2005年10月
平成17年10月
  175号

発行人 片岡和男
編集人 岡本拓雄
黄河流域の植林緑化事業促進!〜日中緑化基金が内定〜
緑化地図  3年前から申請してきた「洛陽小浪底緑化協力事業」への基金申請について、日中緑化交流基金会より9月30日付けで内定の通知が協会に届いた。
 この基金は小渕総理の時代に中国の緑化支援と青少年交流を目的に設立された基金で、俗に『小渕基金』と呼ばれている。この基金を利用して、全国の日中友好団体が中国のパートナーと手を携えて砂漠化防止、緑化の活動に取り組んで大きな成果を収めている。
 岡山市日中友好協会では洛陽市人民対外友好協会と協議を重ね、黄河沿いの小浪底で緑化協力事業を始めた。これまでの資金は協会募金でまかなってきた。ただ、本格的に植林に取り組むには、やはりまとまった資金が必要。今回の基金内定は、我々の活動が一定の評価を受けたものであり、また今後の活動への大きな励みになるだろう。

第6回日中女性フォーラム開催される!−「児童の安全と社会の責任」−
                                
    実行委員会会長 片岡 和男
 平成17年度日中女性フォーラム実行委員会は会長・岡山市日中友好協会片岡和男会長、副会長、高田武子岡山市収入役、事務局・岡山市男女共同参画課として、7月30日開催された。このフォーラムは、昭和12年以来、上海市と岡山市と交互に開催され、今回が6回目である。まず、前日に歓迎レセプションが行われた。訪日団は団長、陳 建軍上海市婦女連合会児童和家庭工作部副部長を含め7名である。フォーラム参加者、荻野淑子市民局長ほか市関係者など多くの参加をいただき、和気藹々の雰囲気で歓迎が出来た。

 女性フォーラムは、7月30日13時30分より、岡山市男女共同参画社会推進センター「さんかく岡山」で開催。今年の全体テーマは「児童の安全と社会の責任」であり、フォーラムのテーマは「TVアニメやインターネットの世界が及ぼす子どもへの影響」である。主催者を代表して、実行委員長の挨拶、上海からの訪問団の紹介、団長の挨拶に続いて、次の順序でフォーラムが行われた。

・記念講話:「情報教育の経緯と現状−日本と外国との対比をもとに」岡山大学教育学部教授 近藤 勲先生
・事例発表1:「メディアの青少年に対する影響と対策」上海市婦女連合会指導主任 陳建軍さん
・事例発表2:「学校におけるインターネット教育」岡山市教育委員会指導主任 藤本直子さん
・事例発表3:「アニメと特撮のヒロイン像が提示する価値観」メディア・フォーラム岡山代表
・分科会:2つの分科会に分かれての意見交換会

@ TVアニメ分科会
A インターネット分科会
2つの分科会の、それぞれの報告があった。

【全体まとめ講話】 岡山大学 近藤 勲教授
「メディアの活用において子どもの安全を守る私たちの役割と責任」
 この先生のご講話により、事例発表の貴重な、活発な内容、討論を含めて、おまとめいただきました。
 16時30分、高田武子実行副委員長の閉会挨拶によって、閉会した。なお、発表、討論、講話の内容については省略します。

洛陽技術研修生が帰国
洛陽技術研修生  昨年11月30日より平成16年度の洛陽市技術研修生として、岡山済生会総合病院で一年間研修された張淑梅さんと鮑 静さんが無事研修を終えて帰国されることになりました。離日にあたり、1年間の岡山での生活の感想を書いて頂きました。
左から茅原師長、研修生張さん・鮑さん、協会片岡会長
『手をつないで握手しましょう  鮑静』
 皆様、こんにちは。私は鮑静と申します。日中友好交流の為に、昨年の12月に研修生として日本に参りました。1年間の研修で、いろいろな勉強や体験をさせていただきました。

 わたしたちはまず始めに「ライフケアセンター」次に「岡山済生会総合病院」で研修しました。センターの「特別養護老人ホーム」や「介護老人保健施設」など、また、病院の「外科」「内科」「救急センター」などいろいろな病棟を回って、基礎を始め高度な医療看護まで研修をすることができました。具体的に申しますと、入院されている方の健康チェック・生活・食事・入浴・排泄の介助、また、注射や給薬・さまざまな手術前後のケアなどです。また、「済生丸」で遠い所に行って、診療をすることもありました。これらを通して、日本の進んだ医療技術を学んだり、近代的な医療施設を見学したりして、“患者中心”のサービスを体験することができました。

