岡山と中国 2010年2月
平成22年2月
  201号


発行人 片岡和男
編集人 松井三平
2010年度 定期総会
創立30周年記念事業準備 「役に立つ協会」目指そう
 岡山市日中友好協会の2010年度(平成22年度)定期総会が、2月6日、会員をはじめ来賓の江田五月参議院議長、佐古親一岡山市副市長、井尻昭夫岡山商科大学学長ら関係者約120人を集めて、岡山市北区下石井2-6-41のピュアリティまきびで開かれた。また、総会に引き続き「心花コンサート」や新春互礼会も行われ、賑やかに新しい年度のスタートを祝った。

 定期総会は午前11時から開かれ、物故者への黙祷の後、片岡和男会長が挨拶、赤木宣雄理事を議長に選び議事を進めた。

 議案では、松井三平理事事務局長が平成21年度の活動・事業報告と同会計収支報告、高渕宣雄監事が監査報告をし、いずれも報告通り承認された。

 同22年度の活動方針と同収支予算案については松井事務局長が提案、審議の後原案通り決定された。

 新年度の活動方針では、協会創立30周年記念事業準備委員会の立ち上げ、岡山・洛陽市友好都市締結30周年記念事業の準備、それに会員の拡大や「役に立つ協会」を目指しての協会の活性化等が盛り込まれた。
江田五月参議院議長
片岡会長
来賓多彩賑やかに  大阪総領事から祝電
 
 新春互礼会は、来賓も増えてぐっと賑やかに行われた。片岡会長が新年度に向けての決意等を話した後、江田議長等が日中友好の重要性等について挨拶。

 中華人民共和国駐大阪総領事館、鄭祥林総領事名の新年のメッセージを松井事務局長が披露、岡山県日中懇話会の森崎岩之助会長の音頭で乾杯した。
 来賓として顔をそろえたのは、逢沢一郎衆院議員、津村啓介衆院議員、小田圭一県議会副議長、岡崎豊県議、岡山市洛陽市友好都市議員連盟の磯野昌郎、楠木忠司、若井達子の各市議、赤木忠厚山陽学園大学学長、岡田浩明県日中教育交流協議会長、傳斌中国東方航空岡山支店長、劉暁邦県中国人留学生聯誼会長ら。

 会員等を交えて、懇談・交流の輪ができていた。

 また、席上「ブンちゃんを支援する会」の岩谷光代代表が“救おう募金”への協力を呼び掛ける緊急アピールをした。関連して、バザーや抽選会も行われ、会場は和やかな雰囲気に包まれていた。
新進「心花」コンサート
「ななえ」さん(左)と「みぎわ」さん
 
 この日の会を盛り上げたのは、若い2人の二十五絃箏者「心花~kokohana~」のコンサートだった。

 2人は、ななえさんとみぎわさんで、揃って東京芸大音楽学部の邦楽科卒。数々の邦楽、筝曲コンクールで実績を積み、海外ツアーもこなしている実力派。

 この日は約100人の聴衆を前に「ふたば」「さくらのくに」「歩」のオリジナル3曲と中国青海省民謡「草原情歌」、それに日本の歌メドレーを披露。

 澄んで弾けるような箏の音と二人の軽妙なおしゃべりに、うっとりと聞き入る人たちが多かった。「聞く人の心に花が咲きますように…」と心花の二人。
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骨髄移植の程さんを救おう!元中国人留学生に支援を
友好協会 募金活動をスタート
程ブン さん
 
 岡山市日中友好協会では、今「骨髄異形性症候群」と呼ばれる難病と闘っている元留学生の中国人女性の支援活動に取り組んでいます。 女性は、黒龍江省出身の程ブン(てい・ぶん)さん(21)で、平成20年に中華料理店で働いていた父親と暮らすため母親と共に来日。留学生として福山市の日本語学校に通い、精神科の医師を目指して勉強中でした。

