2021協会設立40周年へ
2020年2月
令和2年2月
  261号

発行人 片山浩子
編集人 松井三平

 2020年度定期総会
 日中新時代に向けて活動を強化
 新会長に 土井章弘氏 就任     

         (協会副会長
 岡山旭東病院長)
   
2020年度 定期総会

新型肺炎対策で緊急募金を実施

  認定NPO法人岡山市日中友好協会(片山浩子会長)は、2月15日、岡山市北区のANAクラウンプラザホテル岡山で、2020年度(令和2年度)定期総会と新春互礼会、記念講演会を開いた。役員改選では、新会長に、土井章弘副会長が就任。日中新時代の〝土井丸〟がスタートした。(関連記事2、3、4面)

  総会は午前9時半に開会、荒木敏雄理事を議長に選出、議案説明には松井三平専務理事が当たった。
  提出された議案は、先ず前年度の事業報告書と活動計算書で、いずれも原案通り承認。定款変更も了承された。
がっちりと握手する新前会長。片山氏(左)と土井氏
  役員改選では、片山浩子会長が退任、土井章弘副会長が新会長に選任された。副会長(理事)には参与だった森田潔氏が、理事には横溝政資氏がそれぞれ新たに加わった。

  片山氏は、協会設立30周年に当たる2011年(平成23年)2月、第5代目の会長に就任。以降5期10年にわたって会長を務めてきた。
  この間ほぼ毎年洛陽市を訪問するなど友好交流に貢献した。退任後は相談役として引き続き協会を支える。   土井新会長は、1939年(昭和14年)生まれで80歳。岡山市出身で鳥取大学医学部卒、岡山旭東病院院長。協会では片山会長誕生時から副会長を務めていた。

  新年度関連の議案では、事業計画書案、活動予算書案が提案され、審議の上、原案通り承認された。
  記念講演は相澤病院最高経営責任者で松本日中友好協会会長の相澤孝夫氏が話した。
  日中友好新春互礼会は、正午から行なわれた。会員や来賓、友好団体関係者、それに中国からの留学生らも含めて賑やかに懇談した。

  新年度の活動方針については、突然の新型肺炎発生問題を受けて急遽募金活動を実施するなど対応に入っている。
  重点項目は、来年に迫った協会設立40周年記念事業への取り組み、日中医療福祉交流の推進、協会組織の強化、友好交流都市との交流など。

  日中新時代に向けての新しい対応や、友好活動の充実強化が盛り込まれている。  詳細は、事業計画書、活動予算書(別表)に掲載。
 
 ご挨拶
   人と人の交流通じ心に友好の火を
                                    会 長  土 井 章 弘

  2020年度岡山市日中友好協会の定期総会において、片山浩子会長から次期会長のバトンを受け取りました。
  1981年赤木五郎初代会長の設立宣言に始まり、多くの方々の努力によって友好の実績を積み、来年2021年には、岡山市と洛陽市との友好都市縁組締結と同じく40周年の節目を迎えます。
  戦後各地に設立された友好協会は、会員の高齢化、若い会員の減少など交流の在り方が課題となっています。

  中国とは、2千年以上にわたる交流があり、制度・文化・芸術など多くの分野で学び、日本文化を育んできました。
  岡山には、吉備真備を始め、栄西禅師・犬養木堂・内山完造・岡崎嘉平太氏ら多くの先人が日中友好の種まきをしてくださいました。

  時代を見据えて、医療福祉・教育(共育)・文化・芸術・スポーツなどを通じて次代を担う若者の心に友好の火を灯していきたいと思います。
  多くの市民皆様方のご支援とご協力をお願いいたします。
 
中国加油」 「山川異域 風月同天」
   洛陽へ岡山市と共にマスク発送
          洛陽では大きな反響、新聞やTV、感謝状も

  中国・武漢市で発生し、中国各地や世界に感染が広がっている新型肺炎対策支援として、岡山市日中友好協会では、募金活動を実施すると共に、岡山市と協力し、岡山市の友好都市・洛陽市にマスクなどの支援物資を贈った。