 時が経つのは早いものですね。あっという間に、1年が過ぎてゆきました。皆様のおかげで、日本で楽しく過ごすことが出来ました。本当にありがとうございました。中でも、日中友好協会と病院・センターの皆様の心暖まるご親切を私はいつまでも忘れません。 良い思い出になることでしょう。

 私は日本で皆様に愛されて、とても幸せでした。愛すること、思いやることがどれほど人の心を満たすかという大切さがよくわかりました。私も進んで手を差し伸べたいと思います。みんなで、あらゆる人々に手を差し伸べて、愛をあげたら世界はもっともっといい人間関係が築けるに違いありません。

 さあ、皆様、手をつなぎましょう。そして握手しましょう。

『済生会ありがとう、私は美しい時間と歩む 張淑梅』
 昨年11月30日に岡山空港で私達が初めて岡山に降り立った時のことを覚えている。あの紺碧の空、澄み切った空気、きれいな環境、美しい岡山はすぐに私達を引き付けた。それから、私達の楽しく充実した岡山での生活が始まった。友好交流の研修生として、一年の看護研修を予定していた。今、終わりに近づいて、振り返ってみると、多くのことが美しい追憶になっている。

 岡山済生会ライフケアセンターで職員と老人たちと付き合う毎日は忘れ難い。私達はあまり熟練していない日本語で老人たちと交流をすることをはじめて、ペンと電子辞書で簡単な意味を調べながら表現した。言葉は熟練していないが、心と心の交流はとても重要である。老人たちと一緒に歌を歌って、ゲームをしたことも忘れ難い思い出となった。和服を着て老人たちにお茶を差し上げる情景は、両国の間の文化交流で老人たちの生活に新鮮な活力を注ぎ込んだ。職員と一緒に瀬戸大橋、姫路城、チボリ公園の研修旅行に行ったことも忘れ難い。いたる所で喜びの歌と笑いでいっぱいになった。更にライフケアセンターを離れる時、老人たちは一生懸命に私達のためにお祝いカードを作ってくれた。このような毎日にいつも私達の心は温まり、私たちは異郷にいるようには感じなかった。

 病院の研修も、私達の忘れられないような出来事が多い。糖尿病センターの看護婦長と主任が私達に詳しくセンターの概況を解説してくれた。私たちに十分に病院の状況を理解させてくれた。診療船済生丸に乗って、大多府島に行って質素な住民に検診をしたことも忘れ難い。学生たちと一緒に花火もした。看護師のつけるキャップの儀式(載帽式)に参加し感動した。肝臓病センターの看護師さんたちは私達のために送別会を開いて下さって感動した。入院患者さんに入院生活が更に楽しくなるように努めたことも忘れ難い。外科で直腸癌の患者と一緒に日本の歴史の各種の文化の制度及び歴史を雑談した。また、愛と希望を持っていれば生きていけると教えてくれた。小児科で一人の13歳の小さい女の子に宿題を指導した。腹を割った話し合いに、彼女はついに今までにないほほえみを見せてくれたことも忘れ難い。私を感動させたことは多すぎて、言葉で表現することができない。今までの日を振り返ってみると、美しい追憶ばかりだ。このような国境を越えた心と心の通じ合いは、私にとって一生最も貴重な記憶だ。済生会全体の従業員はこのような密接な協力の精紳のもと、患者を中心にしていることが、私達が研修中最も感動したことだ。これまでお世話になった方々に深く感謝申し上げます。あなた方によって私達の岡山済生会の研修生活を充実させていだだいて、本当に感謝の気持でいっぱいです。この貴重な経験は私たちに一生役立つでしょう。