 ところが、同年末、急に体調をくずし、診断の結果、造血幹細胞移植が必要な難病と判明。しかし、日本の骨髄バンクには適合するドナーがおらず、海外に頼らざるを得なくなったのです。
 海外での移植手術となると約300万円の費用が必要で、家族では到底負担が困難なため、関係者が協力しようというものです。

 既に「ブンちゃんを支援する会」(玉野市、岩谷光代代表)が募金活動をスタートしており、当協会も「程さんを救おう」と募金活動に乗り出しました。

 皆さんのご協力をよろしくお願いします。募金目標は200万円、一口1,000円で何口でもかまいません。期間は3月末まで。

 これまでの経過や募金状況は、三面にあります。
協会を訪れた王君朝領事
程さんの自宅で激励
(関連記事三面)

 元中国人留学生、程ブンさんの支援に協会が立ち上がったのは、1月21日のこと。「程さんを支援する会」から打診を受けた時とほぼ同時期に、大阪の総領事館からも電話で依頼があった。

 協会としては、総会開催準備理事会を控えていた時であったが、事は急を要する課題だったので、持ち回り協議で急きょ取り組むことに決定。

 山陽新聞社の取材も重なり、募金活動を始めると早々、多額の寄付の申し出があり、幸先良いスタートを切った。

 2月2日には、大阪総領事館から教育部の王君朝領事が来岡し、協会と、程さんがかかっている倉敷の総合病院、そして程さんが住んでいる福山を訪問し、本人に直接面会の上、一家を激励した。

◎協会訪問
 協会は、片岡会長以下留学生支援センター代表の黒住理事や副代表の高木監事、牛田理事、松井事務局長が出迎えた。

 王領事は協会が率先してこの活動に取り組んでいることを高く評価、中国人として感謝の意を表した。片岡会長も協会として最大限の支援をしていく旨伝えた。

◎倉敷の病院訪問
 病院では、事務長や担当医師、それに移植コーディネーターや支援ボランティアの会メンバーが応接。

 担当医師から、程さんの現在の病状と骨髄移植しか方法がないことが、わかりやすく説明された。

 王領事も、病院の適切で暖かい応対に感謝した上で、今後の治療と移植に至るプロセスなどについて細かく質問していた。

◎程さんの自宅へ
 福山の自宅では、程さん本人と両親が出迎えた。近くの中華料理店でコックとして働いている父の程学連さんは、これまでのいきさつを説明。

 現在の給与では生活と治療費で精いっぱいで、娘の移植にかかる高額な費用は負担できないと思っていたところへ、多くの日本人が支援をしていただいて本当に感謝していると話した。

