岡山と中国 2014年2月
平成26年2月
  225号


発行人 片山浩子
編集人 松井三平
【特集】 2014年度 定期総会
     日中友好の大切さを理解し
     普及する活動を強化しよう
    
「以民促官」で民間交流促進

  岡山市日中友好協会(片山浩子会長)の2014年度(平成26年度)定期総会と新春互礼会が、1月25日、岡山市・岡山全日空ホテルで開かれ、新年度の事業計画や活動予算を決定、厳しい環境下での新しい活動のスタートを切った。
2014年度(平成26年度)定期総会
議長は赤木宣雄理事(岡山全日空ホテル)
 

  総会は午前11時から開かれ、片山会長をはじめ、役員、会員ら約50人が出席。片山会長の挨拶の後、赤木宣雄理事を議長に選出、松井三平理事事務局長が議案を説明し、審議した。

  2013年度の事業報告、活動計算書(決算報告)については、別掲の通りで、報告通り承認した。
  2014年度の事業計画、活動予算も別掲の通りで、松井事務局長が説明。

  特に、今年度の重点活動方針として
①「以民促官」(民を以て官を促す)の精神で民間交流を活発化させ日中交流を切り開こう
②日中友好の大切さを理解し普及する活動を強化しよう
③日中医療、緑化、環境、教育、スポーツの分野での交流強化など、六項目を挙げた。
  事業計画、予算も原案通り決まった。
 新年互礼会は正午から開かれ和やかに懇談し交流した。

(会長挨拶)
      今春は市民の皆さんと洛陽へ

片山浩子会長
 
  お寒い中、お忙しい中、岡山市日中友好協会2014年度定期総会にご参加頂き、ありがとうございました。

  昨年は、日中平和友好条約締結35周年の年で、日中間の関係が好転するのではないかと期待しましたが、残念ながら政治はもちろん民間の交流も停滞したままでした。

  このような中で当協会は、一生懸命努力致しました。4月には、土井章弘日中医療交流委員長が洛陽市を訪問、これを機に医療親善交流が動き出しました。
  以降、岡山旭東病院と県精神科医療センターから医師、看護師さんらが洛陽市の病院で研修され、一方、洛陽市の病院からも医師が来岡、県精神科医療センターで研修されました。

  緑化事業も日中緑化交流基金の助成が決まり、岡大農学部の指導・ご協力のもとに白鶴鎮緑化事業がスタートしています。

  このように、昨年は非常に困難な状況にもかかわらず、会員皆さまのご協力のもとに、少しずつ風穴を開け、あきらめず地道に民間交流を重ね、それなりの成果をあげることができたのではないかと、思っております。

  本年度も引き続き医療交流、緑化事業、そして卓球交流会、講演会などの事業を計画しております。
  それに、昨年は洛陽市を訪れることができませんでしたが、今年は4月か5月に、市長さんを始め市民の皆さんと共に、洛陽市を訪問したいと考えています。

  昨年秋開かれました中国大阪総領事館主催の国慶節を祝う会で、劉毅仁総領事は「このような時期だからこそ民間交流が大切だ」と強調されていました。
  なかなか明るい兆しが見えない日中間ですが、私どもは民間の力を途切れさせることなく、継続は力なりですから、続けたいと考えています。
  新年度の出発に当たり、皆様のご支援ご協力をよろしくお願い致します。

 
2014(平成26)年度事業計画
  今年度の事業計画については平成26年度 事業計画書、および平成26年度 活動予算書を参照

2013(平成25)年度事業報告
  昨年度の事業報告については平成25年度 事業報告書、および平成25年度 活動計算書を参照
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2014 新春互礼会 
 来賓挨拶(順不同)
友好活動も洛陽訪問も一生懸命応援します
    
     中華人民共和国駐大阪総領事館領事  張  梅 
 

  昨年は本当に日中関係が非常に困難な状況であったにも関わらず、皆さまはその困難を乗り越えて、さまざまな友好促進の活動を地道に続けられたということで、本当に感心致しました。
  総領事館を代表して皆さまのご努力と貢献に敬意と感謝を申し上げます。

  私は、昨年の3月下旬に大阪に着任致しました。その前は、日本の外務省に当たる中国外交部アジア局というところで、中日間の問題の処理に当たってまいりました。
  また、たいへん光栄なことに、胡錦濤主席や温家宝首相など中国要人の訪日の際、或いは中国での日本からの要人との会見の際の日本語の通訳もやってまいりました。