洛陽派遣研修生報告
小原 幸さん
 中国語講師の張銘先生と犬飼さんと一緒に鍋を食べに行く。その後大学内で行われていたカラオケ大会を見る。

 張銘先生と犬飼さんと一緒に鍋を食べに行った。中秋節の時は家族や親戚で集まって一緒にご飯を食べたり、月を見ながら月餅というお菓子を食べたりするそうだ。私たちが行ったお店でも家族や親戚が一緒に鍋を食べている光景を見かけた。洛陽大学から月餅をいただいた。中国では中秋節の時に月餅などを親しい人に送る習慣があるそうで、いただいた時はとてもうれしかった。洛陽大学に着いた時、ちょうどカラオケ大会のようなものをやっており、犬養さんと一緒に少し見学した。歌っている人に風船を渡したり、応援したり、皆一体となって盛り上がっていた。見ているだけでもとても楽しかった。教室でもクラス会のようなものが行われていたようだ。中国では中秋節などの行事はとても大切にされているようで、家族や友達とこのように楽しく同じ時を過ごす習慣はとても良い習慣だど思った。

犬飼 真由子さん
 9月18日、この日は中国の中秋節。残念ながら天気が悪く、月の姿を確認することはできなかったが、有意義な1日を過ごすことができた。夕方張先生と小原さんと3人で中秋節を祝い、火鍋を食べに行った。この火鍋屋さんには珍しく、食後に甘酒のサービスがあった。一般的な日本の甘酒より甘さ控えめで、とてもおいしかった。先生は私たちに、中国語を教える任務以上に、よくして下さる。この厚意に感謝し、共に楽しみ、期待に応えていきたいと思う。

 この日は洛陽大学に戻ったのが夜の8時頃だった。学内では中秋節を祝うイベントが行われており、学生たちが大いに盛り上がっていた。私は両親に電話をかけようと思い、学生たちが利用する長距離電話用の店に行った。みんな家に中秋節おめでとう、と電話をかけており、いつもより人が混み合っていた。

 この姿を見て、私はとても嬉しく感じた。家族は離れていてもやはり家族で、誰においても大切で、かけがえのないものだと実感した。

古代吉備国を語る会   夏季特別講演会開催される
 8月20日、岡山市立中央公民館で、古代吉備国を語る会、岡山市役所中国歴史文化研究会の主催、岡山市福祉文化会館、NPO岡山市日中友好協会の共催で、夏季特別講演会が開催された。
 徳島文理科大学文学部、大久保徹助教授は、「四国の古墳時代」について、洛陽市文物工作隊、程 永建副隊長は、「洛陽古代瓦当」について、洛陽市芸術撮影学会、宋 宏安副会長は「洛陽の四季の芸術撮影」について講演された。
 程 永建副隊長の講演の一部を掲載します。

洛陽の古代瓦当
 本日は、皆様に「洛陽の古代瓦当」の演題でお話をしたいと思います。
 瓦当は、中国では「簡瓦頭」とか「瓦頭」とも呼ばれています。漢代の「都司空瓦」、「長陵東当」、そして「新安当瓦」などの文字瓦当から、漢代には瓦当が「瓦」、「当」あるいは「当瓦」と呼ばれたことが分かります。これが後に「瓦当」と呼ばれることになった理由であるかもしれません。瓦当の機能については、普通は軒先を保護するためのものであると考えられていますが、軒先と瓦の間の隙間を塞ぐためのものであると考える学者もいます。中国における瓦当の使用はすでに幾千年の歴史があります。夏王朝の時代に「昆吾が瓦を作る」という話も伝えられており、現在考古学的に明らかにされている最古の瓦当は、中国の陝西省で出土した西周時代の「素面(無紋)瓦当」と「重環紋瓦当」です。現在洛陽で発見された最古の瓦当は、東周王城遺跡から出土した春秋時代の「素面(無紋)瓦当」です。洛陽は中国でも有名な歴史のある都市であり、文献や考古学的調査によれば、十有余の王朝が洛陽に都を定めています。その一千余年に及ぶ悠久の歴史は、後世に豊富な遺跡と遺物を残しました。考古学的調査が進むにつれ、洛陽地区から多くの古代建築材料が出土しました。その中でも、特に各時代の瓦当に関する資料は、注目に値すると思います。以下、瓦当について多角的観点から皆様にお話をしたいと思います。

T 洛陽における東周から宋代にかけての出土瓦当
1、建築遺跡からの出土瓦当

 建築遺跡からの瓦当は、主に東周王城の宮殿遺跡、漢代の河南県城の遺跡、漢魏時代の洛陽城の宮殿と城門遺跡、北魏時代の永寧寺遺跡、隋唐時代の洛陽城の宮殿や城門及び一般住居の遺跡、そして龍門石窟の奉先寺遺跡などから出土しています。