 王領事は、程さんの病状に同情しつつ、未来を信じて頑張ろうとする姿に感激。総領事館としてもできる限りの支援をすることを約束し、お見舞金を手渡した。

 現在、協会には既に百万円を越す善意の寄付が寄せられているが、更に一人でも多くの方に呼びかけ、目標額達成に努力していく方針。

 これまでに寄せられた募金は次の通りです。心より感謝いたします。

 敬称略、五十音順。2月14日現在、協会到着分。
【5万円以上】天野智徳、家野四郎、竹井成範
【1万円以上】井上真由美、赤木忠厚、アスカ国際クリニック、天野勝昭、綾野勝二、岩佐順吉、江草安彦、岡本拓雄、岡本多太資、片岡和男、片岡正文、近藤弦之介、済生会フィットネス&カルチャークラブ七宝焼講座生、斎藤章予、長泉寺、永山久人、林原共済会、藤田寿子、互礼会バザー
【5,000円以上】心花、綾野富美子、板野美佐子、稲谷祐慈、植之原あゆみ、岡崎豊、河野伊津代、木待賢逸、頓宮英子、流郷泰二、西上忠志、林孝祥、広瀬周平、マクロ建築設計、六車紀代子、山本直樹、互礼会募金箱
【3,000円以上】小林保、糸島達也、井上房子、岩居博、太田智子、沖津俊夫、小幡武彦、栢野博、川野明、岸本由喜子、木村裕子、久保昌子、高坂温和、小路広史、佐川節子、島田兵二、志茂紀子、大道寺正子、華山大興、桧尾明、松田久、宗政富美男
【2,000円】青木直、石井一志、岩藤稔、大森紀子、岡本良平、小川嘉子、片岡啓、片山主計、狩谷哲、木山敬太郎、小林茂則、酒井律江、三尾尊弘、角田勝盛、則次利益、高塚幸巳、高山弘子、瀧川甫香、則武卓巳、秀田勝信、日笠みどり、三澤初子、道上浩子、室賀康史、安井照幸、山本寛、米田武志、若村たつ子、
【1,000円】浅野知恵子、阿部喜恵子、荒木安子、逸見真弓、江見、大隅マリ子、岡崎明子、小野昭子、小野景子、片岡和子、金子ひろ子、河田幸男、河和幸憲、北村彰康、国岡昭宏、黒住祥重、黒住裕子、佐藤暁美、高嶋常雄、武田典子、田原みち子、中村勝夫、難波益子、硲千明、平井登代子、福田禧代、牧野るみ、松尾珠實、万代澄江、矢吹たけ子、山中ケイコ、横田美和子、劉国霞
[計 1,174,200円]
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2009年度事業報告-交流、連携が一層強化-
Ⅰ 事業実施の概括
 2009年度は、中国建国60周年という年であったが、新型インフルエンザの流行や世界的な不況により、日中間の交流も少なからぬ影響を受けた。とりわけ、官民ともに順調に発展してきていた日中青少年交流が中断を余儀なくされたことは、残念であった。一方で、政権交代後の日本政府がいち早く中国を中心とするアジア重視の方針を示し、ビザの緩和措置を含めて中国からの訪日観光客の拡大に力を入れるなど今後の交流拡大に期待がかかる。

 このような中で、協会は、中国残留孤児問題をテーマに講演会を開催したり、日本における中国語教育の最高権威者である中山先生の講演実施などにより、歴史認識への理解を深め、また今日的課題にも力を入れ、また中国留学生支援センターを立ち上げるなど「役に立つ協会」作りに力を入れてきた。そして活動を通じて、会員拡大、組織活性化、他の友好団体との連携も一層強化された。

Ⅱ 事業の実施に関する事項
一、行事活動等
① 内山完造逝去50周年記念講演会(総会記念)開催(講師 片岡良仁先生)。50周年行事(井原市)参加
② 半田山牡丹祭り参加(國忠征美さん講義、太極拳協会の特別演武)
③ 郭沫若展(岡山県立美術館主催)に中西寛治氏より寄付を受けた内山完造氏の関連資料を貸し出し展示。郭沫若記念館、中国人民対外友好協会来岡
④ 公開講座「ライダーが見たシルクロード」津村誠一氏
⑤ 中山時子先生中国語特別講座
⑥ NHKドラマ遥かなる絆城戸幹さん久枝さん父娘トーク。城戸さんを囲む会
⑦ 中国建国六〇周年レセプション(総領事館主催)

二、岡山-洛陽友好促進事業
① 岡山市日中友好協会訪中団(団長-綾野理事)
●洛陽市政府及び人民対外友好協会表敬訪問牡丹祭り、世界切手展に参加
●植樹活動(小浪底緑化現場)
●協会支援希望小学校・申窪小学校訪問(西上さん)
② 岡山市立後楽館高校中国語教師招聘(于愛紅さん)
③ 「古代吉備国を語る会」共催(洛陽文物局二名招聘)
④ 岡山市派遣研修生選考会(藤本佳奈さん四月より一年間洛陽留学)

