岡山と中国 ///70//
2015年2月
平成27年2月
  231号

発行人 片山浩子
編集人 松井三平
 【特集】  2015年度 定期総会
          
         戦後70年歴史を鑑み日中平和
     友好を活性化し担い手育成も
     

  特定非営利活動法人岡山市日中友好協会(片山浩子会長)の2015年度(平成27年度)定期総会と新春互礼会が、2月7日、岡山市・岡山全日空ホテルで開かれた。

  14年度の事業報告・活動計算書等を承認、定款の一部変更と任期満了に伴う役員改選を実施、片山浩子会長を再選、専務理事職を新設した。その後、新年度の事業計画書・活動予算書を審議決定、新しい活動のスタートを切った。
 
2015年度定期総会・互礼会 
2015年度(平成27年度)定期総会。議案を説明するのは松井三平専務理事。
議長=赤木宣雄理事、司会=高木文彦理事(岡山全日空ホテル)
 

議案等を報告する
松井専務理事
 
  総会は午前11時から開かれ、片山会長をはじめ、役員、会員ら約40人が出席。片山会長の挨拶の後、赤木宣雄理事を議長に選出、松井三平理事事務局長が議案を説明、審議した。
  2014年度の事業報告書・活動計算書、会計監査報告書については、高淵宣雄監事が会計監査報告、いずれも報告通り承認した。

  定款変更については、認定NPO法人を取得するための文言修正と、専務理事の役職を新たに設けるためのもの。何れも審議の結果、原案通り認められた。

天津との交流再開 洛陽緑化も継続へ
  新年度2015年度の事業計画書・活動予算書についても原案通り承認された。
  新年度については、4月の岡山市民訪問団(洛陽、天津)の派遣、天津市との交流、戦後70年記念行事などと新たに取り組み、洛陽・白鶴鎮で続けている環境保護・防災支援活動としての緑化交流事業は引き続き取り組むことにしている。
  認定NPO法人取得への協議や他の日中交流団体との連携などとも取り組む方針。
  また、任期満了に伴う役員改選では、片山会長らを再選、新たに宮本光研氏(前理事)を副会長に選任し、村上尚瀬戸内日中友好卓球交流会会長を参与に委嘱した。

専務理事職を新設 松井三平氏が就任
  新たに設けた専務理事には、松井三平氏(前理事事務局長)が就任した。新体制は別表(末尾)の通り。
  新春互礼会は、正午から開かれ、会員をはじめ国会議員、県・市議会議員、大学関係者ら各界の来賓に加え在岡の中国留学生も招待され、賑やかに懇談、交流を深めた。

  中国駐大阪総領事館からは孫忠宝副総領事と周明輝副領事が駆けつけた。
  イベントでは、異色の男性ボーカル「VOCAL4」がミニコンサート。懐かしい曲や中国の曲などで会場を盛り上げた。
  関係者の協力で集められた商品のバザーや抽選会もあった。
2015年度(平成27年度)事業計画 
  今年度の事業計画については平成27年度 事業計画書、および平成27年度 活動予算書を参照
2014年度(平成26年度)事業報告 
  昨年度の事業報告については平成26年度 事業報告、および平成26年度 活動計算書を参照 
戻る このページのトップへ トップページへ
市民訪問団を4月に洛陽、天津へ派遣
                   岡山市日中友好協会 会長  片 山 浩 子 
 
片 山 会 長
  本日は、ご多忙の中、多数のご来賓や、会員の皆さま方のご出席を賜り、このように盛大に定期総会・新春互礼会が開催されます事をお慶び申し上げ、心よりお礼申し上げます。

  さて、昨年は11月に北京で開催されたAPECにおきまして、日本の安倍晋三総理と中国の習近平総書記が会見し、尖閣問題以降停滞していた政府間交流再開の道が開かれました。
  これを契機に、大型の経済団体や観光促進団体が中国を訪問するなど各分野での交流が活発に展開されつつあります。

  このような中で、岡山市日中友好協会は友好都市である洛陽市との間で教育交流、文化交流、医療交流、そして緑化協力活動など多彩な交流を切れ目なく展開して参りました。
  本年は、4月に市民訪問団を結成し、洛陽市と天津市を訪問する予定です。

戦後70年事業も予定
  洛陽市とは引き続き緑化協力、医療、文化、教育分野での活動を継続し、新たに天津市との交流を展開して参りたいと思います。
  天津市とは、1984年に協会が協力して、両備グループが西大寺の范曽美術館を設立して以降、天津市の南開大学との教育文化交流が頻繁に行われてきました。
  そのことがベースとなり、今年に入って天津市も大変熱心に岡山との交流に期待を寄せておられます。会員の皆様とご一緒に実質的な交流ができれば幸いです。
  また、今年は「戦後70年」という節目の年です。日中の国交が回復されるまで、戦争状態であった日中関係から、両国の多くの方々の努力と智慧で国交が回復され、今日の日中友好関係を築くことができました。