  通訳を始めた2005年当時は小泉総理、その後安倍総理の第一次内閣になり、その経緯の中で、中日両外交部当局間の中日戦略対話がありました。
  それは、両国間の課題を解決しょうとするものでした。当時の谷内正太郎外務次官と戴秉国外交部副部長との間の対話の通訳もしていました。
  ですから、あのような困難な状況から、交流が実現できたという事の経過を、私は一番よく知っている一人だと思っています。

  ぜひ新しい時代において、駐大阪総領事館はいろんな側面から、日中友好協会の皆さんの活動を応援しながら、地方交流、民間交流を、国民同士の友好環境を高めるような活動を、一生懸命応援していきたいと思っています。
  今年5月の大森市長の洛陽訪問が実現できることをお祈りし、岡山市日中友好協会やご参加の皆さまのご健勝をお祈り申し上げます。
 
岡山人が今こそ動いて〝井戸〟を掘らなければ
                     
衆議院議員   山下貴司 

  私は、自民党の国際局次長をやっており、程永華大使を含めて中国大使館関係者とお会いすることがよくあります。

  そこで私は二つのことを申し上げております。一つは、今の日中間の問題というのは、我々の祖父の時の話を主にしているということです。
  祖父の時代の話をするのではなく、我々の子供たちの時代の日中間を話し合おうではないか、ということです。

  もう一つは、今の日中間はお互いの悪いことばかり見付けて、言い合っているように思われる。
  お互い悪いことを言い合っているようではダメで、お互い良いところを見付けて、それを讃えあうということをして、始まるのではないか、と。これを外交ルートでは言っております。
  ただ、私はこのような時だからこそ、岡山が、岡山人がやらねばならない時だと思っているのです。

  考えれば、吉備真備は遣唐使で中国に渡り、学び、多大なものを持ち帰った。それ以来、日本人は中国が大好きなんです。好きだというのが自然な状態で、今が不自然な状態だと思っています。

  近くは、犬養木堂翁が孫文を助けたという事もある。岡崎嘉平太は、周恩来総理より「井戸水を飲む時には、井戸を掘った人を忘れない」と言われました。
  岡山の人が、井戸を掘り続けることだと思います。今、水が細っているかも知れませんが、私も仲間の一人として井戸を掘って、またふんだんに日中友好の水が湧き出るように頑張りたいと思います。
 
自治体も日中友好活動 積極的に進めたい
           
             岡山市長   大森雅夫 

  岡山市日中友好協会が、岡山市の姉妹都市である洛陽市をはじめとして、様々な形で民間交流のパートナーとしてご活躍されていることは、いろんなところからお聞きしており、感謝申し上げます。

  昨年、程永華大使が来岡された際「日本と中国は引っ越しのできない隣国である」とおっしゃいました。
  まさにその通り。日中はお互いが仲良くしていかなければならない関係にあるのです。

  日中間には現在、お互いの立場の違いという事もあって、政府同士の間では必ずしも簡単に解決する問題は多くはないのです。
  政府間はこれからも、若干は議論も出て来るかも知れませんが、われわれ自治体とすれば日中友好を進めていかなければいけないと思います。
  それが、国と国との平和にもつながると思います。

  そういう意味で岡山市は、自治体としてこれからも積極的に進めて行きたいと思いますので、日中友好協会の皆さん、また、民間の皆さん、ぜひこのことを心に留めておいていただければと思います。
 
細々でもいろんな形で   友好ルートをつなごう
                   
岡山市議会議長   則武宣弘 

  ちょうど一年前でしたか、私は次のようなお話をさせていただきました。
  うちの公明党、山口那津男代表が昨年早々、中国を訪問され、その年が平和友好条約締結35周年で友好が深まって行く年になるのではないか、といった話でした。

  また9月には、谷合正明議員が訪中、年末には程永華大使も岡山に来られました。
  なんとか、一つひとつはそれなりに交流を深める機会にはなっているのですが、なかなか、昨年一年間は進展がなかった現状でした。

  そうした中、今年の正月、ちょうど2年前に洛陽におじゃました時、ごいっしょさせていただいた吉備国際大学の張華さんから年賀をいただきました。
  なかなか厳しい状況ですけれど、頑張っていきましょう、との激励のお手紙でした。

  このように、細々ではありますがいろんな形で中国との友好を深めていけるルートをつないでいきながら頑張っていければと思っています。
  大森市長もこの春には、洛陽に行かれるような雰囲気になりつつあるようですし、今日の互礼会のような良い雰囲気で、春になりますように祈念申し上げます。
 
