岡山と中国 2013年4月
平成25年4月
  220号


発行人 片山浩子
編集人 松井三平
《日中友好》                                         《親善交流
    民 間 交 流  じっくり   動 き 出 す

       民ヲ以テ官ヲ促ス    ゆっくり  医療交流・学生派遣         
 【報告】  日中医療交流促進訪問団 4月10日~12日
      人的「絆」を確かなものに
                 岡山旭東病院院長
                 当協会日中医療交流委員長
 土 井 章 弘

洛陽市中心病院での懇談会
  岡山市日中友好協会の「日中医療交流促進訪問団」として、4月10日から、岡山県精神医療センター医監・関英一先生、通訳・志茂香代子氏、友好協会から黒住昭子副会長と松井三平理事事務局長、それに私、土井章弘の5人が、洛陽市との医療交流を促進するべく訪問して参りました。

 4月10日、上海経由で国内線の紅橋空港から洛陽に午後9時に到着。空港には洛陽市国際友好交流センターの于愛紅さん、蒋宗楊さんがいつもと変わらずにこやかに迎えてくれた。
  洛陽市は、快晴で青い空を見ることでき、ちょうど牡丹の満開の時期であり、ホテルや街路に多くの紅い洛陽牡丹が咲き乱れていた。

  同11日には、昨年、岡山旭東病院へ医療交流として医師と看護師を派遣して下さった河南洛陽市中心病院を訪れた。 玄関まで李亜偉院長が迎えに出ていただき
洛陽市中心病院での交流座談会
、「熱烈歓迎! 岡山旭東病院院長 土井章弘」の横断幕が掲げてある会議室にて和やかに会談が進んだ。
  院長、副院長を始め病院スタッフと当院で研修された談華先生(神経外科主任医師)と王麗莉氏(副看護師長)も加わり、本年度の岡山旭東病院からの派遣と受け入れが具体的に話し合われた。
  早ければ7月には医療交流が再開される予定である。受け入れの宿舎や、院内の食堂を案内していただき心温まる配慮を感じた。

  昼食は李院長の招待で一流の料理店「凱旋門大酒店」で美味しい食事をいただく。食後、まず、洛陽第一中医病院を訪れた。
  王莉院長を始め、岡山を訪問して下さった多くのスタッフが迎えて下さった。

  第二次日中医療交流促進訪問団(2011年12月)の時ご一緒した岡山県精神科医療センターの中島豊爾理事長が漢方の精神医療への応用を念頭に交流を計りたいとの希望があった。
  そこで中医を主として行っている洛陽第一中医医院を訪問した。王莉院長から歓迎の挨拶があって、交流座談会がもたれた。
  関先生の意向に沿った研修が出来る体制を整えてくれるとのことであった。

  最後に、洛陽市第五人民病院を訪問した。王院長から第五人民病院が新区に新築中の病院の説明もあった。
  関先生の日本の精神医療と洛陽市の精神医療との共同研究などの提案があり、賛同してくれる積極的な姿勢を感じた。
洛陽市第五人民病院の中庭にて
 
  夕食は、第五人民病院の主催で、笠井耳鼻科の笠井英夫先生との交流のある任麗達女史も参加され、20人を超える楽しい大宴会となり、友好の絆を深めることができた。

  同12日早朝、宿泊した洛陽華陽広場国際大飯店(ホテル)に、洛陽東方医院の楊黎紅院長、岡山旭東病院に放射線科研修に来られた尤先生夫妻、洛陽市外事弁公室の蔡副主任、研修に来られた談華先生と王麗莉氏等が見送りに来られた。

  このたびの日中医療交流促進の訪問団は岡山市と洛陽市の医療交流の人的「絆」を確かなものにしたことに意義があったと思っている。
  最後に、医療交流を献身的に支えていただいた黒住昭子副会長と松井三平事務局長に感謝したい。