未来を展望した交流
  私たちは、戦前の50年にわたる日中戦争の歴史を直視し、未来への友好交流を展望して活動を進めて参りたいと存じます。
  皆様のご健勝と日中友好関係が更に発展していくことを祈念いたしましてご挨拶とさせて頂きます。
 
[岡山市民友好訪問団]
  4月15日~19日。岡山空港発着。洛陽、天津泊。洛陽では植樹活動、歓迎の夕べに参加。参加者を現在募集中。

雲南地震募金に感動しました
          中華人民共和国駐大阪総領事館 副総領事 孫 忠 宝

  岡山市日中友好協会のお招きにより、ここで皆さんとお会いできたことを嬉しく思っています。
  長い間、岡山市日中友好協会の皆さまは、中国からの留学生の支援や、緑化への協力など、様々の友好交流活動を展開され、民間友好団体として貴重な努力をしてこられました。
  とりわけ昨年末には、雲南地震緊急募金として、温かい貴重な募金を総領事館まで届けて下さいました。感動致しました。

  我々人間関係というものは、こういうことですね。普段のお付き合いも大事ですが、一番困った時に助けてくれた友人の温かさ、優しさ、大事さが改めて実感され、決して忘れられません。
  人間関係と同じように国と国との関係もそうではないでしょうか。中国と日本は切っても切れない近い国です。
  両国民は顔立ちも似ていますし、仲良くすべきですけれど、残念ながら今の中日関係は厳しくなっており、決して喜ばしい事ではありません。

  しかし、今の時期だからこそ岡山市日中友好協会のような友好団体の力、大躍進がもっともっと必要ではないでしょうか。私どもはそう思っているのです。
  それだけに、片山浩子会長をトップとする岡山市日中友好協会の皆さま方には、今後とも中日友好のためにより一層ご努力頂きますようお願い申し上げたいと思います。
  一緒に頑張りましょう。本日は本当にありがとうございました。

日本の青少年を訪中させたい
           参議院議員・日中友好会館 会長 江田五月

  新春の互礼会おめでとうございます。先ほどの片山浩子会長のご挨拶の中に天津という言葉が出ておりました。私にとっては非常に懐かしい思いがあるのです。
  私の父は戦前、戦争に反対して刑務所に入れられ、出てからはツテを頼って中国に渡り、戦争中は河北省の石家庄で水利工事の手伝いをしていました。
  水利工事なら戦争が終わったら中国人民の役に立つだろうし、悪い事ではあるまいと思っていたそうです。
  戦争が終わると、石家庄から天津に出て、天津から佐世保に帰ってきた。ですから天津は私にとって懐かしい場所なのです。

  そして今、私は73歳。もう引揚げの時のことなど頭の中にほとんど残っていなくなりました。これから先、時代も変わると本当に皆あの当時のことは「忘却の彼方」ですよ。
  しかし、そうしてはいけないのです。私たちはあの長い長い歴史の一時期、国策を誤って侵略や植民地支配でたいへん迷惑をかけた。
  このことを忘れてはいけない。そういう思いで日中関係はこれからも進めて行きたいと思っています。

  日本には、日中友好協会や日中友好議員連盟、日中文化交流協会など七つの友好団体があります。その中の一つが日中友好会館です。
  私の関係している日中友好会館は、日中の青少年交流を手掛けているのです。国の予算でやっており、国全体としてはしっかり予算を付けて中国の青少年を日本に呼ぶ仕事をやっています。
  しかし、向こうからは来ていますが、一方、日本の青少年が中国へまだ行っていないのです。これをぜひやらないといけないと思っています。

  そんな中で岡山市日中友好協会が、交流事業をしっかりやってくれているのはありがたく嬉しく思っています。
  このようなことを常に思い出しながら、ぜひともこれからも日中関係を進展させていきたいのです。私も努力します。皆さんも頑張って欲しい。今年の皆さんの一層の活躍を祈っています。

 
〇岡山市長メッセージ〇
   友好交流に一層の力添えを
                         岡山市長 
大森雅夫  

  本日は、日中友好新春互礼会が盛大に開催されますことを心からお慶び申し上げます。
  岡山市日中友好協会におかれましては、昭和56年の設立以来永年にわたり岡山市の国際友好都市である洛陽市との交流や、日中両国の民間交流の推進に多大のご貢献を頂いており改めて深く敬意と感謝の意を表する次第です。

