好を誓い合った劉会長の発言には重みがあった。

友好交流協議開催
 9月22日、訪問団に参加していた松井事務局長は、洛陽市外事弁公室事務所で交流協議に臨んだ。洛陽側から外事弁公室の李留章主任、方双建副主任が参加し、約1時間半にわたり、今後の両市民間交流について話し合った。具体的な項目は、研修生の相互派遣、代表団の相互訪問、青少年交流の実現、日中緑化協力事業、教育交流事業などを推進すること、交流の窓口として双方の友好協会が役割を果たしていくことなどを確認した。今後理事会の協議を経て、早い時期での実施が望まれる。(理事 松井三平)

 
SARS救援募金ご協力に感謝!
 中国洛陽市に対するSARS予防のための医療支援募金活動には岡山市日中友好協会の会員は勿論、募金の意義に共鳴して多くの市民の方々が協力して下さいました。心より感謝申しあげます。第1次支援に対しまして、洛陽市から心からの感謝の書状がまいりました。今回の友好訪中団に託された残りの物資および残金は、9月22日の洛陽市常務副市長呉中陽先生と会談したあとの席で手渡しました。今後洛陽市民のため感染症の予防対策、早期治療に使用していただきたいと厳重に申し入れました。副市長は心からなる謝意を表明されました。以上ご報告致しまして、ご協力いただいた多くの皆様に厚くお礼申しあげます。
                                                       会長 片岡 和男

第3回理事会開かる
 8月27日、本年度第3回の理事会を協会事務所で開いた。出席者は10名、松井事務局長が活動報告をした後、次の事項を協議し承認された。

1 洛陽小浪底緑化協力事業
(1)助成金申請
 河南省洛陽市孟津県小浪底植林緑化事業のための助成金交付要望書を8月7日に日中緑化交流基金会に提出した。
(2)協会としての目標と位置付け
①青少年が参加できる友好事業として展開(学校・学区などに呼びかけ)
②環境活動と友好事業との結合
③友好都市関係の凍結下における市民交流の継続活動
④政府助成金へのアプローチ(法人化のメリットを生かす)
⑤協会を活気ある組織へ

(3)具体的展開内容
①洛陽側カウンターパートを洛陽市人民対外友好協会とする
②協会が提唱して1人3本運動を展開する募金活動
③協会内に日中緑化プロジェクトチームをつくる、代表者、植物専門家、ボランティア、5人程度
④植樹訪問団を提唱・組織

2 会員拡大月間3ヶ月(9月、10月、11月)
一人が一人を入会勧誘

人民中国創刊50周年記念訪中団報告
人民中国創刊50周年祝賀会
訪中団一行(祝賀会にて)
則武 卓巳
 中国を知るための日本語総合月刊誌「人民中国」創刊五十周年祝賀式典に参列のため、片岡和男協会会長初め中国三誌友の会会員7名が9月18日~23日、北京を訪問し実のり多い交流を終えて帰国しました。

 祝賀行事は20日夕6時~9時まで。於北京新世紀飯店宴会場で行われましたが、日本側は原田親仁・日本大使館主席公使、鈴木重郎・日中友好協会副会長、山田真史・『人民中国』日本発行所東方書店社長、中川健造・中川美術館長、岡山を初め各地の愛読者団体、中国書籍出版社、友好団体等で思ったより多くの出席者でした。中国側は趙啓正・国務院新聞弁公室副主任、蔡名照・国務院新聞弁公室副主任、出版部門関係者等の出席が大変多かったです。

 人民中国社の沈文玉社長の歓迎の詞、半世紀の永きにわたって日中友好に尽くした功績をたたえる滔々の祝辞の終わりに、これからの固い決意が表明され感銘を受けました。(通訳は、王衆一編集長)

 式次第10番目に、表彰がありました。貢献の顕著であった我が小路廣史兄・中国三誌友の会会長に、賞状と記念品が贈呈されました。本人にかわり片岡協会会長が受領。『岡山の小路兄も、我が岡山三誌友の会も、これで全国区になったぞ』と思ったのは、私だけではないと思いました。

石村 喬
 上海浦東飛行場から紅橋飛行場への移動の途中、ものすごい雷雨で行先を心配しましたが、市内に入ると雨の跡さえなく、以後順調に日程をこなして、参加者全員無事に楽しく帰国致しました。

 口下手の私は、シンポジウムに参加することなく、ただ黙って座って居れば良い式典のみに参加させて頂きました。会場入口での沈社長、王副社長を始め、幹部の方々の御出迎えを受け、所定のテーブルへ着きました。

