日中平和友好条約締結40th
2018年2月
平成30年2月
  249号

発行人 片山浩子
編集人 松井三平

  2018年
  定期総会

日中平和友好条約締結40周年
友好都市、青少年交流の強化を
 
片山浩子 氏 李天然 氏   大森雅夫 氏  逢沢一郎 氏 江田五月 氏   毛 丹青 氏

 認定NPO法人岡山市日中友好協会(片山浩子会長)は、2月10日、JR岡山駅西口のANAクラウンプラザホテル岡山で、2018年度(平成30年度)定期総会と、日中平和友好条約締結40周年記念講演会、引き続き新春互礼会を開いた。総会では、前年度の事業報告書、活動計算書を承認、新年度の事業計画書案と活動予算書案を審議の上承認、一部定款変更案も了承した。記念講演では、作家で神戸国際大学教授の毛丹青氏が「越境する日本文化と中国の若者たち」について熱弁を振るった。
 

2018年度定期総会(議長・高木文彦理事、司会・荒木敏雄理事)
  定期総会は、午前9時半から荒木敏雄理事の司会で開会、片山会長の挨拶の後、議長に高木文彦理事を選出して進行した。

 片山会長は「昨年は日中国交正常化45周年という記念すべき年でした。この中で洛陽市への市民訪問団派遣、中国語センターリニューアルなど様々な活動を通じて中国を知り知らせる活動を展開してきました。今年も日中平和友好条約締結40周年という節目の年として活発に活動を展開していきたい」と決意を述べた。

  議事では、2017年度事業報告書と活動計算書について松井三平専務理事が説明、監査報告を室賀康史監事が行い、審議の上、承認した。
  引き続き2018年度事業計画案及び活動予算書案について松井専務理事が提案理由を説明、審議の結果、原案通り決定した。
  定款変更については、協会の決算に係わる公告の仕方について、従来の掲示板、官報に加えて、「この法人のホームページに掲載」を追加するもの。提案通り承認された。

  事業報告では、日中関係は全体としては盛り上がりを欠いた一年だったとしながらも、秋口から年末にかけて好転の兆しが見えてきたと分析。
  この中で積極的に交流活動や記念行事と取り組んだとしている。洛陽市との交流では市民友好訪中団の派遣や中国語講師の招請などを実施。
  洛陽孟津県での緑化支援事業は継続して実施、環境保護事業として高く評価されている。
  その他、都市間交流としては、天津市や上海市の関係者と、訪日団の受け入れ等を通じての交流を進めている。

  また、昨年度は日中相互理解を促進するための事業として、満蒙開拓平和記念館への研修旅行や、中国残留孤児問題を扱ったテレビドキュメンタリーの上映会を実施。
  悲願ともなっていた認定NPO法人の認証も9月に得、組織活性化への新たな道筋とした。
地域活性化と結びつく活動を 

 新年度の事業としては、①日中平和友好条約締結40周年記念活動の展開、②友好交流都市との交流強化、③医療福祉交流の強化、④地域活性化と結びつける活動の展開、⑤青少年交流の強化、⑥認定NPO法人取得の広報とそれを組織強化に結びつける活動を、重点目標として掲げている。
  具体的にみると、友好都市との交流では4月に洛陽市に岡山市民友好訪問団を派遣する。牡丹祭などの各種イベントに参加、孟津県での緑化(植樹)にも加わる。
  天津市とは、医療福祉交流団の招請や女性同士の交流と取り組む。上海市とも青少年交流や文化・福祉交流を進める。
  従来から取り組んでいる医療交流も、一歩進めて医療機関同士、医療関係者同士など交流内容を深めていく。
  各種団体が取り組んでいる日中交流に対する支援・協力も強化する。県日中教育交流協議会が高校生を対象に実施している青年交流事業、それに瀬戸内日中友好卓球交流会の青島卓球交流事業など、支援していく。
  また、中国語センターに関しては、リニューアル2年目に入ることから、中国語会話教室・講座を充実、中国派遣中国語研修、通訳翻訳サービスなども拡充していく方針。
  全体的には、日中新時代に対応すべく体制を強化、若年層が参加できる組織づくり、積極的に参加してくれるような活動と取り組んでいくことにしている。
賑わった2018年度新春互礼会

新春互礼会で交流
総領事ら囲み歓談

  日中友好新春互礼会は、正午から中国駐大阪総領事館の李天然総領事を始め各界来賓、それに在岡中国人留学生らも参加し賑やかに開かれた。
  片山浩子会長の歓迎の挨拶に引き続き、李天然総領事、大森雅夫岡山市長、江田五月日中友好会館会長、逢沢一郎衆院議員等がスピーチ。
  旭川荘の末光茂理事長の発声で乾杯、懇談した。
  会場では、県中国留学生学友会の紹介や、抽選会、バザーなども行われ、賑やかな声が溢れていた。