  さて、97カ国の国と地域から約3千人の方々の参加を得て昨年開催されましたESDに関するユネスコ会議におきましては、岡山モデルを世界のESD推進に活用したい、最高の運営・おもてなしだったなど、総じて高い評価を頂いたものでございます。
  会議開催に当たりましてのご列席の皆さま方のご支援、ご協力に対し厚くお礼申し上げますと共に、これからもESDが世界共通の文化として定着することを願い、持続可能な社会の実現に向けた取り組みをさらに推進してまいりたいと考えております。

  岡山市と洛陽市との間には、今年も様々な交流事業が予定されております。その中で皆さま方には今後とも、日中友好交流の良きパートナーとして、教育、文化、医療など幅広い分野にわたる交流や、多文化共生社会の実現を目指す岡山市の取り組みに一層のお力添えをお願い申し上げます。
  終わりに、岡山市日中友好協会の更なるご発展並びに、本日ご参集の皆さまのますますのご発展とご活躍を祈念申し上げます。
戻る このページのトップへ トップページへ
協会・就実大訪中団天津を訪問
    対外友好協を表敬、市内視察

          就実大は南開大と交流の覚書調印

  岡山市日中友好協会の黒住昭子副会長を団長とする協会の訪問団が、1月6日から9日まで天津市を訪問した。
  一行は黒住団長の他、就実大学から経営学部長の杉山慎策教授、江向華准教授、それに東京から参加した天津飯店の貝塚大祐氏、コンサルタント会社社長の大谷和夫氏、そして協会の松井三平理事事務局長の計6人。

  天津では、今回の訪問の大きな目的であった就実大学経営学部と南開大学外国語学院との交流協定覚書調印、それに当協会として天津市人民対外友好協会を訪問して今後の岡山との交流を確認し合うことなど、重要な意味があった。

  一行は、市内の地域老人ホームの訪問や、都市計画館の見学、市内視察などを通じて今日の天津市に対する理解を深めた。
  特に、1980年代に協会が両備グループ(当時)と協力し設立した范曾美術館開設を契機として、南開大学との交流が頻繁に行われていたことを天津市側がよく知っており、岡山との交流再開を意義あるものとして評価していたのが印象的だった。
                             
  また、今春には改築中の南開大学東方芸術学部の建物が完成し、その中に范曾画伯の作品展示がなされる予定で、北京から范曾氏自身も参加するとの消息が伝えられた。
  今後の天津市との新たな交流の展開に期待が集まる訪問だった。
天津市人民対外友好協会で会談する
田貴明常務副会長(右)と黒住副会長
就実大と南開大との覚書署名
范曽美術館を王社長ら訪問
        収集作品の多さにびっくり

王 誠氏(左)と長男の貝塚大祐氏
=范曽美術館前で= 
  范曾画伯の美術と以前から関係の深い、東京の中華料理店天津飯店の王誠社長と長男の貝塚大祐さんが来岡、2月21日、岡山市西大寺の范曾美術館を訪れた。
  美術館では小嶋ひろみ館長代理が応対し、祖父にあたる松田基氏の范曽画への想いなどを説明した。

  王社長は、范曽作品が100点近くもあるのは世界中にもないと驚き、1年に3日だけの開館はもったいないのでできる限り多く披露してもらいたいと要望した。

  王社長の父、王克昌氏は1億円の私財を天津・南開大学に寄贈し教育基金会を設立し、范曽氏を支援していた。范曽画を通じた新たな交流が始まっている。

日中医療交流委
    洛陽医療視察団の年度内受入を決定

  当協会の日中医療交流委員会(委員長・土井章弘協会副会長)役員会が、2月17日、岡山市内のレストランで開かれた。当日は、役員ら8人が集まり、本年の活動方針などを協議した。

  当面する活動として、4月の洛陽市、天津市への市民訪問団参加と、洛陽市で河南科技大学附属第四医院及び中医医院を訪問。そして、本年度中に洛陽市からの要請に基づき医療関係者40人の視察団を受け入れることを決めた。

  また、新たに天津市との医療交流の可能性について調査することとした。
  会議には土井委員長の他、県精神科医療センターの中島豊爾理事長、協会から黒住昭子副会長らが参加した。

会員消息
【入会者】
  杉山 慎策さん(岡山市)
  貝塚 大祐さん(東京都) 

活動日誌
 1/ 6…岡山市日中友好協会天津市訪問団(~1/9)
 1/ 8…三誌友の会例会
 1/22…理事会・新年会
 2/ 7…平成27年度協会総会・互礼会(全日空ホテル「宙」)
 2/ 8…瀬戸内日中友好卓球交流会総会・懇親会(サンピーチ)
 2/15…岡山県日中教育交流発表会(県生涯学習センター)
 2/16…日中緑化交流基金事務局担当者会議(東京、砂防会館)
 2/17…仮認定NPO法人に向けた調査(協会)