  また、こうした交流ができるのも、前会長の片岡和男先生や現会長の片山浩子氏を始め30余年に渡る諸先輩の築いた友好の上にあることに感謝と敬意を表したい。  
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中日友好「女性のつどい」
    元気な女性で熱気ムンムン

                         当協会から牛田和子さん出席

牛田和子理事
  各地で今年に入って最高の気温を記録した3月8日、大阪市の中華人民共和国駐大阪総領事館で「2013中日友好女性のつどい」が開かれた。
  関西、中四国地区から約120人の元気な女性が集う会場は、集合時間前からさっそく交流が始まり、熱気に包まれていた。

  つどいは、岡山でもお馴染みの同総領事館政治文化部アタッシュ、胡元元さんの司会で開会。まず、劉毅仁総領事が歓迎の挨拶。
  「中国での女性の活躍は目覚ましい勢いです。この大阪総領事館の副領事2人も女性です。国外では千人を超える公使が働き、北京で開かれている第12回全人代の23パーセントの人達は女性です。
  先日の新聞には、ハイアールをはじめ中国の大手企業3社の社長に女性が就任し、政治・経済分野ヘの女性進出には目を見張るものがあります。
  しかし、外は穏やかな春なのに中日関係は肌寒い状態です。今日のみなさんの交流から、中日関係が一日も早く正常になるように願っています」。

  交流は、おいしい中華料理を頂きながら続けられました。歓談する輪の中には、中国の少数民族の未就学児を支援する京都から参加された女性、中国からの留学生を母親の立場から30年支援している吹田市からのグループなど、興味深い話ばかり。
  いろいろな支援や交流の話を聞くうちに時間はあっという間に過ぎ閉会となった。

  和やかな会場を後にして外に出ると、数時間前厳戒体制の中を最寄りの駅から総領事館に入るまでの状態と比べて、多少は穏やかになってはいるものの、警備する警察官を横目で見ながらの帰途。
  緊張が高まっている日中関係を肌身で感じました。 (牛田和子記)
活躍する「元気な女性」の皆さん
「女性の活躍は目覚ましい」と劉総領事


「東日本大震災」募金
    第1次贈呈以降の義援金 12万7,610円
                                 全国自治体病院協会へ 

支援募金は松本部長(左)へ
  未曽有の被害をもたらした一昨年の「東日本大震災」に対し、協会は会員への募金活動と募金箱の設置を通じて集めた浄財を全国自治体病院協会へ贈った。

  すでに第一次の募金50万円を一昨年届けたが、その後寄せられた募金12万7610円があり、3月13日、松井事務局長から自治体病院協会の副会長をしている岡山県精神科医療センターの松本安治事務部長へ手渡された。
 
岡山市日中友好協会の皆様!!
     ハルピンでがんばっています

          
ぜひハルピンへ来て下さい
                                    ー王振国ー

  大家好!王振国です。
  昨年の10月末に10年間も住んでいた岡山から離れて、中国の地元に帰って来ました。
  昨年と一昨年、皆様と一緒に洛陽市を訪問した時、牡丹祭り、龍門石窟、申窪小学校などいろんな所に行ったことは今でも昨日の事のように思い出します。

  岡山に住んでいた間、皆様に大変お世話になり、感謝を申し上げます。
  私の故郷は、中国の最北部にあるハルピンという町です。ロシアに近いため、その影響を強く受けていて、ロシア風の建物が非常に多いのです。
  冬になると気温はマイナス30度以下まで下がることもあって、町を流れる松花江も凍結してしまいます。

  世界四大氷祭りの一つに数えられる「ハルピン国際氷祭り」もその凍結した川の上で開催されます。氷祭り中は市内の至る所に氷の彫刻品や建造物が並べられて、色とりどりの蛍光灯やLEDでライトアップされます。
  原材料の氷は全て松花江より切り出した天然の氷を使用しています。機会があれば、ぜひ一度ハルピンに遊びにお越し下さい。

