「子供同士は言葉が通じなくてもお互いが理解し合える」 |
凱旋路小の児童17人来岡/岡山っ子とふれあい心の交流 | |||
岡山市の友好都市、洛陽市から、11月26日小学校児童の訪問団が来岡、岡山市内の2小学校を訪れ、子供たち同士交流し親善を深めた。 訪れたのは、同市の凱旋路小学校(胡娟校長)の児童17人と引率教員が3人、そして通訳随行の計21人。 一行は、25日の夜行で洛陽を出発、約16時間かけて上海に到着。26日夕方の東方航空527便で上海浦東空港を発、同午後8時半に岡山空港に到着した。 |
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岡山市立中山小・皆で一緒に給食 竹馬、羽子板、けん玉など体験 |
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翌27日訪問団は、午前9時に岡山市立中山小学校(岡山市北区一宮、徳永充生校長)に到着。 まず子供たちを迎えたのは、手づくりのバルーンアートのアーチで、その花道をくぐって徳永校長はじめ全校生徒の出迎えを受けながら、歓迎会会場の体育館に入場。 歓迎会では、中山小六年生の志摩日萌(しまひなた)さんが「良い思い出を作ってください」と歓迎のあいさつ。 凱旋路小は五年生の朱笑辰(しゅしょうしん)さんが学校紹介と歓迎へのお礼を述べた。 華やかな民族舞踊披露 その後、凱旋路小の子供たちは、モンゴル族と漢民族の民族舞踊を披露。華やかな民族衣装をまとった見事な踊りに、中山小児童をはじめ教師、PTA関係者らは一様に感心していた。 プレゼント交換では、凱旋路小からは、正月をテーマに作られた額が、中山小からは千羽鶴が、それぞれ贈られた。 歓迎会の後、国語の授業体験、名刺カードの交換などで漢字文化を伝える授業に参加し、子供たち同士の交流が続けられた。 また、日本伝統的な遊びである竹馬、羽子板、コマ回し、けん玉、お手玉などを一緒に体験、楽しんでいた。 一行は、中山小の児童らと一緒に給食を食べた後、次の訪問先に向かった。 |
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岡山市立横井小・おいもパーティー 楽しくすごろくゲームにも挑戦 |
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同小では、〝おいも〟パーティを開催しており、ふかし芋をほうばりながらの交流となった。 芋づくりなど地域の方に感謝する行事に参加した後、一年生の児童らとすごろくゲームに挑戦。賑やかな交流が続けられていた。 |
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胡校長は、離岡に当たって岡山駅で次のような感想を話した。 「子供同士は言葉が通じなくてもお互いが理解し合える。中山小学校と横井小学校の暖かい歓迎に感謝したい。日本の小学校と授業のやり方などは異なるが、礼儀正しい児童や清潔な校舎など学ぶべきところはたくさんあり、大きな成果があった」。 訪問団一行は、28日午前9時14分岡山駅発の新幹線で大阪へ移動。大阪ではUSJを楽しみ、29日の関空上海便で帰国の途についた。 今回の子供たちの岡山訪問は、昨年5月、岡山市日中友好協会が主催した「岡山市民訪問団」が洛陽市を訪問した時に、凱旋路小学校を訪問。 その時に、同小学校側から岡山への訪問希望が伝えられ、岡山市の大森雅夫市長も積極的に進めようと協力を約束。 今回、当友好協会が招聘し岡山市国際課と市教育委員会の協力で実現した。 中山小学校では徳永校長と凱旋路小学校の胡校長らが会談し、友好提携も想定しながら今後交流を継続していくことなどを話しあった。 |
2015年(平成27年) 戦後70年・協会設立34年 |
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市民レベルの交流を深化させ発展 岡山市日中友好協会会長 片 山 浩 子 |