先憂後楽
  范曽先生がご健在!。今年1月に天津市を訪問した時、歓迎宴会の席上で南開大学国際学術交流処の高海燕処長が明らかにした。驚いたと同時に30年前の光景がフラッシュバックしてきた。

  岡山に范曽美術館を創ると決意されたのは当時、両備バス社長の松田基氏だった。協会は、準備段階から協力した。赤木五郎会長名で両備檉園記念財団(当時)松田理事長あてに范曽美術館設立要望書を提出。松田理事長から赤木会長に応諾の回答書が送られ協会に残されている。その内容は、松田氏の范曽芸術に対する深い理解と恋心にも似た熱い情愛に満ちている。

  その強い想いが、さまざまな困難な局面を乗り越え、設立までこぎつけた原動力になった。数量と質の高さの面で范曽コレクションがこれほど集中しているのは中国にもないのではないか。

  ただ、現在この美術館は西大寺会陽の時期に3日間だけ開いている。さまざまな事由があると思われるが、范曽絵画を通じて、中国の歴史や詩、書、画の三絶の中国書画を理解するなど教育的効果や日中相互理解に大いに役立つはずだ。是非とも公開の機会を増やしてもらいたいと願っている。 (松)

2015年度(平成27年度)特定非営利活動法人
           岡山市日中友好協会 役員一覧表 (順不同、敬称略) 
役  職  氏   名  所     属   
顧  問   伊原木 隆 太   岡山県知事   
〃   大 森 雅 夫   岡山市長   
〃   森 田   潔   岡山大学長   
〃   江 草 安 彦   旭川荘名誉理事長 上海市栄誉市民   
会  長   片 山 浩 子   岡山外語学院学院長   
副 会 長   近 藤 弦之介   太陽綜合法律事務所代表弁護士   
〃   永 山 久 人   下津井電鉄代表取締役   
〃   土 井 章 弘   岡山旭東病院院長   
〃   黒 住 昭 子   中国人留学生支援センター代表   
〃   宮 本 光 研   長泉寺名誉住職 
 専 務 理 事   松 井 三 平   アジア・コミュニケーションズ代表取締役  新 
理  事   赤 木 宣 雄   元 岡山市少林寺拳法連盟理事長   
〃   天 野 勝 昭   元 岡山市副市長   
〃   佐 藤 芳 郎   佐藤芳郎公認会計士事務所所長   
 牛 田 和 子   活性化委   
 高 木 文 彦   高木会長   
 山 本 直 樹   広報委員会   
〃   荒 木 敏 雄   日中緑化交流担当   
〃   猪 木 正 実   広報委員会   
〃   岡 﨑   登   岡山全日空ホテル 取締役   
監  事   高 淵 宣 雄   ビジョン経営代表   
〃   室 賀 康 史   室賀ネジ機工代表取締役   
参  与   江 田 五 月   参議院議員、日中友好会館会長   
〃   逢 沢 一 郎   衆議院議員   
〃   山 下 貴 司   衆議院議員   
 津 村 啓 介   衆議院議員   
〃   小 田 圭 一   岡山県議会議長   
〃   則 武 宣 弘   岡山市議会議長   
〃   髙 木 晶 悟   トマト銀行社長   
〃   黒 瀬 定 生   岡山県日中懇話会会長   
〃   岡 本   啓   岡山県日中教育交流協議会会長   
〃   野 津   喬   岡山市国際交流協議会会長   
〃   加 計 孝太郎   岡山理科大学総長・加計学園理事長   
〃   井 尻 昭 夫   岡山商科大学学長   
〃   楠 木 忠 司   岡山市洛陽市友好都市議員連盟顧問   
〃   磯 野 昌 郎   岡山市洛陽市友好都市議員連盟会長   
〃   岩 本 一 壽   岡山県済生会支部長・常務理事   
〃   越 宗 孝 昌   山陽新聞社代表取締役会長   
〃   中 島   博   ナカシマホールディングス代表取締役会長   
〃   貝 畑 雅 二   貝畑学園理事長   
〃   漆 間 宣 隆   岡山県日中仏教文化交流会会長   
〃   村 上   尚   瀬戸内日中友好卓球交流会会長  新 
※顧問及び参与は会長の委嘱による



「岡山と中国」ご希望の方にはご郵送いたします。  
また、ご入会いただくと、毎月お手元へお届けいたします。入会案内をご覧ください。


戻る   このページのトップへ トップページへ