 日中双方の来賓の方々の祝辞の後、50年の歴史を振り返るビデオや東京から参加したメンバーによるギターの演奏や唱歌などを間に入れながら、たくさんの方々の表彰などもあり、それこそ3時間がアッと言う間に過ぎました。岡山三誌の会から片岡会長や小路さんが表彰されました。私達のテーブルには、中国国際図書貿易総公司のメンバーの人達が一緒で、達者な日本語で会話もはずみ、楽しいひとときを過ごさせていただきました。

 旅の途中で、天津のオリンピック競技場予定地の隣の立派なホテル、北京雑技団の見物など、式典以外にもとても楽しく刺激と感動を受けた今回の旅行でした。素晴らしい記念式に出席させて頂き、次代へ継ぐための気持ちを強く持って帰って来ました。

綾野 富美子
人民中国50周年祝賀会  9月20日、人民中国雑誌社中国国際図書貿易総公司主催「人民中国」在日伝播50年研討会に家野・綾野・田中の3名が出席した。会場は北京外文局講堂。参加者は約200人。沈文玉社長は歯切れの良い中国語で流暢に次のような挨拶をされた。

 人民中国は、1953年に創刊され50周年、半世紀になります。輝かしい過去を持っています。そして素晴らしい未来が待っています。これは全ての従業員の努力と、中国各界の人々の支持と日本の読者のお蔭です。この50年という節目の時にご意見、ご感想を頂きたい。
右:沈興大さん 左:于淑栄夫人
 雑誌は、人間と同じように愛情が要ります。今日は雑誌社の記者、レポーターを含め販売関係の人、研究者、日本の読者等多数のご出席を頂いています。2時間半という短い時間ですが、皆で今後の方向を見つけたい。皆様から頂く言葉が強いイメージを残して下さることと思います。人中社を代表して感謝の意を表します。

 次に中国の報道関係者から人民中国の必要、絶対性をどのように人民中国雑誌社が受けとめているのかなどシビアな意見。販路について東方書店、内山書店、亜東書店等の方々から問題提起があった。メリットとしては、中国で編集されていて歴史的いきさつに詳しく中国の文化事業との関連性が良くわかる。数少ない情報源を提供している。デメリットとしては、今や中国関係の雑誌も数多く人民中国でなくても良いのでは、とか日本の市場でシェアをいかに拡大するか。制約がある中でどのように宣伝するか、若い読者をつかむ方法について等々真剣に話し合われた。読者代表横須賀の高橋さんは、17年前から愛読している。印刷、紙質も良く、日本文化のルーツとしての心を、文化を伝えることは変わらない。私は、普通の月刊誌は平気で捨てるが人民中国は捨てることが出来ない。その理由は、内容が良いからだ。

 午後2時半から5時まで途中10分間のティータイムがあったが、はりつめた雰囲気は会が終わるまでゆるむことなく熱心に意見交換され、中国のマスコミ関係者で日本で活躍中の人々も協力を惜しまないと応援のエールを送り、日中の友好と中国マスコミ人の友情を交錯する会場は閉会した。

坂本 佐和子
 初秋の街路に緑の槐樹がゆれる午後6時。北京のアナホテルで「人民中国」創刊50周年記念式典が行われた。各界からの祝賀の挨拶後に、誌の発展に貢献された方たちの表彰があった。

 その中に、我が三誌友の会会長小路廣史氏も含まれ、日ごろの日中友好と、会を育ててこられたご苦労に改めて感謝した。

 私の席は牽牛花で、右側が人民中国旧記者の沈興大氏その横が于淑栄夫人だった。婦人が流暢な日本語で「私は小路先生と文通していて親しい。私も人民中国社の旧職員で55歳で定年退職した。今63歳で年金暮らしだ」と言われた。ご夫妻ともおだやかな若々しい笑顔で、記者時代のことなど語ってくださった。

 会の終わるころ私は沈氏に、「日本が戦争で侵した数多くの罪悪を一日本人として本当に謝罪、赦してください」と頭を下げた。「戦争は、どちらもよいことは一つもないからいけません」更に言葉を続けて、沈氏は力強く言われた。「中国と日本がお互いに仲良く助け合い協力し合って、それぞれの国を繁栄させることこそ、何物にも代え難い宝ですよ」と。帰途、廊下の柱の隅で待っていてくださり、平和の固い握手をして別れた。

 帰国して1990年前後の人民中国誌を読む。先ず1988年11月。「この人と30分」に沈氏の写真がある。1989年「中国に生きて」、1990年2月「初めて見たシリンゴル大草原」、1990年4月と1992年の特集記事、その他の記事を多く執筆。