  今、私は地元にある外国語学校に勤めています。この学校は英語、日本語、韓国語などをはじめ、中国語も教えています。
  10何カ国からの留学生が集まって、ここで短・長期的に中国語を勉強しています。ハルピン人は現代中国語の発音が最も綺麗で正しいと言われています。
  中国語を勉強している方や中国語に興味のある方はぜひハルピンにお越しになり、ここで一度中国語を勉強してみませんか。
  そして、日本語学院にはたくさん日本語を勉強している人がいて、日本に行きたい学生もいますので、彼らと話をしてみませんか。興味のある方はどうぞご連絡ください。

  昨年から続いている尖閣諸島を巡る問題による日中関係の悪化は、政治だけでなく、経済や民間レベルの交流でも深刻化しています。
  残念なことに、昨年は日中国交正常化40周年という記念の年だったのですが、予定された様々な交流イベントも開催できなくなったようです。
  しかし、その陰で岡山市日中友好協会のように、地道に両国の市民の間の架橋となり、草の根の交流を続けていく民間NPO団体が多くあります。

  これから、まさに「民をもって官を促す」という先人が残した精神を踏まえて、新たな未来関係を模索し始めるでしょう。日中関係が一日でも早く修復されることを望んでいます。
  最後に、岡山市日中友好協会の皆様のご健勝、協会の益々のご発展をお祈りします。
ハルピン国際氷祭り
勤務している外国語学校
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岡山市日中友好牡丹祭2013 
             4月20日 岡山市立半田山植物園
  『牡丹まつり』!
飛び込みで演武に参加した女の子
 
片山浩子会長
「牡丹仙女像」前での開会式。
主催・当協会、共催・岡山市、岡山市国際交流協議会
咲き誇る「似荷蓮」
 
中国茶芸の披露。洛陽に留学していた
藤本香菜さんのお手前もなかなか
 
交渉の歩みを見る「友好交流写真展」
 
 
中国琴演奏。張艶利さん(洛陽出身、
岡大留学生)の爽やかな響き
田淵薫局長
(岡山市市民局)



  『ボタン外交』?!
王革さん指導の太極拳集団演武。凛々しく「二十四式太極拳」
演武。鋭く真剣に「呉式太極剣」
 
牡丹の育て方教室。樹木医・國忠征美さんのユーモア指導
 
演武。たおやかに「太極功夫扇」
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中山時子先生卆寿を祝う会
           教え子ら80人出席し盛大に

「若い人に仕事を引き継いでー」と中山氏(前)
      祝卆寿 
 
  当協会の中国語センター特別顧問で、岡山にも二度お越しいただき、中国語や食事マナーなどの特別講座でご指導いただいた、中山時子先生(お茶の水女子大学名誉教授)が、昨年7月に満90歳をお迎えになりました。
  先生はお元気で、今も中国語のご指導や研究に忙しい日々をお過ごしです。

  3月9日に、先生が会長を務めておられる日中文学文化研究学会主催の「卆寿をお祝いする会」が、銀座アスターお茶の水賓館で盛大に開かれました。
  当日は、先生のお茶の水女子大学での教え子だった皆さんや、先生のご指導のもと今では大学の教授として、また各分野の第一線で活躍されている方々など約80名が全国から集まり、先生が今も変わらずお元気でいてくださることを喜びあいました。

  先生は中国風のロングドレス姿で、いつもながらの存在感で会場の皆さんに昔の思い出話などを語ってくださいました。
  中国式マナーで美味しい中国料理をいただきながら、会場は和やかで賑やかな雰囲気に包まれました。
  先生は、ご自分が重ねてこられたお仕事をこれからの世代の人たちに引き継いでいくことを、今の一番のテーマとして苦心しておられます。