日中は一衣帯水の関係   派遣事業も活発になる
         
参議院議員・日中友好会館 会長    江田五月

  皆さんおっしゃっていましたように、日中は一衣帯水の関係で、どんなに言ってみてもお互い引っ越す訳にはいかないのです。

  つい先日、東京で日中友好協会と東京都の日中友好協会共催の新年会がありました。
  そこで、程永華大使は、靖国とか歴史認識とか厳しい指摘をしながらも、友好交流は前に進めなければならない、とおっしゃっていました。とりわけ、民間交流が一番大事だと挨拶されました。

  私のところの日中友好会館は、国の予算をいただいて、日中の青少年交流をしているのです。ところが、例の問題から、中国からのホームステイが全部キャンセル。
  しかし、さすがに、これではイカンということで、つい最近になって一度中断したけれど、再開しようと中日友好協会の派遣事業は活発になりつつあります。

  安倍首相は「国のために尊い命を捧げたその御魂に敬意を表するのだ」とおっしゃる。安倍さんが、その気持ちでおられることを、別にどうこう言う訳じゃないのです。
  しかし、もう少し客観的にみると、国のために尊い命を捧げたのではなくて、国のせいで尊い命を奪われた、というのが本当ではないか、私はそう思います。
  「国のために尊い命を捧げた」と思い込ませる仕組みを作って、実行した―これは非常に痛ましく罪の深いことです。この辺の歴史認識を踏まえながら、そういうことは二度と繰り返してはならない、というのが当然の話です。

  そういった方向を皆さんと共有しながら、互恵関係をしっかり創り上げるために、日中友好関係がより一層深まるように努力しましょう。

賑やかに楽しく互礼会     
楊さん、池田さん(左)のミニ演奏

  新春互礼会には、来賓や招待者ら約80人が出席。片山会長の歓迎の挨拶の後、来賓の張梅領事、山下貴司衆院議員、大森雅夫市長、則武宣弘議長、江田五月参院議員がそれぞれ挨拶。黒瀬定生県日中懇話会会長の発声で乾杯、懇談に入った。

  この間、二胡奏者・楊雪さんの友好祈念コンサートと友情出演の池田武久さんのハーモニカ演奏があり、会場を盛り上げた。

 会場では、友好関連企業などの協力によるバザー、抽選会などもあった。 
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(岡山の皆さんへ 洛陽からメッセージ) 
    心を合わせて友好交流協力
         洛陽市人民対外友好協会 会長     劉  典 立

  新年にあたり、洛陽市人民対外友好協会を代表し、岡山市日中友好協会の友人各位と長期にわたり両市の友好事業に尽くされた各界人士に対し、新年の祝賀を申し上げます。
  明けましておめでとうございます。何事もうまくいきますようにお祈りします。今日まで一貫して皆様のご関心とご厚情をいただいておりますが、本年も引き続きよろしくお願い致します。

  貴市は、わが市が外国と締結した第一番目の友好都市であり、また同時に河南省が締結した第一番目の対外交流窓口であります。
  1981年の両市友好都市締結以来、両政府と友好人士各位の不断のご努力の下に、両市の政治、経済、文化、教育、医療などの分野において、広範で豊かな効果のある交流と協力事業が行われてきました。
  これらの交流と協力を通じて両地の経済社会発展が促進され、両市市民間の理解と信頼、友情が深まり、中日友好事業に積極的な貢献をして参りました。

  ここで、私は友人各位が一貫して努力を払ってこられたことに対し、深甚なる謝意を表したいと思います。
  どうか今後ともこれまでと同様に両市の友好事業にご関心を寄せていただき、心を合わせて両市の友好交流と協力事業に継続して努力していきたいと望んでいます。
  共同の努力をしさえすれば未来に向かって、両市の友好関係は必ずや更に美しい春を迎えることができると確信しています。

  最後に、今一度各位に対し新年のお祝いを申し上げ、ご健勝とご家族の皆様のお幸せをお祈りします。
                                        (訳・松井三平)
 
交流発表会を開催
                  県日中教育交流協議会


  岡山県日中教育交流協議会(門野八洲雄会長)の日中教育交流発表会が、2月15日、岡山県生涯学習センターで開かれ、本年度実施された中国との教育交流の内、吉備中央町と江蘇省淮安市との中学交流、そして、大連の高校生とのSTUDENT EXCHANGEの報告が行われた。

  最初に、主催者を代表して門野会長が挨拶、日中関係は厳しい状況が続いているが、青少年の時に海外へ出て交流をすることはグローバル時代に大変重要である、と交流の意義を訴えた。

  発表会では、ホームステイの時の様子などがリアルに報告され、生活習慣の違いに戸惑ったことや、行く前と行ってからとでは中国に対する考えが変わったという報告がなされた。
  また、出席していた高校生の父兄からは子供が海外に行くことについて、積極的に応援していると発言があった。