三、中国緑化協力事業
 日中緑化交流基金助成事業第四期 平成20年度『洛陽小浪底緑化協力事業』
① 植樹訪中団(協会牡丹祭り参加訪中団)が地元住民、高校生と協力
② 専門家派遣〔國忠征美氏〕
③ 日中友好桃園育成。施肥、除草、剪定に課題あり場所を移転
④ 第5期日中緑化交流基金助成決定(平成21年度)3年計画

四、中国人留学生支援活動
① 留学生支援センターを協会内に設置(代表・黒住理事)病院、弁護士、学校などとのネットワーク
② 岡山県留学生学友会(梁暁磊会長)と会合。連絡体制、役割分担などを確認
③ 事例(交通事故、雇用関係、緊急入院対応など)

五、中国各都市間交流促進活動
① 上海市との交流
●「第20回福祉の翼」後援(旭川荘主催)
●日中教育交流協議会10周年記念訪中団後援(日中教育交流協議会主催)
② 江蘇省国際交流センター訪日団(観光交流、研修生留学生派遣関係)
③ 江西省九江市との交流
●九江市教育訪日団来日(興譲館高校訪問交流)
●九江市政治協商会議訪日団(玉野市役所への訪問)

六、中国語センター
① 会話教室運営。中国語通訳・翻訳サービス【入門4名、初級4名、中級13名、上級4名、個人2名】
② 中国語能力検定試験実施

七、人民中国普及
① 『人民中国』普及拡大
② 中国三誌友の会活動

八、組織広報活動
① 総会開催、互礼会開催、特別講演会「内山完造の生涯」先人顕彰会・井原 幹事長 片岡良仁
② 理事会開催(6回)
③ 会報「岡山と中国」の発刊(年6回)
④ 会員拡大活動
 新規入会者
  一般会員  25名
  賛助会員   0名
 退会者
  一般会員  17名
  賛助会員   0名
 現在会員数
  一般会員 220名
  賛助会員  14名
⑤ 事務局経費の削減(家賃の交渉、他)
⑥ パソコンの寄贈受ける
⑦ ホームページの更新充実

2010年度事業計画-青少年の交流を促進-
Ⅰ 事業実施方針の柱
1 岡山市日中友好協会設立30周年記念事業を準備しよう!
2 岡山市・洛陽市友好都市締結30周年記念事業を準備しよう!
3 教育交流に力を入れ、未来の日中友好を担う青少年を育成しよう!
4 岡山県下の日中友好活動団体個人の連携を深め、民間交流の基盤を強化しよう!
5 活動を通じて会員を拡大し、協会を活性化し「役に立つ協会」をつくろう!

Ⅱ 事業の実施に関する事項
一、行事活動
① 岡山市日中友好協会創立30周年記念事業準備委員会設置
② 中山時子先生特別講座(中国語と中国料理マナー)
③ 日中友好公開講座(3回以上)
④ 日中交流関連の活動

二、岡山-洛陽友好促進事業
① 岡山市日中友好協会友好訪中団(洛陽牡丹祭り参加)
② 岡山市洛陽市友好都市30周年準備委員会設置
③ 岡山市立岡山後楽館高等学校中国語講師招聘
④ 経済・教育・文化・スポーツ・医療福祉など多方面の交流(派遣、受入)

三、中国緑化協力事業
日中緑化交流基金助成事業
洛陽小浪底緑化協力事業
① 第五期洛陽小浪底緑化協力事業
② 植樹訪問団企画(協会訪中団)
③ 日中友好桃園の育成(技術指導、関係者の視察団招聘)

四、各都市との交流
① 上海市との交流
●上海万博への参加訪問団(上海市人民対外友好協会招聘)
●医療・福祉交流(旭川荘をはじめ福祉医療機関の交流に協力)
●教育交流促進(青少年、小学校交流など)
② 江西省との交流
●江西省九江市の交流促進など
③ その他都市間交流協力
●信陽市・溮河区と新見市との交流協力
●江蘇省淮安市と吉備中央町の交流促進
●山東省曲阜との交流など

