設立40周年
2021年3月
令和3年3月
  267号

発行人 土井章弘
編集人 松井三平

 
2021年度定期総会
 日中友好のプラットフォームを
 創造し続けよう!市民みんなで
  
先人が築いた友好の伝統を次世代に
土井章弘会長

  認定NPO法人岡山市日中友好協会(土井章弘会長)は、2月27日、岡山市北区奉還町2丁目の岡山国際交流センター国際会議場で、2021年度(令和3年度)定期総会と記念講演会を開いた。総会では、前年度の事業報告書、活動計算書を承認、新年度の事業計画書案、活動予算書案を審議の上、原案通り決定した。役員改選も全員再選した。記念講演では、福武財団理事長の福武總一郎氏が「アートによる過疎地域の再生」についてニュージーランドからオンラインで熱く語りかけた。
 
  総会は、午後0時20分から同会議場で開会、岡﨑登理事の司会で進行、荒木敏雄理事を議長に、松井三平専務理事が議案説明に当たり、審議の上、原案通り承認された。監査報告は、室賀康史監事が行ない審議の上、了承された。
  土井会長は「今年度は、岡山市日中友好協会にとって設立40周年という記念すべき重要な節目にあたる年です。先人の日中友好に対する想いを顕彰して、更なる友好に向けて民間交流の輪を広げていきたい」と決意を述べた。

  記念講演は、午前10時半から、総会に先行して開かれた。ニュージーランド在住の福武總一郎氏と岡山の会場とをオンラインで結んでの講演となった。
  当日はコロナ対応として、参加希望者を絞ったにも係わらず会場には、約80人が詰めかけ、熱心に福武氏の話に聞き入っていた。

 
 2021年度
活動方針・事業計画

  設立40周年となる今年の基本テーマは「日中友好のプラットフォームを創造し続けよう!」とした。
  設立時に掲げた〝市民みんなで日中友好〟というスローガンは今日なお新鮮だ。独りよがりでなく、市民の共感を得ながら、政党政派、思想信条を問わず、日中友好の一点で結集する市民団体を目指してきた。

  そして40年。この間、政治も国際社会も大きく変化し、日中友好活動の内容も変化してきた。しかし、それだからこそ今、先人が築いてきた日中友好の伝統を受け継ぎ、新たな交流のプラットフォームを作り続け、次世代につなげていくことが使命であることに間違いはない。その思いをこのスローガンに込めた。

40周年記念式典は 9月4日岡山市で
  今年は、協会設立40周年と共に、岡山市・洛陽市友好都市締結40周年というダブル40周年である。この記念事業を軸に進めていく。
  協会40周年では、9月4日(土)に記念式典を開く。同時に、創立時からの会報をデータ化したDVDを作成し会員に配布。40年の足跡の記憶を記録しておきたい。

  岡山の初代事務局長の中西寛治氏が遺した資料の整理。内山完造氏や郭沫若氏の果たした日中友好への貢献を顕彰し、岡山における日中友好の歴史を振り返り、何らかの形で市民に公開していきたい。
  コロナ禍で途絶えている神奈川大学内山完造研究会との交流も復活させたい。
定期総会

岡山市と協働して 記念行事を計画中
  友好都市締結40周年関連では、岡山市と協働により多彩な記念行事を展開する。調印日にあたる4月6日には洛陽市白馬寺から請来した友好の鐘を市内南方の長泉寺と白馬寺の両寺で打ち鳴らし子々孫々にわたる友好を祈念する。

  青少年交流やスポーツ交流については、より多くの市民の参加が得られやすい行事を提案したいが、これらはコロナ次第となる。

  日中緑化事業については、新たに公益財団法人日中友好会館が主管する『日中植林・植樹国際連帯事業』助成事業が始まるため、参加の申請をしている。採択されるかどうかの結果は3月初旬となる。

  都市間交流では、周年事業を展開する洛陽市との交流を主としながら、1984年の内山完造墓碑建立以来、福祉、教育、経済などの面において継続した交流を続けている上海市とは、特に青少年教育交流を拡充したい。
  また天津市との交流や、医療福祉交流、国際友好フォーラムへの参加など、新たな交流を模索していきたい。