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過ぐる一年、当協会は友好都市の洛陽市との交流を軸に、日中民間交流を積極的に推進して参りました。 洛陽市人民対外友好協会をカウンターパートとし、日中緑化交流基金の助成を得て実施している洛陽黄河沿いの緑化協力活動は、9年目となり本年も継続して実施いたします。 また、5月には岡山市民訪問団を企画し、大森雅夫岡山市長の公式訪問団と共に洛陽市を訪問しました。 その訪問団がきっかけとなり10月には洛陽芸術家訪日団が来日し、宗忠神社で民族楽器と書画による日中芸術家交流の集いが実現しました。 11月には、洛陽市凱旋路小学校の先生と児童が来日し、岡山市の中山小学校や横井小学校で、児童、先生等と一緒に過ごし友情を育みました。 このように相互訪問が実現し、友情の絆が一層強まりました。 一方、日中政府間では懸案であった首脳同士が、11月に北京で開催されたAPEC会場で会見し、国交回復以来最悪の状態といわれた日中関係が大きく前進しました。 本年、当協会は設立34年を迎えます。これまで実践してきた市民レベルの友好交流活動を更に深化し発展させていきたいと思います。 特に、青少年同士の交流に力を注ぎ、次代の日中友好を担う人材の育成に貢献したいと思います。 そして、春の洛陽市民訪問団、芸術文化交流促進、小学校交流、また、新たに天津市との交流も模索して参ります。 組織的には、引き続き会員の増強に努め、認定NPO法人取得を目指します。 12月号の「日本と中国」紙に国際コメンテーターの加藤嘉一氏が「これからは個と個の交流が大切」と書かれていました。 これから大きく変動する国際情勢や日中関係の中で、個人と個人、市民と市民の発信力が果たす役割が一層強くなると思います。 このような中で、私たち岡山市日中友好協会は、引き続き会員の皆様や中国の友人の皆様と力を合わせて、日中平和友好の大きな目的に向かって今年も少しずつ前進して参りたいと存じます。 引き続きご支援とご協力をお願い申し上げます |
政令都市岡山のさらなる飛躍を 岡山市長 大 森 雅 夫 |
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岡山市日中友好協会の皆様には、岡山市の国際友好都市である洛陽市との交流をはじめ、様々な形で岡山市における日中両国の民間交流の推進に大きな役割を果たしていただいており、改めて深く敬意を表する次第です。 岡山市では、今後とも、洛陽市などの国際友好都市との自治体間の交流を通じ、さらなる国際化の進展に努めてまいりたいと考えております。皆様方には、一層のお力添えを賜りますようお願い申し上げます。 また、97か国・地域、約3千人の参加を得て昨年秋に開催された「ESDに関するユネスコ世界会議」では、岡山の地域に根差した環境保全や国際理解などのESDの取組を、今後の世界におけるESD普及のモデルとして広く世界に向けて発信し、「『岡山モデル』を世界でのESD普及に活用したい」「最高の運営、おもてなし」など、高い評価をいただきました。 ESD推進に対する皆様方のご理解とご参加に厚くお礼申し上げます。 本年は、世界会議で得られた成果やイオンモール岡山の開業を契機として政令指定都市・岡山のさらなる飛躍をめざして、人優先の歩いて楽しいまちづくりやESDの推進に引き続き力を注いでまいります。 さらに、新市民病院の開院、健康寿命の延伸、在宅医療・介護の充実、子ども医療費助成の拡充、女性が輝くまちづくり、岡山の強みをいかした産業・商業の振興、総合教育会議の新設をはじめとした教育の振興、おかやまマラソンの初開催など、様々な取組を積極的に推進してまいります。 また、人口減少克服・地方創生が国政の大きなテーマとなる中で、将来を見据えた新しい総合計画の策定に着手、圏域の中心都市として、都市圏全体を牽引するまちづくりを目指す中で、国・県、さらには近隣自治体等と連携しながら住民福祉の向上という共通の目的の実現に向けて様々な課題の解決に取り組みます。 安定・平和の象徴とされる「未」の年にちなみ、市民の皆様の幸せとまちの発展に資する政策をしっかりと着実に推進してまいる所存ですので、市政への一層のご支援、ご参加をお願い申し上げます。 年頭に当たり、皆様方のご健勝とご多幸を心から祈念申し上げます。 |