 沈興大氏は博学で高徳な血も涙もある大記者であった。

逢澤 茂美
 私たち8名は、この祝賀会に出席を主目的に上海浦東空港から虹橋で乗り継ぎ北京へと入った。翌朝は専用車で天津まで2時間余の旅、平野の中、並木がどこまでも続き、木の間には向日葵の花畑があちこち見えた。周恩来記念館見学や水上公園散策、古文化街もぶらついた。昼食は民話高貴有少年の「天津狗不理」包子で満足(中国語で学んだ)翌日は北京に戻り、まずは人力車で胡筒めぐり。四合院に50年住む老夫人との談話も楽しかった。黒光りする室内と孫娘さんの使うパソコンに時代の変遷を感じた。

 時間が予定より遅れ、ホテルで汗をぬぐう間もなく、少しドレスアップして記念式会場に駆けつけた。沈社長にバッタリ出会い簡単なご挨拶をすませた。そこで片岡会長、家野氏とも合流。王副社長とCCTVのアナウンサーとの総合司会で開会が進められ、沈社長の挨拶、中国政界の方、日本大使館公使、次々と祝詞が述べられた。張哲氏や中川美術館長ともお逢いできた。私のテーブルは殆ど国際図書貿易総公使の方々だったが楽しくお話させていただいた。和やかな雰囲気の中すぐ閉会の時間が訪れた。

西塘  翌日は盧溝橋、戦争記念館見学後、農産品や高層建築技術で財をなし、等しく豊かになった模範的農村、韓村河を訪問。案内するお嬢さんの車も電動でクリーン。目を見張ることばかりであった。夜は北京雑技の観賞で1日を終えた。

 翌日は上海に移動し、中国での最後の観光地は西塘であった。ここは観光客も少なく静かな水郷の村で一時代、二時代とタイムスリップしたようで本当に趣深い所だった。又いつか訪れたい。上海もそうであるが、2年ぶりの北京は国慶節もあり、又オリンピックを控え目まぐるしい変化、発展が感ぜられた。高層ビルはその高さと大きさに威圧感さえ覚えた。
西塘風景
家野 四郎
 『人民中国』創刊50周年の記念式典に参加するため喜び勇んで出かけた。憧れの人民大会堂でなかったのはちょっと残念だったが、沈文玉社長、王衆一編集長に、にこやかに迎えられ、また于明新さんにも久し振りに逢えて嬉しかった。

 200人を上回る日本からの参加者には圧倒される力を感じた。王小燕さん(北京放送局アナ)と王編集長の流暢な日本語の通訳は誠に見事だった。

 わたしはこの機会を利用して、かねてから行きたかった青島―曲阜―済南―上海の旅が出来たが、10日間というのは流石に疲れた。

 今までに乗ったことのない路線、上海航空、雲南航空など、あるいは50人乗りの小さな飛行機にも乗り、あるいはマイクロバスで高速道路を一気に500キロ突っ走ったり、たいへん変化に富んだ大旅行だった。

 青島では有名な「青島ビール」の大工場が100年目を迎えて益々繁栄している現状が見られたし、また桂林から20歳そこそこの可愛い姑娘(壮族=チュアン族)が出稼ぎに出てきてマッサージをしていることも知った。

 曲阜の孔子様の里は、やはりよそにはない特別なたたずまいが十分感じられる。そして、紅衛兵が残した「批孔批林」旋風の跡を目のあたり見て、そのすさまじさ、恐ろしさの一端が想像出来、全く身のすくむ思いだった。あの有名な泰山も麓まで行って、遥かに頂上を観望したが一度は登って見たいものである。

ちょっとチャット(21) 小さなきっかけ                協会事務局員 中藤 季子 
 幼い頃見ていたテレビ番組"ひらけポンキッキ"の中に、中国語で歌を歌いながら、明け方の中国の街で太極拳をする時間があった。私はそれが好きで訳の分からない言葉と動きを真似て良く遊んでいた。友達の間でもその番組は人気だったが、太極拳をする時間になると動作や音楽が暗いので怖くてチャンネルを変えるという子が多かった。私には姉と妹がいるが彼女達も太極拳をする時間になると耳を塞ぎ、目をつむっていたのを覚えている。それに対して私はあの独特な静かでゆったりとした雰囲気の虜になっていた。

 その歌が中国語だったと気づいたのは大学に入ってからである。友人同士、何をきっかけに中国に興味を持ったかを話していた時、一人の友人がその番組の太極拳を見てからだと言うのを聞き私の中で忘れていた記憶を思い起こさせた。またその時初めて自分が幼い頃中国語に触れていたことに気づき驚いた。幼い頃から中国語のリズムとあの中国的な雰囲気が好きだったことを思うと、十数年後再び中国に興味を持ったのも当たり前のことのように思える。