 
設立40周年記念講演会
 福武總一郎氏(NZから)大いに語る
  自然こそ最高の教師   在る物を活かして   無い物を創る


  福武總一郎氏の主たる肩書は、福武財団理事長とベネッセホールディングス名誉顧問。表情はお元気そのもの。意欲溢れる講演の一端をご紹介します。

  「ニュージーランドに移住して11年になります。もう1年以上、日本にも岡山にも帰っていません。岡山の人と話が出来るのを楽しみにしていました」

  「皆さん幸せになりたいと思っているはずです。それならどこで幸せを実現出来るのでしょう。私は(住んでいる所を)幸せのコミュニティにしておくことが必要だと思います」

  「幸せのコミュニティとは一体何ですか。それはお年寄りの笑顔で満たされたコミュニティです。お年寄りは人生の達人です。その達人が幸せでないと、本当の幸せにはなりません」

 「自然こそ人間にとって最高の教師です。在る物を〝活かして〟無い物を創るのです。今は在る物を〝壊して〟無い物を造っている。経済は文化の僕です」。
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やるぞ!青年部『水蜜会』
  留学生をサポートし交流
     オンラインを軸に活動を深める

星野耕平代表
  岡山市日中友好協会青年部「水蜜会」は、2018年11月に協会若手メンバーが元となり発足しました。
  「水蜜会」という名前の由来は、岡山の特産である桃と中国の「水蜜桃」との関係からきています。
  大きくて甘い特徴のある中国の水蜜桃が、明治初期、上海や天津から岡山に伝わってきたとされています。それが、今の岡山の白桃のルーツになっているようです。
  私たち青年部も、水蜜桃が中国から岡山に渡ってきたように、日中の架け橋となれるようにと、そんな思いを込めて「水蜜会」としました。

  主な活動内容としては、中国人留学生との交流イベントや、協会活動のサポートです。2021年度の活動方針をお伝えしたいと思います。
横溝政資副代表
  昨年度は、コロナ禍の影響でオンラインを中心とした交流活動を行いました。「岡山・上海障害児者絵画交流展」「岡山県中国人留学生学友会との座談会」「オンライン国際音楽祭」等イベントに参加し交流を深めてきました。
  同時に多くの課題も見えてきました。留学生たちはコロナにより生活が大きく変わり、アルバイトまで困難になった人もいます。2021年度は、留学生たちを心身両面からサポートできるように活動しようと考えています。

  先ずは、オンラインを軸とした活動を行います。オンライン対談、飲み会、プレゼン大会等を計画しています。オンライン対談では、留学生は今どんな悩みを抱えているのか、どんなサポートを必要としているかを確認します。オンライン飲み会では、ざっくばらんにコミュニケーションを図ります。

加瀬珠樹委員
 
  普段の生活、学校、アルバイト先など、中国語と日本語を交えて交流を深めます。最後に、オンラインプレゼン大会です。画像や動画を見せながら、参加メンバーの地元の魅力をプレゼンし合います。

  長期的には直接会う交流を視野に入れています。テーマは両国の文化について触れることです。両国のそれぞれの文化に直接触れ合うことで、新しい体験ができるような活動をしていきたいと考えています。
  コロナ禍という新しい試練の中、我々に何ができるかを常に問われています。留学生学友会との座談会の際、土井会長から「慈覚大師」の「一遇を照らす」というお言葉がありました。
  誰も気づかないような片隅の事柄にも、ちゃんと真面目に取り組む人こそ尊いのだという教えです。青年部メンバー一同、この思いにしっかり応えられるよう、留学生との交流をはじめ、協会の運営をサポートしていきます。
  本年度もよろしくお願い申し上げます。
 

2021年度(令和3年度)   
    