  当協会では、会員に対し募金を呼びかけ、集まった浄財約30万円の中からマスクを購入。時を同じくして、岡山市は2万枚の備蓄マスクを洛陽市へ送ることを決定。当協会の募金で購入した2千枚と合わせて洛陽市へ空輸する事となった。
  マスクは、2月8日に関西空港から発送され、9日に洛陽市に到着。同市では11日にはすべて配布し終えたという。
  洛陽市では、地元紙の「洛陽晩報」や「洛陽日報」に取り上げられ大きな反響を呼んだ。当協会には、洛陽市から感謝状が届いている。
    マスク発送作業(2月6日)                         鄭州空港に届いたマスク(2月9日) 
  

  一方、今回の支援活動については、中国人留学生との連携も行なわれた。同時期に、岡山県中国人留学生学友会(王武会長)から協力の相談が寄せられ、それぞれの立場で協力し募金活動を実施。
  加えて高知大学の留学生学友会も募金活動をし、両学友会で約20万円が集まり、マスクを仕入れて武漢市の病院へ送ることにしている。当協会はその活動を支援している。

戻る このページのトップへ トップページへ

記 念 講 演 会
  
長野・松本市 相澤病院
   松本日中友好協会

             
相澤孝夫語る
   
「あきらめず少しずつ、認めあい、 許容しつつ友情を育てて−」

  今年の記念講演は、長野県松本市の相澤病院最高経営責任者で、松本日中友好協会会長でもある相澤孝夫氏。
  相澤氏は、病院経営・地域医療の改革者として高く評価されており、同時に女子スピードスケート金メダリスト・小平奈緒選手を抱え、地元アスリートの育成・支援に尽力している。

  テーマは「相澤病院が推進する中国との医療交流と、松本日中友好協会の活動について」。目先の利益を越えた国際友好、地域振興などについて熱く語った。
  先ず、中国との病院交流について最初は「混沌としたなかでやって来た」と振り返る。考え方や習慣の違いがあり「試行錯誤の繰り返しで、1、2年ではどうにもならない」と苦労話も。
 
  「一番の注意点はしっかりとした契約書を作り一人ひとり対応すること。生活習慣が全く違うのですから一つ一つ教えること。いい加減にするとトラブル。挙げ句の果てに〝中国人はケシカラン〟となる。それはあなたの方が悪い。日本という国が本当にグローバル化するのだったら、大事なことですよ」。

  今後の友好運動については「あきらめずに少しずつお互いの良いところを認めあいながら、違うところも許容しつつ友情を育て、世界の平和を創るように訴えていきたい」ときっぱり。 (講演内容については、今後の会報で紹介します)
 

森田潔氏が副会長に
片山前会長は相談役

左から森田、土井、片山、横溝の各氏
  役員改選に伴う新体制は、土井章弘会長のもとに、新たに森田潔氏(岡山大学前学長)が副会長に就任、横溝政資氏(イタヤコーポレーション取締役)が理事に加わった。

  前会長の片山浩子氏は相談役として協会を支える。会長委嘱による参与も、所属の役職変更に伴って交代が出ている。
(顧問、参与、相談役を含む役員名簿は下記別表の通り)

2020年度(令和2年度)   
    