 最近英語の歌、中国語の歌、マレーシア系中国人の作ったマレーシア語交じりの中国語の歌やその他朝鮮語、チベット語、モンゴル語交じりの中国語の歌を聴くが、同世代の彼らの作った曲と歌詞に共感出来るものが多い。国際化が進んだ時代を象徴している。歌を聴いているとどの国の人であっても同じ気持ちを持っていることを実感する。

 私達の世代の人で中国の人に対し罪悪感を抱き罪滅ぼしをしようという気持ちで友好交流をしている人は少ないのではないだろうか。また、私自身その必要はないと思っている。もし両者の間で摩擦があれば、それは個々の考え方の不一致に過ぎないと思う。歴史認識はしっかり把握しつつ相手の国の文化や習慣を理解し尊重することが大切である。私と同世代の人は中国に興味を持つきっかけが必要なのだろう。例えば私のようにほんの小さなことでよい。初めは個人の興味に過ぎないが、やがてそれが大きな国と国との友好交流へと繋がって行くのではないだろうか。

会員消息
【入会】
逢澤茂美さん(岡山市雄町)
西崎建策さん・芙美子さん(岡山市海吉)
池田武久さん(岡山市伊島町)
中村勝夫さん(岡山市古都南方)
藤井琴美さん(岡山市浜)
山本有さん(倉敷市児島)

【お悔み】
椋代孝協会監事

活動日誌
8/6 会報162号発行
8/19 第14階福祉の翼訪中団出発
8/27 第3回理事会
9/13 中国三誌友の会、第121回定例会(八仙閣)
9/13 日中友好公開文化講座「中国古典小説に学びたいこと」日本生命ビル4階
9/18 人民中国創刊50周年記念行事参加訪中団出発(北京・天津・上海・西塘)
9/21

協会友好訪中団出発(洛陽・曲阜・青島・済南・曲阜・上海)

岡山市日中友好協会NPO法人化記念 文化講座(第2回)「中国古代史と書道」
講師 阿部雲魚氏
日時 11月15日(土)午後1時半~
場所 フジビル7階 朝日カルチャーセンター
参加費 700円(会員は500円)
申込


電話かFAXで協会へご一報下さい
電話 086-225-5068  FAX086-225-5041

先憂後楽
 教育事情調査団の添乗員として韓国のソウル・釜山を訪問した。IT教育がどのように行われているかを視察するのが訪問団の主な目的だったが、韓国のおかれている政治的経済的そして文化的な背景を垣間見る機会を得た。

 韓国は1998年の金融危機を乗り越え、着実に経済発展してきており、市民生活も豊かになってきている。ただ戦争に備えるという緊張関係は変わらず、18歳以上の徴兵制度が存在し、38度線の板門店共同警備区域(JSA)では南北の緊張した状態が続いている。若い頃歌で知っていたイムジン河には、確かに水鳥が自由に南北を飛び交っており、改めてこの半島のおかれている現実を直視した。

 ソウル市内のアメリカ大使館前では毎週末に押し寄せる反米デモに備え多くの武装警察が警備にあたっていた。米軍の韓国人殺害事件やイラクへの派遣要請などで、国民の米国への感情が悪化してきているとガイドの金さんが話していた。

 一方、国民の礼儀正しさや、年配の人への絶対的尊敬の態度は儒教の教えが生きていることを実感させてくれた。学校では儒教精神を主軸とする「人性教育」が学力と共に大きな目標とされていた。街頭やレストランの掛け軸にも、徳とか仁とかの文字が目立った。

 丁度1週間前に、協会訪中団で山東省の曲阜の孔子廟を参観していただけに、2千年以上前の孔子の思想が韓国社会に根付いていることに深い印象を覚えた。

 儒教には確かに封建思想の面があるのだろう。だからこそ歴代の王朝は孔子廟を保護し利用してきた。いまわしき文化大革命時の「批林批孔」運動は封建思想の象徴として儒教を排撃したのだろう。しかし、孔子が意図したことはそういうことだけではないはずだ。

 中国から朝鮮半島、そして日本へ儒教は伝わって来て、今どういう状況にあるのだろうか。最近、無礼な日本人が目立つ我国で、良い意味での復権を望むのは反動だろうか。(松)

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入門クラス
毎週月曜日6時半~8時
初心者を対象にして、簡単な日常会話から、発音を学び、中国語の基礎を養う。
初級クラス 毎週水曜日6時半~8時
1~2年程度の学習経験者を対象にして、正しい発音で日常会話の練習をする。
中級クラス 毎週木・金曜日6時半~8時
2~3年程度の学習経験者を対象にして、文章読解、会話等の応用力を高める。
上級クラス 毎週火曜日6時半~8時
5年以上の学習経験者を対象にして、主に新聞読解とその記事による討論、スピーチを全て中国語で行う。

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