五、教育交流促進
 岡山県日中教育交流協議会活動への協力

六、中国人留学生支援センター
 支援活動ネットワーク強化(大学・病院・弁護士・行政などとの具体的な提携をはかる)

七、組織・財政活動
① 会報「岡山と中国」の発刊(年6回)
② 会員目標
●一般会員300人(あと76人)
●賛助会員二十団体(あと六団体)
③ ホームページ更新充実
④ 組織連携(県下の友好団体グループとの連携を強化していく)
⑤ 財政健全化活動

八、中国語センター
① 通訳翻訳サービス、中国語スクールなど
② 中国語検定試験実施
③ 中山時子先生特別講座の継続

九、「人民中国」普及
① 「人民中国」普及活動。学校への普及
② 中国三誌友の会の活動支援

 2009年度「会計収支報告」と2010年度「会計収支予算書」は次号に掲載します。

第49期中国語講座  *受講生募集*
 岡山市日中友好協会内「岡山中国語センター」は、四月開講の中国語講座の受講生を募集している。
 入門、初級、中級、上級の各クラスとも定員10人。中国人講師が教える。少人数指導が特色で、時間は午後6時半から同8時まで、6ヶ月間で全24回。
 費用は入学金3,150円、受講料31,500円、その他教材費も若干必要。
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江草安彦氏「中国人民友誼貢献賞」
岡山で受賞を祝う会-肖像画贈呈ににっこり-
 中国が建国60周年を記念して制定した権威ある「中国人民友誼貢献賞」を受賞した江草安彦氏の受賞を祝う会が、 2月12日午後6時より、岡山市北区丸の内のチャイニーズレストラン「福幸」で、賑やかに開かれた。

 祝う会は、岡山県日中懇話会、岡山県日中教育交流協議会、そして岡山市日中友好協会の共催で開かれ、それぞれの団体の役員ら14名が参加した。

 会を代表して協会の片岡和男会長と懇話会の森崎岩之助会長がお祝いのあいさつ。江草氏の長年にわたる日中医療福祉、教育交流の面での大きな功績を讃えた。

 参加者からの記念品には、デザイナーの村上隆氏の作による江草先生の肖像画が贈られた。江草氏の人柄をしのばせるような画面上の穏やかな表情に参加者から大きな拍手が起こった。

 プレゼンテーターとなった黒瀬定生氏が「絵のようにいつまでも若くご活躍ください」と激励。また、下津井電鉄からは大きな花束が贈られ、江草氏も満面の笑みを浮かべて受け取られた。

 江草氏はお礼の中で「今回の受賞は、中国建国60周年を記念して創設されたもの。直轄市及び省から日中友好に貢献した海外の友好人士が推薦され、私は上海市から一人推薦されたもので大変光栄に思っている」と感慨深げだった。

 また、昨年12月25日に行われた贈呈式には、中国人民対外友好協会会長の陳昊蘇氏が、政府のアフリカ訪問から帰国してすぐ北京から上海まで駆けつけ式に臨まれたいきさつを披露した。

 ちなみ陳会長は、初代上海市長で外交部長も歴任した陳毅氏のご令息に当たる。

 参加者は、福幸の中国料理に舌つつみを打ちながら和やかに江草氏と歓談し、2時間の祝賀会はあっという間に終了した。

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中山時子氏による
●中国(人)との付き合い方  ●自然な中国語表現  ●中国料理マナー教室
ふるってご参加を!
 お茶の水女子大学名誉教授で、中国文学及び中国語、それに中国料理の権威、中山時子氏を招いての「中国特別講座」と「中国料理マナー教室」が、3月20日午後、岡山市内で開かれる。主催は、当協会で、大勢の会員のふるっての参加を呼び掛けている。