毛丹青氏記念講演 会員ら熱心に聴講
  記念講演会は、午前10時半から行われた。会場には、協会会員ら約200人が詰めかけ、熱心に毛丹青氏(作家、神戸国際大学教授)の話しに聞き入っていた。
日中平和友好条約締結40周年記念講演会
(講師・毛 丹青 神戸国際大学教授)
  講演では、まず「私は文化を通じて日本と中国の間を如何にして強いものにしようかとずっと考えてきた」とした上で、中国や日本の若者たちの考え方や行動パターン、そして、今後の傾向などについて話した。
  ソーシャルメディアの発達により「全世界そうなのだが、特に中国の場合、若者たちが日本に対する認識を激変させようとしている」と分析。
  中国の若者たちにとって、日本文化の影響は圧倒的に強いと感じているとも。
  作家としてのコンセプトについては「我々は日本にいるからこそ日本人と同じ空気の中で、同じ目線でもっともっと知ろうとする。外からの目線だけでなく内なるものを汲み上げていく」と強調。 (講演内容については、次号に要旨を掲載予定)
 
2018年度(平成30年度) 事業計画 
  今年度の事業計画については平成30年度 事業計画書、および平成30年度 活動予算書を参照 
2017年度(平成29年度) 事業報告 
  昨年度の事業報告については平成29年度 事業報告、および平成29年度 活動計算書を参照 
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《西日本地区日中友好交流大会》
     二階氏 程大使ら出席

                  400人参加し交流の拡大を訴え

  日中平和友好条約締結40周年を記念した西日本地区日中友好協会と中国駐大阪総領事館共催による、第2回西日本地区日中友好交流大会が、2月23日、大阪のホテルニューオオタニ大阪で盛大に開かれた。

  大会には、近畿地区を中心に西日本各地からの日中友好団体や華僑華人総会などから総勢約400人が集まり盛大に開催された。
  当協会からは片山浩子会長、宮本光研副会長、松井三平専務理事が参加した。

  まず大阪府日中友好協会の梶本徳彦会長、続いて李天然大阪総領事、日本政府代表の石川和秀特命全権大使がそれぞれ代表挨拶。自由民主党幹事長の二階俊博氏、中国特命全権大使の程永華氏が基調講演を行った。
  二階氏は「日中共創」という考えで日中が未来を切り開き、世界平和に貢献すべきと訴えた。程大使は、日中平和友好条約40周年というチャンスを活かし各地での交流拡大を呼びかけた。
中国語センター
        4月改編し内容を充実、発音集中講座も

  昨年四月にリニューアルされた岡山中国語センターの中国語講座がまもなく一周年を迎える。センターではこれを機にさらに内容を充実、受講生に対応する。
  「入門」「初中級」として始まったクラスは、学習の進展に合わせてそれぞれ「初中級」「作文」クラスに変更。4月からは新たな「入門クラス」を火曜日午後に設ける。

  今年度後期からの「中国語発音クラス」は、レギュラーのクラスで行う発音訓練よりもさらに理解を深めるためのもので、平日午後にもかかわらず多くの受講者が熱心に学んでいる。
  また、20年近くぶりの再開となる「広東語入門クラス」も発音や文法理解を着実に積み重ねていく形で進んでいる。香港からの観光客数の増加で岡山でも将来さらなる需要が見込まれる広東語の習得に励んでいる。12月には発音強化を目的とした合宿も開催し、好評を得た。

  新年度からレギュラーのクラスでは、道上センター長が翻訳と監修を務めたHSK受験対策用の公式テキストを採用して、進学やビジネスなども視野に入れた、より実用的な中国語の運用力の獲得を目指す。
  新年度開始時期に合わせて発音集中講座や、広東語体験講座なども企画している。
  各講座の詳細については協会ホームページやフェイスブックのセンターのページなどを参照されたい。
 
日中緑化交流基金助成事業
     国際連帯事業に変更継続か                     

  平成29年度、日中緑化交流基金助成事業実施担当者打合せ会議が、2月19日、東京・砂防会館別館で開かれた。
  会議には、助成を受け、中国各地で植林事業を展開している団体の内24団体の実務担当者が集まった。当協会からは松井専務理事が参加した。