岡山市日中友好協会 役員一覧表
                                                 (順不同、敬称略)
  役 職      氏   名         所     属         
  顧  問    伊原木 隆 太      岡山県知事             
   〃    大 森 雅 夫   岡山市長  
   〃     槇 野 博 史   岡山大学長   
  相談役    片 山 浩 子   岡山外語学院理事長  新 
  会  長   土 井 章 弘   岡山旭東病院院長  新
  副会長   宮 本 光 研   長泉寺名誉住職  
   〃    永 山 久 人   下津井電鉄代表取締役  
   〃    黒 住 昭 子   黒住教婦人会長  
   〃    森 田   潔    岡山大学名誉教授、上海交通大学客員教授  新 
 専務理事    松 井 三 平   アジア・コミュニケーションズ代表取締役  
  理 事   佐 藤 芳 郎   佐藤芳郎公認会計士事務所所長  
   〃   牛 田 和 子   広報委員会  
   〃    山 本 直 樹   広報委員会  
   〃    荒 木 敏 雄   事業担当  
   〃    猪 木 正 実   広報委員会  
   〃    岡 﨑   登   ANAクラウンプラザホテル岡山取締役  
   〃    塚 村 淑 子   塚村造園土木取締役  
   〃    岡 﨑 郁 子   吉備国際大学特任教授  
   〃    星 野 耕 平   青年部代表  
   〃     横 溝 政 資   イタヤコーポレーション取締役  新
  監 事   高 渕 宣 雄   ビジョン経営研究所所長  
   〃    室 賀 康 史   室賀ネジ機工代表取締役  
  参 与   江 田 五 月   日中友好会館顧問  
   〃    逢 沢 一 郎   衆議院議員  
   〃    山 下 貴 司   衆議院議員  
   〃    津 村 啓 介   衆議院議員  
   〃    蓮 岡 靖 之   岡山県議会議長  新
   〃    浦 上 雅 彦   岡山市議会議長  新 
   〃    楠 木 忠 司   岡山市洛陽市友好都市議員連盟顧問  
   〃    田 尻 祐 二   岡山市洛陽市友好都市議員連盟会長  新
   〃    磯 野 昌 郎   元岡山市洛陽市友好都市議員連盟会長  新 
   〃    松 田   久   岡山市国際交流協議会会長  
    竹 井 千 庫   岡山県日中懇話会会長  新
    岡 本   啓   岡山県日中教育交流協議会会長  
    漆 間 宣 隆   岡山県宗教者の会会長  
   〃    加 計 孝太郎   加計学園理事長・岡山理科大学総長  
   〃    井 尻 昭 夫   岡山商科大学学長  
   〃   貝 畑 雅 二   貝畑学園理事長  
   〃    岩 本 一 壽   岡山県済生会・支部業務担当理事・常務理事  
    末 光   茂   旭川荘理事長  
   〃    越 宗 孝 昌   山陽新聞社取締役会長   
   〃    中 島   博   ナカシマホールディングス代表取締役会長  
   〃    安 場 直 樹   林原 代表取締役社長  新
   〃    髙 木 晶 悟   トマト銀行取締役社長  
   〃    桑 田   茂   RSK山陽放送代表取締役社長  新
   〃    土 井 雅 人   テレビせとうち代表取締役社長  新
※顧問、相談役及び参与は会長の委嘱による                           

令和2年度(2020年度) 事業計画 
  今年度の事業計画については令和2年度 事業計画書、および令和2年度 活動予算書を参照 
令和元年度(2019年度) 事業報告 
  昨年度の事業報告については令和元年度 事業報告書、および令和元年度 活動計算書を参照 
戻る このページのトップへ トップページへ

  日中 2020 友好
                新春互礼会  
                           来賓交えなごやかに懇談
 土井章弘新会長は決意表明   「もっともっと交流していきたい」

森田潔副会長が乾杯の発声

  恒例の新春互礼会は、同日正午から開かれた。
  会場には、会員をはじめ来賓として、衆議院議員の逢沢一郎、山下貴司の両氏、日中友好会館顧問の江田五月氏、岡山市長の大森雅夫氏らが出席。県中国留学生学友会の留学生も招かれた。

  土井章弘会長が「相澤孝夫先生の講演でも人と人との交流がどんなに大切かを知らされた。これからももっと交流していかなければならない」と挨拶。森田潔副会長の発声で乾杯。賑やかに懇談した。
   
  最後を締めたのは、宮本光研副会長。相澤氏と同じ長野県出身の小説家・浅原鏡村の作詩した童謡「てるてる坊主」の歌を唄って歓待。
  3番の歌詞にある〝それでも曇って泣いてたら そなたの首をチョンと切るぞ〟と唄い「童謡は時に残酷だ」と皆をビックリさせて閉会。

 〝中国加油〟で日中心を繋いで
                       衆議院議員  山下貴司 氏

  日本の多文化共生社会の実現に向けて取り組んでいます。先日、中国文化センターに行き書道展を鑑賞しました。
  そこで一筆書いてと言われ〝中国加油〟と書きました。するとセンター長は「こういうことこそ嬉しい」と涙ぐんで感激するんです。一人ひとりができることはたくさんあります。今こそ中国と心を繋いでやりたいと思います。

 こんな時こそ日中友好が大事
                 日中友好会館顧問  江田五月 氏

  日中友好会館の会長職は数年前に引いたのですが、後任が決まらず、未だに顧問の立場で〝会長役〟を務めています。
  新型ウイルス問題は国際社会の共同の取り組みで早く押さえ込んでいかないといけません。そのためにも、こういう時こそ中国及び中国の人々との友好が大事になってくるのです。頑張りましょう。