民間交流は中日関係の優良伝統 中華人民共和国駐大阪総領事 劉 毅 仁 |
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ここ2年来、中日関係は歴史認識と領土問題を巡り国交正常化以来最も厳しい局面に陥り、関連の事実関係から、その是非は明らかであります。 両国の諸先輩の政治家の間で達せられた共通認識が深刻な挑戦にさらされ、両国関係の政治基礎が大いに揺さぶられているわけであります。 これは両国国民の利益には背くものであり、アジア地域と世界の安定と繁栄にも合致しないものであります。 このような難局を打破するため、中日双方は幾度か努力を重ね、2014年11月7日に両国関係の処理と改善に関する4つの原則的共通認識を達成し、両国首脳間の会見も北京APECの場で実現して、両国関係の改善と発展に方向と目標を定めました。 今後、最も肝心なのは4つの原則的共通認識が確実に遵守され、実行に移され、両国関係の改善と発展に積極的な要素を積み重ねていくことであります。 民間交流は中日関係の優良な伝統であり、堅実な基盤であります。 岡山市日中友好協会は、冷え込んだ両国関係の逆風に怯えず、日中友好の旗印を高々に掲げ、文化、教育、体育、青少年交流など各分野において様々な友好交流事業を展開して、両国関係の改善のため積極的に環境作りを行いました。 特に雲南省の震災に際して特別なご高配を賜り、貴重な義捐金を寄付していただきました。新年号を借りて皆様方に敬意と感謝を表したいと申し上げます。 中国の諺にいわく「百里を行く者は九十里を半ばとする」。今後とも両国関係改善の機会を大事にし、引き続き「民をもって官を促す」という精神を踏えて、両国関係の政治基礎をしっかり守り、日中友好運動をより一層活発に展開させ、両国関係が一日も早く健康かつ安定な発展軌道に戻るため更なる貢献をなさるよう切望しております。 結びに、岡山市日中友好協会の益々のご発展と会員皆様の益々のご健勝をお祈り申し上げます。 |
瀬戸内日中友好卓球交流会 3月末に訪日団受け入れ決定 |
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理事会には、村上会長、丸川真一副会長ら10人が出席。平成26年度の活動報告や収支報告を審議し了承。 同27年度の活動計画については、2月に総会、9月に小・中学生向け卓球研修会、それに3月には青島市卓球運動協会の訪問団受け入れなどを決めた。 青島市からの訪問団は、3月28日から4月3日のスケジュールで来日、岡山と香川で交流する。詳細日程や選手選抜方法など、具体的内容については、今後煮詰めていくこととした。 この訪問団は、前年、岡山・香川側から青少年が青島市を訪問しており、それぞれ交互に訪問し合うことにしており、今回は日本側が受け入れることになっている。 この他、交流会の運営について、会員の増強の方針も示された。 |
「望郷の鐘」試写会 不戦の誓い新たに | ||
当協会も制作に協力した映画「望郷の鐘 満蒙開拓団の落日」(山田火砂子監督、㈱現代ぷろだくしょん製作)の制作記念試写会が、12月9日、岡山市の岡山市民会館で開かれた。 これは、中国残留孤児の父といわれた故山本慈昭さんをモデルとした、満蒙開拓団問題の社会派映画。 試写会には、出演者の渡辺梓、山口馬木也の2氏が舞台挨拶。当協会会員ら約千人の観客が観賞。戦争の悲惨さやむごさ、国策というものの冷酷さなどに涙し、不戦の誓いを新たにしていた。 |
雲南募金114万円を大阪総領事館へ届ける | |
総領事館では昨年の10月に着任したばかりの孫忠宝副総領事をはじめ、宋雄偉政治文化室長代理、周明輝副領事が同席した。 岡山からは岡山県日中懇話会の黒瀬定生会長と事務局の伊藤誠子さん、協会の片山会長と松井事務局長が赴いた。 孫副総領事は、感謝の言葉とともに、義捐金を、震災孤児となった子供たちの支援や教育支援に活かすことを外交部に連絡すると話した。 |
イオンモール内「イオン岡山店」 当協会の「ボックス」を開設 |