岡山市日中友好協会 役員一覧表
                                                 (順不同、敬称略)
  役 職      氏   名         所     属         
  顧  問    伊原木 隆 太      岡山県知事             
   〃    大 森 雅 夫   岡山市長  
   〃     槇 野 博 史   岡山大学長   
  相談役    片 山 浩 子   前会長、岡山外語学院理事長  
  会  長   土 井 章 弘   岡山旭東病院院長  
  副会長   宮 本 光 研   長泉寺名誉住職  
   〃    永 山 久 人   下津井電鉄代表取締役  
   〃    黒 住 昭 子   黒住教婦人会長  
   〃    森 田   潔    岡山大学名誉教授、上海交通大学客員教授   
 専務理事    松 井 三 平   アジア・コミュニケーションズ代表取締役  
  理 事   佐 藤 芳 郎   佐藤芳郎公認会計士事務所所長  
   〃   牛 田 和 子   広報委員会  
   〃    山 本 直 樹   広報委員会  
   〃    荒 木 敏 雄   事業担当  
   〃    猪 木 正 実   広報委員会  
   〃    岡 﨑   登   ANAクラウンプラザホテル岡山取締役  
   〃    塚 村 淑 子   塚村造園土木取締役  
   〃    岡 﨑 郁 子   吉備国際大学特任教授  
   〃    星 野 耕 平   青年部代表  
   〃     横 溝 政 資   イタヤコーポレーション取締役  
  監 事   高 渕 宣 雄   ビジョン経営研究所所長  
   〃    室 賀 康 史   室賀ネジ機工代表取締役  
  参 与   江 田 五 月   日中友好会館顧問  
   〃    逢 沢 一 郎   衆議院議員  
   〃    山 下 貴 司   衆議院議員  
   〃    津 村 啓 介   衆議院議員  
   〃    波 多 洋 治   岡山県議会議長  
   〃    浦 上 雅 彦   岡山市議会議長   
   〃    楠 木 忠 司   岡山市洛陽市友好都市議員連盟相談役  
   〃    田 尻 祐 二   岡山市洛陽市友好都市議員連盟会長  
   〃    磯 野 昌 郎   元岡山市洛陽市友好都市議員連盟会長  
   〃    松 田   久   岡山市国際交流協議会会長  
    竹 井 千 庫   岡山県日中懇話会会長  
    岡 本   啓   岡山県日中教育交流協議会会長  
    漆 間 宣 隆   岡山県宗教者の会会長  
   〃    加 計 孝太郎   加計学園理事長・岡山理科大学総長  
   〃    井 尻 昭 夫   岡山商科大学学長  
   〃   貝 畑 雅 二   貝畑学園理事長  
   〃    岩 本 一 壽   岡山県済生会支部長  
    末 光   茂   旭川荘理事長  
   〃    越 宗 孝 昌   山陽新聞社相談役   
   〃    中 島   博   ナカシマホールディングス代表取締役会長  
   〃    髙 木 晶 悟   トマト銀行取締役社長  
   〃    桑 田   茂   RSK山陽放送代表取締役社長  
   〃    土 井 雅 人   テレビせとうち代表取締役社長  
※顧問、相談役及び参与は会長の委嘱による                           

令和3年度(2021年度) 事業計画 
  今年度の事業計画については令和3年度 事業計画書、および令和3年度 活動予算書を参照 
令和2年度(2020年度) 事業報告 
  昨年度の事業報告については令和2年度 事業報告書、および令和2年度 活動計算書を参照 
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総勢300人の中学生
初めての交流会は大盛況
 


  岡山大学教育学部附属中学校(岡山市中区東山2丁目)は、2月3日、岡山市の友好都市・洛陽市の洛陽外国語学校日本語学科の中学生とオンラインで交流会を開催、双方約300人の生徒が参加し大いに盛り上がった。

  この交流は、オンライン会議アプリZOOMのブレークアウトという機能を使い実施された。約30人の5つのクラスが、日中双方で相互につながり交流するもので、これほどの大人数での交流は珍しい。
 今回は、第一回目の交流会ということもあり、開会式では、岡山側を代表して岡山大学教育学部長の三村由香里教授が岡大津島キャンパス執務室から、また洛陽側は、洛陽市外事弁公室の白副主任がメイン会場から挨拶した。