2、窯跡、灰坑、墓からの出土瓦当
 東周王城遺跡、漢代の河南県城遺跡、漢魏時代の洛陽城遺跡そして隋唐時代の洛陽城遺跡内にある窯跡、灰坑、及び後漢時代の墓から瓦当が出土しています。その中でも窯跡から出土例が最も多数を占めています。

U 洛陽の古代瓦当の紋様
 東周の瓦当
 東周時代の瓦当は、主に「半瓦当」です。戦国時代の中晩期からは「円瓦当」も出現しています。その紋様は素面(無紋)、網格紋、饕餮紋、U字形紋、そして雲紋などがあります。

(1) 素面半瓦当:東周王城遺跡から出土しています。形状は平面で無紋です。
(2) 網格紋半瓦面:東周王城遺跡から出土しており、表面に網目上の格子紋が刻まれています。
(3) 饕餮紋半瓦当:東周王城遺跡の宮殿区から出土しています。表面は中央の一本の縦線で2区に分けられ、両側に饕餮(とうてつ=想像上の悪獣)の眼目のレリーフを施し、饕餮紋になっています。
(4) U字形紋円瓦当:東周王城遺跡から出土しています。表面は4本の線により4等分され、各区画は一つのU字形紋で飾られています。
(5) 龍紋半瓦当:東周王城遺跡から出土し、表面に龍紋が一つ陽刻されています。

岡山市日中友好協会NPO認証記念  第11回公開講座
「洛陽緑化協力事業について」         
講師 グローバルグリーンクニタダ代表 國忠 征美 
國忠講師  岡山市日中友好協会がNPO(特定非営利活動法人)に承認されたのを記念して行っている公開文化講座の第11回が、10月8日、岡山県立図書館2階サークル活動室で開かれました。講師は國忠征美氏。國忠さんは、グローバルグリーンクニタダ代表で樹木医。「日本さくらの会」(会長・河野洋平衆議院議長)の西日本でただ一人の「さくら専門委員」です。協会が洛陽市と協力して建設をすすめている「洛陽・岡山友誼林」の植樹アドバイザーとして、また、洛陽市孟津県政府農業顧問として、日中友好に貢献しておられます。

 講演の要旨は次のとおりです。
ボード板に図を書いて話す國忠さん
 私が最初に中国を訪問したのは約20年前で、雲南省の昆明付近の植物の調査をしました。私のもともとの専門は植物の分類と生態の研究ですが、なりわいとして緑化樹木の育苗と販売をしています。

 3年前、日中友好協会の要請を受けて「洛陽・岡山友誼林」建設に協力することになりました。

 中国は、1970年代、食糧増産のため、黄河流域の森林を伐り開いて畑にしました。草や木が無くなった為、雨が降れば黄土が黄河に流れ込み川底は上がって洪水となり、乾燥すれば黄砂となって、中国だけでなく日本にまでも飛んでくるようになりました。

 そこで、中国政府は、効率の悪い畑を買い戻して樹を植え、黄土の流出を押さえ、黄砂の飛散を防ぐ緑化計画(国家プロジェクト)を作りました。「洛陽・岡山友誼林」建設は、この国家プロジェクトの一翼を担っているのです。

 崖の斜面は防災林として、それぞれに適した樹木を植える計画です。

 現地に行ってみると、経済林には樹が植えてありますが、換金できる樹が良いのに、無雑作にそこら辺にある樹を植えていました。われわれの計画とは、ちょっと違っていました。

 年間雨量が650ミリで、6月、7月、8月に150ミリくらいしか雨が降らない乾燥地帯ですから、乾燥に強い樹を植えなければ育ちません。土の質は良く、分析の結果では、PHが7で、チッソやカリも豊富で、今まで搾取農業をやってきて、結構作物が育っているいい土です。水の問題が解決すれば経済林は育つと思いました。探してみれば乾燥に強い樹があるはずなので、そういう樹の苗を育てて、小さい苗をたくさん植えます。たくさん植えると樹が競合して大きくなります。儀式的な植樹は、見栄えのする大きな苗が必要かも知れませんが、友好林は、営々として長く続くものでなければならないので、風当たりの強い大きい苗は避けた方がよいのです。