  私たちも日本と中国がこの先もきちんとよい関係で付き合っていくための第一のポイントである中国語の学習普及に、先生のご指導をきちんと活かして取り組んでいかなくてはとの思いを新たにしたひとときでした。 (黒住昭子記) 

瀬戸内日中卓球交流実行委準備会
     青島市卓球運動協会へ

          今年6月の訪日を招聘

                    本年中の正式発足を目指す

  中国との卓球交流の進め方などを協議する瀬戸内日中卓球交流実行委員会の準備会が、3月30日、当協会で開かれた。
  会には大阪から準備会代表の村上尚さん、高松から徳永孝明さん、当協会から会員の國定剛さん、黒住昭子副会長、松井事務局長の5名が参加した。

  冒頭、本年2月に逝去された、日中国交回復前後世界チャンピオンだった荘則棟氏に対し哀悼の黙祷をささげた。
  協議では、香川事務所を徳永さんが会長をしている「香川県卓窓会」内に、岡山事務所を当協会内に置くこと、6月19日より青島市卓球運動協会訪日団を招聘し、高松、岡山を視察してもらうことなどを決めた。
  また、村上さんから準備会に対し、すでに多額の寄付金が寄せられていることが報告され、交流会の正式発足については本年中の発足を目指し準備していくことなど、協議された。

  瀬戸内日中卓球交流については、昨年、村上尚氏や元世界女子卓球チャンピオンの松崎キミ代さん、同深津尚子さんらの訪中を機に持ち上がっていた。
  これで昨年より始まった卓球交流計画が具体的に動き出したことになり、今後の展開に期待が集まる。

会員消息
 【入会者】
  金光 哲兄さん(岡山市)
  西   哲夫さん(高松市)
活動日誌
 2/22…黒住教婦人会長交替式(岡山全日空ホテル)
 2/23…日中教育交流発表会(岡山県生涯学習センター)
 2/25…岡山市立後楽館高等学校中国語講師張婷さん在留更新手続(岡山入管)
 3/ 7…ワールドオプティカルカレッジ卒業式(学校校舎)
 3/11…協会理事会・懇親会(協会事務所)
 3/14…三誌友の会例会
 3/15…岡山外語学院卒業式(学院校舎)
 3/30…瀬戸内日中卓球交流会準備会(協会事務所)
 4/ 4…洛陽との医療交流団事前打合せ会(岡山旭東病院)
 4/10…洛陽医療交流促進訪問団洛陽訪問(~12)
 4/11…三誌友の会例会
 4/16…日中高校生交流打合せ協議大連訪問(~18)
 4/20…岡山市日中友好牡丹祭り(半田山植物園)
先憂後楽
  4月10日から洛陽へ、16日から大連へ、それぞれ2泊3日の駆け足日程で訪問した。洛陽は医療交流の再開、大連は高校生交流の今年度実施確認が目的だったが、それぞれ予定通り実施することで合意した。土井章弘団長が医療従事者同士の強い「絆」を感じたと感想を述べられている。

  日中関係が硬直化して半年以上が経過するが、未だに政府首脳同士が一度も会っていないという異常な事態が続いている。その間に、PM2・5の環境汚染、鳥インフルエンザの流行が続いた。そして、この原稿を書いている時に「四川省地震」の報が入ってきた。

  ただ、今回の訪問での直接接触により、担当者レベルでは、政府や国家同士の対立があっても、民間の交流は実施すべきだという意志の共有ができたことは意義深い。洛陽の旅行社の日本担当者は「我們要吃飯(われわれは飯を食わねばならない)」と言っていた。日中が争い対立を続けても人々の生活には何の利益にもならないどころか、日中関係で仕事している人たちにとっては死活問題なのだということだ。

  洛陽市、大連市、そして卓球交流で青島市と、都市ごとにテーマを定めて、人の流れを作っていき、徐々に相互交流をつなげていきたい。今こそ日中友好に携わる人々の智慧と工夫、努力が問われている。 (松)


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