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黄色いレシートを入れて! これは、イオングループが毎月11日をイオンデーとし、地域への貢献活動の一環として黄色いレシートキャンペーンをしているものです。 11日にイオン岡山店(モール全体ではありません)で買い物をするとレジ精算時に出て来る黄色のレシートを、そのボックスに入れれば、精算金額の1%がボックスの団体に還元されます。 当協会も、地域で活動するボランティア団体として、ボックスを開設してもらいました。 場所は、イオンモール1階の「イオン岡山店」食品売り場(イオンSTYLE)レジ前。各ボランティア団体のボックスが並んでいる28番。 イオンモールのイオン岡山店で、11日に買い物をされたら、ぜひ黄色いレシートを忘れず「岡山市日中友好協会」のボックスへ入れて下さい。1%分を募金して頂くことになります。 よろしくお願いします。 |
【ご案内】 2015年度(平成27年度) 定期総会・新春互礼会を開催 |
表記の行事を左記の日程で開催します。万障繰り合わせての上、ご参加くださいますようご案内申し上げます。 [日時]2015年2月7日(土曜日) ◎定期総会(午前11時より) 2014年度事業報告、収支報告、監査報告他 2015年度事業計画書、収支予算、定款変更、役員改選 ◎新春互礼会・レセプション(正午開会) ★ヴォーカルⅣ オンステージ [場所]岡山全日空ホテル19階「宙」の間(岡山駅西口) [会費]5,000円(互礼会・レセプション会費) |
活動日誌 | |||
10/28…宗教者九条の会(松井事務局長講話。長泉寺) 10/30…会報「岡山と中国」10月号発送作業(協会) 11/ 7…横井小学校打合せ訪問 11/13…三誌友の会例会 11/23…中国語検定試験(岡山ビジネスカレッジ)84名受験。 11/26…洛陽市凱旋路小学訪日団来岡。 中山小学校、横井小学校訪問交流(11/27) 12/ 1…瀬戸内日中友好卓球交流会理事会・忘年会 12/ 2…総社南高校訪問(来年度高文連交流) 12/ 3…第5回理事会(協会) 12/ 9…映画「望郷の鐘」試写会(岡山市民会館) 12/11…三誌友の会例会 12/13…中山時子先生感謝の集い(東京銀座全聚徳) 12/17…雲南募金贈呈(中国大阪総領事館) |
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先憂後楽 | |||
年末に神戸の姜成生さんが亡くなった。姜さんは岡山駅前にあった中華料理の八仙閣総支配人をされていた時に、范曾美術館設立にともにかかわったことが印象に残っている。 八仙閣は駅前の日本生命ビル9階にあったが、エレベータを降りると正面に范曾画伯の代家作品である八仙過海の大作が全面に展示されていて、来客者の目を引いた。 この絵に魅せられた当時の両備バス社長松田基氏が、手弱女(たおやめ)の抒情に秀でた文人画の夢二に対し、豪放な益荒男(ますらお)の筆致で人に迫る范曾に日中両国民性の相違を見出し、「いずれの特質も良し」とし、すでにあった夢二美術館とは別に西大寺に范曾美術館を設立することを決めた。 そして、具体的な設立準備作業の中で、当協会が前面に出て中国大使館や中国文化部などとの交渉にあたり、姜さんが范曾画伯や中国を代表する画家たちとの連絡役や范曾絵画の買い付けにも同行するなど活躍され、私自身も何度か姜さんと一緒に北京を訪問した。 1984年の范曾美術館開館の感激はいまだに記憶に新しい。残念なことにオープン式に范曾氏自身が中国画壇の反対にあって来日できなかったエピソードも今となっては懐かしい。 そしてこの美術館オープンを契機として天津市との交流が始まった。周恩来総理の出身校である南開大学から教育視察団を招いたり、同大学に両備バス4台を寄贈したり、岡崎嘉平太先生と松田氏が顧問教授に就任し、その贈呈式を兼ねた特別講演会に招かれたりと、頻繁に天津市を行き来した。 あれから30年。本年早々天津市との交流が再開することとなった。これも縁だろうか。30年前の熱い交流が今日、新たな課題で花開くようになれば、もう鬼籍に入られた、松田氏や姜さん等関わった人々に喜んでいただけるに違いない。(松) |