実施担当者の打合せ会議
  冒頭、緑化交流基金の梶谷辰治理事長が挨拶。平成12年より百億円の資金で始まった緑化交流事業は、今年6月末には3億円の残高になる見通しであり、事業の継続は難しいと語り、現在の助成事業については新規事業は採択せず、継続事業のみ受け付けると話した。
  今後の政府による追加的資金については、外務省の所管で新たに日中植林植樹国際連帯事業という形で行なわれる予定であるが、具体的な方針については、まだ明らかにされていないということだった。

  岡山市日中友好協会ではこの助成事業で、洛陽孟津県の黄河沿いの植林事業を本年度を含めて12年にわたり実施してきた。
  この助成事業は中国の植林事業を促進し、大きな貢献をしたばかりでなく、日中友好の具体的な目に見える活動として両国政府から大きな評価を得ている。
  岡山市と洛陽市の友好都市交流についても、友好都市凍結という時にも植林事業は継続し、凍結解除、友好継続に大きな役割を果たしてきた。

  本年度の助成は既に始まっており、来年の事業終結までカウンターパートである洛陽市人民対外友好協会及び孟津県林業局、そして地元農民の方々と力を合わせ、百年の大計をしっかり見守っていきたい。
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◎瀬戸内日中友好卓球交流会◎
  3月に青島へ訪問団派遣

 瀬戸内日中友好卓球交流会(村上尚会長)は、1月28日、定期総会・理事会を開き、第3回目となる卓球交流訪問団の青島派遣を、3月26日から1週間の日程で行うことを決定した。
  交流会が、青島市卓球運動協会と卓球交流の相互訪問を開始して今年で5周年。この節目の年を迎え、当交流会ではこれまでの青少年(主として小・中学生)の卓球交流に加えて、今回初めて中高年の訪問団派遣を併せて決め、準備に入った。

  青島市卓球運動協会との協定書の中には、もともと中高年の卓球交流も含まれていたが、まず、青少年交流を軌道に乗せることを優先してきた。
  昨年3月に実施した当地での卓球交流で、訪問団を率いて来日した青島市体育局、趙秀雲副局長が、当交流会特別顧問で元卓球世界チャンピオンの松﨑キミ代さんや深津尚子さん(いずれも旧姓)はじめ中高年の卓球愛好者との交流を強く希望したことから、5周年記念行事として実施を検討していたもの。
  但し、期間は3月27日から三泊四日で、卓球交流だけでなく観光やショッピングの時間も十分取るなど、無理のないスケジュールとしている。
前回の訪問時の日中子供たちの交流風景

  当交流会では現在、派遣する小・中学生選手の選抜や、随行コーチの選任、それに中高年卓球愛好者の募集を行っている。
  これまで青島に派遣された選手は、卓球交流はもちろんのこと、言葉や文化・生活習慣の違いなども経験し、逞しく成長して帰って来ており、その後、全国大会などで活躍する選手も多く輩出してきている。
      (事務局 国定 剛・記) 前回の訪問時の日中子供たちの交流風景
活動日誌 
 1/17…中国語センター運営会議(協会)
 1/24…理事会開催
 1/28…瀬戸内日中友好卓球交流会総会・理事会(サンピーチ岡山)
 2/10…協会総会・講演会・互礼会(ANAクラウンプラザホテル岡山)
 2/11…日中教育交流報告会(生涯学習センタ―)
 2/19…日中緑化交流基金事務担当者会議(東京・砂防会館)
 2/23…西日本地区日中友好交流会議(大阪・ホテルニューオオタニ)
 2/28…会報「岡山と中国」発送(協会)
先憂後楽

  本年は日中平和友好条約締結40周年を迎える。1972年の日中共同声明締結後6年の間、覇権条項などの条文をめぐり両国政府が創意工夫と努力をし、まとめ上げていった。一方、友好団体等による締結促進の国民運動が盛り上がり後押しした。

  締結後、堰を切ったように全国の地方都市が中国各都市との友好都市締結を展開し、市民同士の交流の大きな流れが出来た。岡山市と洛陽市が友好都市を締結したのもこの友好ムードの中で実現した。官の動きと呼応して、当協会は、設立準備会が組織され、市民運動を担う組織として1981年の設立へと進んでいった。

  40年を経て、中国の世界に占めるプレゼンスは飛躍的に拡大した。その中で、民間交流はどのように活動を提案し、市民運動として展開していくかが問われている。

  毛丹青先生が講演の中で特に強調されていたのが「知の格差」だった。中国の若者たちが日本への関心を示し、『知日』や『在日本』などの雑誌、また訪日旅行増加により、日本理解が進んでいる。片や、日本の若者たちはどうか?留学だけでなく外国へ行こう、理解しようとする若者は増えているか?この「知の格差」を少なくする活動こそ求められている。岡山の地で若者たちの相互理解を深める活動を実践していきたい。  (松)



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