 まず、中国特別講座「中国そして中国人との付き合い方について」(第一部)は、同日午後1時から同3時まで、岡山市北区丸の内2-6-30の岡山県立図書館で開かれる。

 中国で生まれ育った中山氏が、自ら経験して学んだ中国と中国人論を語る。表面的でない、本当の意味での独自の中国人論が期待できる。

 これから中国と交わる人も、より深く中国を知ろうとする研究者にとっても、ぜひ聞いておきたい話となりそう。

 受講料は1,000円(協会会員・学生800円)定員60人。先着順。

 第二部は中国語の勉強でテーマは「自然な中国語表現」。時間は午後3時半から同5時まで。会場は第一部と同じ。

 中国語を学ぶ上で一番厄介だといわれる発音について、学習のポイントを指導する。レベルは問わず、初心者から上級者まで、中山式の発音を教える。

 中国語をマスターしようとする人たちにとって、逃してはならない講義となるかも知れない。

 受講料は2,000円(協会会員・学生1,800円)定員60人。先着順。

 「中国料理マナー教室」は、中山氏一番のお得意分野で、中国旅行を計画している人にとっても、聞いておいて欲しいもの。

 今回のメニューは、中山氏監修の特別メニューフルコース。

 会場は同市北区丸の内2-7-7岡山ルネサンス内「チャイニーズレストラン福幸」。時間は午後6時から。参加費は8,000円。定員30人。先着順。

 希望者はいずれも当協会まで。電話・岡山225-50688。所定の申込用紙に記入し参加料を振り込めばよい。

中山時子特別講義より
私が歩んだ道と中国語(下)
             お茶の水女子大名誉教授 中山時子
中国は複雑な国、それを知ろう
上っ面だけの交流ではダメ


 私は1921年(大正10年)生まれです。東京で女学校を卒業し、「何かやりたい」と上海にいた父を頼って単身中国に渡り勉強したのです。

 昭和15年旧正月だったと思います。父に連れられ上海から北京に行き、清水安三先生(桜美林学園創始者)を紹介され、預けられたのです。

 それが、北京の朝陽門外にあった崇貞学院(清水氏が創立)でした。

 20十歳くらいの娘が一人ぼっちで学校の寮みたいなところに入れられました。清水先生曰く「ワシの言うようにやればよい」「言葉をまず聞け」-。
 
 
私は指示どおり、教室に出て子どもたちへの授業を黙って聞くだけでした。何も持たずただ「耳」だけ。必死で聞くことだけです。それが半年間続きました。

 ある日、日本人の牧師さんが中国語で講話するから、出席して聞くよう言われました。聞くと中国語はまだ分からないのに、私は、その話の内容が分かったような気がしたのです。

 そこで「注音字母」や「四声」のことを聞かされ、加えて「作文(文法)をやったらよい」と教わりました。作文の教本を求め、三日二晩必死で読みました。ここから私の中国語の真の勉強が始まったのです。

 作文をやり、出来た時の嬉しさといったら…。作文が出来たから、中国語が話せるようになったと思います。こうして北京大学にも合格できました。

 何カ月も聞いて来た「音」が、私の体内に充満していたのでしょう。それを整理してくれたのが「作文」だったのです。
 このように「聞く」ということは、本当に重要なのです。私は中国語を、母の胎内で聞き、家庭で聞き、学校で聞きました。もう私の細胞が覚え込んでしまっていたのだと思います。

 中国語を学ぶには、まず中国語の発音を「聞く」ことが大事だということは、前半でお話しました。

 そこで、日本での中国語教育がどうだったか、考えてみたいと思います。私は現状では、永久に正しい教育はできないと思っています。まず、先生を教育しなければなりません。

 それも、しっかりした人に付けて個人教授し教える以外に救済の道はありません。教える人を養成するのです。
 昔の寺子屋方式で一人ずつやらせて、中国語の「メロディ」を体と耳で覚えさせるのです。両親が楽しそうに毎朝夕やっていた「あ、あ~、あー」というあれです。