 今後も中国との関係〝親密〟に
                       岡山市長  大森雅夫 氏

 今回の新型ウイルスの問題についても、ひと(相手)の事を考えて行動するということが、全ての基本にあるのだなと思っています。
 日中はお互い〝引っ越せない〟関係です。仲良くしていかなければならないのです。岡山市も従前からもそうですが、これからも中国との関係を親密にやっていきたいと考えています。


今こそ日中間の協力が大切だ
                       衆議院議員  逢沢一郎 氏 

  新型ウイルス問題で緊張感が漂っていますが、これも早く収束させて、東京オリンピックの大成功に向いたい。2年後には北京冬季オリンピックも控えている。日中間の協力は大切であると思います。
  2020年代、令和新時代の日中協力で平和で豊かなアジアを築くべく、オリンピックを成功に導くように皆さん共々頑張っていきたい。
 

日中教育交流報告会
               参加した生徒が発表

  岡山県日中教育交流協議会(会長・岡本啓おかやま希望学園学園長)主催による「日中教育交流報告会」が、2月8日午後1時半から、岡山市の岡山県生涯学習センターで開かれた。
  報告会には、2019年度に行なわれた日中教育交流事業に参加した高校生10人や引率教諭らが参加した。
熱心に聞く生徒ら

  報告したのは、同協議会が毎年実施している「STUDENT EXCHANGE」事業に参加した6人と、岡山県高等学校文化連盟(会長・前川隆弘岡山城東高校校長)が主催した「国際文化交流事業」に参加した岡山県立玉島商業高校の生徒4人。

  EXCHANGE事業に参加した岡山作陽高校の奥玲香さんは、食文化や服装に興味を持ち、細かく観察したことを報告。

 国際文化交流に参加した玉島商業高校の生徒は、玉島に迎えた時のことと、上海を訪問した時のことを交互に発表した。
 

活動日誌 
1/11…NPO国際協力研究所・岡山青少年交流促進訪中団反省会(錦亭)
1/17…総会準備理事会(事務局)
2/ 6…洛陽市へマスク輸送発送作業(市内2か所)
2/ 9…寄贈マスク、鄭州経由で洛陽へ到達
2/ 9…瀬戸内日中友好卓球交流会総会(サンビーチ岡山)
2/14…相澤孝夫先生を囲む会(ANAクラウンホテル)
2/15…協会定期総会・講演会・互礼会開催(ANAクラウンホテル「曲水」)
会員消息 
【入会者】  
 竹島 潤(岡山市)
 オージー技研株式会社
 宮下酒造株式会社
 公益財団法人操風会 岡山
 旭東病院 
先憂後楽
  毎年、年末から新年にかけての一番の活動目標は、何といっても30年間にわたって春節の時期に行ってきた総会と互礼会、そして記念講演会だ。今回は、会長の交代という大きな案件もあったが、長野県の相澤病院の相澤孝夫先生をお招きしての講演会を成功させることが大きなミッションだった。.

  相澤病院に所属する平昌オリンピックの金メダリスト小平奈緒選手はアスリートとしても、人間性も高く評価されている。また、1月20日からテレビ放映されている「病院を治す」というドラマの舞台となったのが相澤病院だという事を知り、チケット販売に力が入った。

  そんな折、武漢発の新型ウイルスによる肺炎感染の広がりが世界を震撼させた。急遽マスクを送るための募金活動を始めた。岡山市も友好都市・洛陽市へ贈ることが決まり、歩調を合わせて実施した。発送作業をした2月6日の岡山での報道も大きかったが、洛陽市でも地元テレビや洛陽晩報・日報、そしてSNSで大きく紹介され反響を呼んだ。

  募金は2月末まで続け、留学生学友会と協力して武漢市へのマスク送付にも充てる予定だ。必要とされる医療防具は膨大な量だ。我々が出来ることは微々たるものだが、支援の気持ちを伝え一日も早い終息のエールを送り続けたい。

  2月15日に開催された当協会の総会、講演会、そして互礼会は、会員や多くの方々の支援を得て成功裏に終わり、今年の協会の活動に大きなエネルギーとなった。相澤先生が会長をしておられる松本日中友好協会との交流も楽しみだ。

  新型肺炎が終息し、日中交流活動が一日も早く再開することを祈りながら、解禁になったその日からフル活動できるように今できることを頑張りたい。   (松)



「岡山と中国」ご希望の方にはご郵送いたします。  
また、ご入会いただくと、毎月お手元へお届けいたします。入会案内をご覧ください。


戻る   このページのトップへ トップページへ