 崖の斜面に植える防災林の樹としては、周辺に自生している樹木を取り入れ、種子が地上に落ちて、再生する樹木がよいのです。柳、このでがしわ、ポプラなどのような他所から持ってきた樹木は、気象や病虫の害で全滅することがあります。その地に適した苗木を選別して植えるのが最も大切であると思います。

 丘陵地の経済樹としてスモモやアンズが植えてありますが、十分な管理をしなければ経済向上には結びつきません。ボウ山台地では、桃がよく育っていました。250メートル、ボーリングして水の問題を解決したそうです。桃は元来中国のものですから、水さえあれば育ちます。日本の農家と同じくらいきれいな桃園を経営している農家がありました。雑草は生えていないし、剪定、摘果、袋掛けなど、よく管理されていました。日本と違う所は、木の間隔が狭くて密植している点です。質よりも量を重んじるようです。洛陽の桃は比較的に害虫や病気が少ないようです。日本の夏、桃の幹からヤニのようなものが出ているのをよく見かけます。ヤニの中には、害虫コスカシバの幼虫がいて、桃の形成層を食い荒らして桃の木に大打撃を与える悪い奴ですが、洛陽の桃の幹にはヤニはみられません。桃は中国がルーツで、長い歴史を生きのびてきたから強い木になったのでしょう。

 害虫や病気に強い洛陽の桃は、管理技術次第で立派な換金作物になると思います。剪定、摘果、袋掛け等の技術を習得して品質のよい桃を収穫し、生活の向上に役立ててほしいと願っています。

 洛陽の桃は、日本よりも1ヶ月早く収穫できます。気温の関係で、4月になると、昼は28度くらいまで上がり、夜は急に下がる、これが糖度を上げるのに役立っています。温度が上がった時に水をやると実が大きく成長して、6月下旬には出荷できるようになります。早く売れば高い値がつきます。現地の農民は一般に桃の栽培に関心が薄く、桃の栽培技術は、特別な農家を除いて皆無に等しい状況です。桃がお金になることがわかれば、一般の農家も桃の栽培に熱心になると思います。

 昨年10月の第1回植樹訪問の時、桃栽培のための台木、穂木の調達、植え付けの打ち合わせをし、今年の4月元岡山県立農業試験場技師・清水佐伯男氏といっしょに洛陽に行き、清水氏に協力して頂いて、11品種250本の接ぎ木をしました。植物検疫が厳しく、日本から穂木を持って行くのが難しいので、既に西安で産地化されている岡山白桃の穂木を使いました。西安の岡山白桃は、10数年前、西安から岡山県立農業試験場に研修に来られた技術者が帰国後産地化したものです。

 接ぎ木をした台木の間に麦が植えつけられているので、麦の収穫作業や、その後のトウモロコシの栽培で、苗木が傷められないか心配しています。10月末に現地に行って見て、うまくいっていなかったら、苗木専門の畑を作りたいと思っています。

 これから後、苗木の掘り取り、剪定、摘果、袋掛け、肥培管理等、日本の栽培方法によって、西安に負けない桃の生産ができるよう指導していきたいと思っています。


ちょっとチャット(33) 「神仙池・九寨溝・黄龍の旅」            協会会長 片岡 和男 
 平成17年9月12日より18日まで四川省の世界自然遺産探訪の旅を行った。

 海抜3,800メートルの九寨溝空港、ホテルは3,000メートル、バスで海抜4,000メートルの峠を越え、2年前に発見、整備された神仙池へ、板張りの歩道の起伏は強く、私は竹の棒の籠に乗った。初秋の渓谷は色とりどり、とくにブルーの棚田の池の広がりは素晴らしい。
 
 ついで九寨溝へ。渓流、瀑布、海と名の付く多くの湖は3つのルートに分かれ、海抜は2,300メートルから3,000メートル、箭竹梅、熊猫(パンダ)海、長海などの水の色は陽の光がさしこみ、藍、黄、緑に変化する。五彩池はエメラレドグリーン、五花海ではチベット民族衣装を着せてくれた。諾日朗瀑布は幅320メートル、流れ落ちる水の岩肌に当たっての水しぶきは四散する轟音とともに壮観であった。鏡海、老虎海の湖底には倒れた樹木が横たわり数千年の歴史を物語っている。