  『百聞は一見に如かず』という諺の通り、報道だけからの情報でなく、自らの目で見て直接触れ合う事の中で、日中の相互理解が深まることを参加者一同確認し合った。

 
曾葳「墨跡書画展
                  
 瀬戸内市、来年は5月開催 
 楊氏を囲んでの交流揮毫会
 

  北京在住の著名な書画家、楊曾葳氏の「墨跡書画展」が、2月6日から16日まで、瀬戸内市邑久町虫明の黒井山グリーンパーク「ゆうゆう交流館」で開かれた。

  会場には、楊氏が今回の書画展に向けて制作した書や絵画約60点がズラリ。
  今回のテーマは、干支の午年にちなんで「跳」。躍動感溢れる馬の絵や掛け軸などが溢れ、訪れる人たちを楽しませていた。

  楊氏を囲んでの交流揮毫会も会場で開かれ、馴染みのファンや家族連れらで賑わっていた。
  「岡山は素晴らしいところ。毎年来ているので馴染みもできて、人と人との交流も楽しい」と楊氏。

  この書画展は今回が第8回目。楊氏が友人と瀬戸内市を訪れたことを機に、毎年同所で開いており、日中文化交流となっている。次回のスケジュールも、来年5月開催と内定している。
  岡山市日中友好協会は後援している。  
 
三カ国語「商人心」
            日本語、中国語、英語
 

  人生訓や商人訓を日本語、中国語、英語の3カ国語でまとめた「商人心」=写真=が、このほど当協会関係者らの協力で出版され、評判となっている。

  著者は、一代で中小企業を育て上げ、今も現役の藤井正二氏(ペンネーム・恒仁朗)で、自らの企業経営者としての経験を元に、商人として生きるための人生訓・商人道といったものを説いている。

  「商いは〝大取りより小取り〟〝儲けより元本を取れ〟」「人生は〝小欲知足〟なり」「笑いは心のクリーナー」などの言葉を、著者なりに解説し、それらを中国語と英語に訳してある。

  協力したのは、大手商社の貿易実務経験者やジャーナリスト、金融実務経験者等。当協会では、国定剛氏が中国語訳を担当している。
  ちなみに副題は、日本語が「あきんどごころ」、中国語が「経商之道」、英語では「Heart of Merchant」。読み進めて行くと、人生訓になるし、中国語や英語の勉強にもなっておもしろい。

 A5判110ページ。非売品。入手希望者は、当協会事務局まで。

 
活動日誌
 1/ 8…協会理事会(協会事務所)
 1/ 9…三誌友の会例会
 1/25…協会総会・互礼会(岡山全日空ホテル)
 2/ 9…卓球交流事前打合せ訪中(青島~11日)
 2/12…編集委員会(協会事務所)
 2/13…三誌友の会例会
 2/15…日中教育交流発表会(岡山県生涯学習センター)
 2/15…卓球交流会打合せ会(協会事務所)
 2/17…日中緑化交流基金助成事務局会議(東京・砂防会館)
 2/19…日中医療便覧打合せ(岡山県精神科医療センター)
 2/22…瀬戸内日中友好卓球交流会総会(ピュアリティまきび)

先憂後楽

  協会の総会が終わり、中国の春節も過ぎ、いよいよ春の到来となった。日中両国の関係は依然として政冷経熱の状況が続いているが、今年の春節休みでの訪日観光団の復活や、自治体交流の再開情報など、政府の緊張はそれとして、民間や地方同士は交流をしようという双方の意思が伺われるような状況も出てきた。

  新春互礼会で日中友好会館の江田五月会長も、中断されていた中国からの派遣事業が再開されたと明かした。

  岡山、香川と中国青島の卓球界との青少年交流が3月末実現する。準備のため2月中旬に青島を訪問した時、日中関係の影響を話題に出すと、青島の責任者からは、派手に宣伝するのでなく、粛々とやろうという回答が聴かれた。日中交流に係わる現場の率直な考えだろう。

  実践が大切なのであって、形式や表面的なプロパガンダは慎んでいけばよい。私たちもそのあたりの空気を読みながら、今後の交流を提案し実践していきたい。それらの集積により、交流の再開が徐々に広がっていくはずである。

  中国の指導者、故毛沢東主席の言葉に『小さな火花も広野を焼き尽くす』(中国語で星火燎原)という言葉がある。小さな活動でも各処で実践していけば日中友好の大きなうねりを巻き起こすことができると確信している。(松)


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