 実のある日中交流をするには、中国語の勉強をやるべきです。言葉ができなくて何の交流ですか。

 2000年前、孔子は「学びて時に之を習ふ、亦説ばしからずや、朋遠方より来たる有り、亦楽しからずや」と言っています。

 なぜそれを孔子が言わなければならなかったのでしょう。既に中国では孔子の時代に勉強しなくなったからです。一生懸命勉強しようとする人が少なくなったのです。

 日本では、ちょっと前までは「学びて時に之を習ふ-」なんて言わねばならぬほどでもなかった。しかし、もうじきダメになるような気がします。

 日本式に「誠実に生きねばならない。一生懸命勉強すべき-」なんて言葉を、勉強する時代が来るかも知れません。

 中国人は本当に苦労している国民です。しょっちゅう戦争している。複雑な国です。そのことを日本人は知らないといけません。

 本当に、今こそ中国人というものを知らないといけないのです。それを知るには日本人が中国語を学び、中国人について勉強ないといけないのです。上っ面の交流ではいけません。

 私は子どものころ、いや生まれる前からずっと中国とかかわってきました。今「これからの夢を-」と聞かれても、とても一言では言い尽くせません。

 しかし、言わぬ訳にはいきません。この現状を打開するには「勉強しなさい」です。勉強以外に、救う道はないと思っています。
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中国人留学生学友会 春節会開催!
 2月13日、旧暦の大みそかの日、学友会(劉暁邦会長)主催の春節交歓会が市内レストランで開催された。
 留学生や華僑総会、支援者、友好協会ら約70名が参加。中国CATVの大みそか番組を映し、歌を唄ったりして春節に想いを馳せていた。

活動日誌
10/8 会報199号発行
10/29 第4回理事会開催
11/3 中山時子先生中国語特別講義
11/22 第69回中国語検定
12/16 第5回理事会開催
1/1 会報200号発行
1/14 三誌友の会新年会
1/21 「程さんを救おう!」募金活動開始
1/25 第1回理事会開催
2/2 大阪総領事館王君朝教育部領事ら2名来所(倉敷、福山へ)
2/6 2010年度定期総会・心花コンサート・新春互礼会
2/12 江草安彦先生「中国人民友誼貢献賞」受賞を祝う会
2/13 岡山県中国人留学生聯誼会春節会
2/19

日中緑化交流基金 事務担当者会議

会員消息
【入会】
 武田昌二さん(岡山市)
 熊代三鈴さん(岡山市)
 岡崎 登さん(岡山市)
 笹野靖宏さん(岡山市)

先憂後楽
 中国では、春節が終わり、愈々新年度の活動開始となる。今年は、上海万博を控え、一昨年の北京オリンピックに次いで、中国が国際社会で一層注目を集める。また、昨年、新型インフルエンザの影響で中断されていた青少年交流も再開される見通しで、今年は日中往来の増加が予想される。

 そして、これまで北京、上海、広州だけに解禁されていた観光ビザについて、今夏から中国全土に解禁するとの方針が打ち出され、これにより、中国内陸部からの訪日旅行客が増えてくることは間違いない。

 ただ、国土交通省や観光行政のYOKOSO JAPANの呼び声とは別に、細かいところでの受入体制は十分とはいえない。外国語表記の問題、言葉を解する人材の問題などができていない。そういうソフトの面で岡山が他県に模範となるような整備をしていけば優位性を保てるのではないか。

 その中で民間の友好団体である協会の役割もあるはずだ。留学生支援活動や相互交流の促進、中国語の普及などこれまで以上に活発できめ細かい活動が求められてくる。協会も来年30歳を迎える。本年も、会員の皆様とともに知恵を出し汗を流して『役に立つ協会』を創っていきたい(松)


「岡山と中国」ご希望の方にはご郵送いたします。  
また、ご入会いただくと、毎月お手元へお届けいたします。入会案内をご覧ください。


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