 その翌日は海抜3,200メートルから4,000メートルの黄龍へ。朝より雨降りで、酸素ボンベを持っての登山は、みなさんお駕籠で往復した。数々の湖は透明、黄色、青色と多彩で、頂上近くには立派な道教の寺院があった。午後は快晴となり、帰途のバスから見える山肌、牧草地帯には馬、ヤクが放牧され、山頂にかかる雲、はるかなる山々の冠雪は美観であった。
神仙池 諾日朗瀑布
神仙池の中のブルーの池  

諾日朗瀑布
活動日誌
7/30 第6回日中女性フォーラム開催
8/10 会報174号発行
8/20 古代吉備国を語る会夏季特別講演会
9/8 中国三誌友の会第143回定例会
9/12 協会訪中団・世界遺産「九寨溝と黄龍の旅」18日まで
10/13

中国三誌友の会第144回定例会

会員消息
【入会】
立岡脩二さん(瀬戸内市邑久町)
佐藤敬子さん(岡山市大安寺東町)
酒井律江さん(岡山市湊)
出射勝巳さん(岡山市邑久郷)

【お悔み】
片岡琢之前理事
伊達龍治前理事
近藤研三さん
野崎久史さん

協会関連消息
【就任】高谷茂男岡山市長が協会顧問に就任
【送別】洛陽からの技術研修生、張淑梅さんと鮑静さんが帰国。11月5日(土)18時よりピュアリティまきびで送別会を開催する。参加申込みは協会へ。(086-225-5068)

『総動員の時代』
 懸命に生きることは、懸命に戦争を支えることだった。
 こんな愚を繰り返したくない。こういう反省から編集された本です。戦争に呑みこまれた経緯を多くの事例から明かにしています。
 本書の特色は、
@庶民がどのように戦争に呑み込まれ戦争を支えたか。
A地域から戦争を考える(岡山における十五年戦争)。
Bアジアとの共生を考える。(岡山へ強制動員された朝鮮人・中国人)。
▽編集:岡山十五年戦争資料センター
▽定価:2,000円(318頁)
*ご注文は当協会へ!

先憂後楽
 ドラゴンボールという漫画がある。若い世代のみならず多くの読者を惹きつけている鳥山明氏の著作で、今ではゲームソフトでも人気の大作だ。

 5個のドラゴンボールを集めると神龍が出てきて願い事をかなえてくれる。そのボールをめぐって、格闘技を身に付けた者たちが争奪戦を繰り広げる。主人公の名前が孫悟空というとおり、ストーリー全体は中国の伝説や拳法を背景にしているように思われる。

 この神龍への願い事の中で多いのは死んだ仲間を復活させることだ。これは、秦の始皇帝以来権力者が永遠の命を求めてきた不老長寿の思想にも通じる。

 人の命には限りがある。今年も上半期に鬼籍に入られた多くの協会関係者がおられる。これまで協会を支えていただいてきた方々がこの世に復活したら、今の日中関係や協会の状態をどう思われるだろう。創立二十五周年を来年に迎え、日中友好は進展しただろうか?協会は市民組織として役割を果たしているだろうか?後継者は育っているだろうか?孫悟空に頼んでドラゴンボールを集めて先達に会い教えを請いたいものだ(松)

〜岡山市日中友好協会NPO法人化記念〜文化講座(第12回)「私のシルクロード」
講 師  岡山市立オリエント美術館  館長 谷一 尚氏
日 時 11月26日(土) 午後2〜4時
場 所 岡山県立図書館2階サークル活動室
参加費 300円(会員は200円・留学生は無料)
申込み


電話かFAXで協会へご一報下さい
  電話 086-225-5068 FAX 086-225-5041

アジア・コム旅遊消息
☆岡山〜上海、12月学生料金!
  12月〜3月まで(年末年始を除く)学生料金   往復 44,000円!

☆関空〜ハルビン、関空〜深セン 運行中!
  9月より 関空〜ハルビンが火・土。
  11月より 関空〜深センが週6便就航。
  中国の北と南の玄関口へ直行!

お問合せは…
潟Aジア・コミュニケーションズ 岡山県知事登録旅行業 第3-210号
〒700-0902 岡山市錦町5-15 南田辺ビル4階 http://www.asicom.co.jp
TEL(086)231-0334 FAX(086)225−5041
「岡山と中国」ご希望の方にはご郵送いたします。  
また、ご入会いただくと、毎月お手元へお届けいたします。入会案内をご覧ください。


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