  この交流は、一昨年末に附属中学校の竹島潤教諭を団長とする青少年交流促進訪問団が洛陽を訪問し、外国語学校や実験中学、洛陽市教育委員会などを友好交流したのを契機として始まった。

洛陽市栄誉市民
佐藤氏メッセージ

  洛陽市から栄誉市民の称号を授与された佐藤安男氏(号・安南)=写真=が、亡くなる直前に「我が愛する洛陽の親友に」と題したメッセージを残していた。
  佐藤氏は永年にわたって、絵画を通じて洛陽市民との交流を続け、昨年10月21日、85歳で逝去した。現在は、岡山市・長泉寺「楽陽廟」に眠っている。

「我が愛する洛陽の親友に贈 る終着駅からのメッセージ」
  洛陽と岡山は友好都市です。
  これからも仲よく、みんなで文化交流をしていきたいです。私は洛陽が大好きで13回も行きました。そして今も病床のベッドの上で、洛陽につづく空を見ています。

  老城・龍門・関林等々の情景−名所めぐり、大学での講義、外国語学校の子どもたち、いろんな場所でのスケッチなど。私の絵は、洛陽書画院と旧洛陽博物館で〝岡山の風景〟及び〝洛陽の風景〟として展示、たくさんの市民に見ていただきました。
  私は本当に感謝しています。時はみんなに平等に流れます。私もいよいよ終着駅に来ました。
  再見。  2020年10月7日  佐藤安南
 

活動日誌 
11/ 4…林野高校と上海とのオンライン交流(林野高校)
11/19…会報編集会議(協会事務所)
11/20…読書会(和楽亭)
11/24…岡山・上海障害者児絵画展開幕式(天神山プラザ)
11/25…第4回理事会(協会事務所)
11/27…岡山市国際課会議(市役所)
12/ 3…中国留学生学友会との座談会(協会事務所)
12/11…講演会会場下見(国際交流センター)
12/16…岡山商工会議所への広報(会議所)
12/25…合併号会報発送(事務局)
 1/14…県立東備支援学校と上海恵敏学校と第一回オンライン交流
 2/ 3…岡大付属中学校と洛陽外国語学校が第一回オンライン交流
 2/ 4…本年度第一回理事会(協会)
 2/17…友好都市40周年事業打合せ(市国際課)
 2/19…日中読書会(和楽亭)
 2/20…福武教育文化振興財団助成報告会(ZOOM)

先憂後楽
  先日、岡山市内で開催された教育財団のオンライン報告会に参加した。出席者は行政担当者や高校の先生、地域ボランティア団体と様々で、創意工夫を凝らしながら国際交流を推進していることが報告された。私たちは、本年度実施してきたリモートによる日中間の4校の教育交流支援を報告した。本年度に入って、県立高校2校、支援学校1校、そして中学校1校が、上海、洛陽の学校とそれぞれオンラインでつながり、先生や生徒同士の紹介や直接応答などを通じて相互理解を深めた。

  この報告会の意見交換の中で事務局の方が、『中間でサポートしている団体でなく、直接学校に助成したほうが良いですね』と発言されたのに一瞬戸惑った。助成選考の場ではないのでそのままになった。.

  岡山県では来年度の教育方針の中に、県立高校のリモート交流数値目標を掲げている。ただ学校では、自らパートナーを探す機会も少なく、相手校が見つかっても言葉の問題や、国際間でのリモート環境も異なり、簡単ではない。加えて、現場の先生方は本来業務で忙しい。分掌業務に国際交流が明記されているところも少ない.。

  そのような中で長年積み重ねてきたネットワークを活かし、双方の間で調整できるNPO団体の存在は有用で、ここにこそ社会的支援が望まれるのではないかと思う。もちろんNPO団体自らが自己能力を高め役に立つ存在として認められる努力をしなければならない。 (松)



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