協会の歩み 1998年
1998年度 定期総会
1998年(平成10年) 新年度協会定期総会盛大に終わる
 1月31日(土)午前11時から1998年度の協会定期総会を岡山駅前の日生ビルで開いた。恒例により先ず物故者の松本一さんら7人に黙祷を捧げた。次いで三島会長が日中平和友好条約締結二十五周年の記念すべき年に当たり、一層の日中友好と相互理解を進めることを強調。次に、友好都市洛陽の貧困地区に小学校建設資金を会員の浄財により援助したいと訴えた。
 議事に入り決算を承認した後、役員改選を行い新役員4人を選出し、他の役員は留任した。新役員は次のとおり。 ○副会長 片岡 和男氏(済生会病院名誉院長) ○理事 速水 正明氏(日本感光色素代表取締役) ○理事 洞 富美雄氏(玉撰堂代表取締役) ○監査 下田 洋子氏(下田学園校長) ○退任・監査 下田八重子氏
 今年度の予算および事業計画案説明の中で、申窪村の老朽化した小学校の校舎を改築する資金を協会から広く一般市民に訴えて浄財を募り寄付したいと説明し満場一致で承認された。恒例の新年互例会を八仙閣で開き、来賓挨拶に続き、協会会員の野崎さんに三島会長から長年にわたり中国人留学生への温かい援助と協会入会者の勧誘に貢献されたと感謝状と記念品が贈られた。会場には久しぶりに会う会員同士が互いを懐かしんで談笑、留学生も招かれて和やかな日中交流となった。
古い校舎で学ぶ小学生
洛陽市申窪村に小学校を贈ろうと 三島協会会長のメッセ−ジ
 会員の皆さん、友人の皆さん、中国は今、改革開放経済のもと、沿岸地帯を中心に目覚ましい発展を遂げつつあります。一方で、内陸部の山間地帯では農業収入が乏しく、国の「極貧地帯」に指定されている貧困村も少なからず存在しています。岡山市の友好都市・洛陽市にも七箇所の「極貧村」があり、教育費が負担出来ないため学校に行けない子供たちが存在しています。このような中でこの度、民間交流の窓口の洛陽市人民対外友好協会から「申窪村小学校の新校舎建設資金」の協力の要請がありました。これを受け、当協会としても現地調査団を派遣して、老朽化し危険建築物となっている現在の校舎の実態を調査し、村の行政責任者らの聞き取りを実施し、友人として、友好交流の一環として支援運動を展開し、募金することを決定いたしました。また、友好協会を中心に、更に広く県民市民の方々に呼びかけて幅広い運動とするため「洛陽市申窪小学校に新校舎を贈る会」略称(小学校を贈る会)を結成し、活動を開始いたしました。会員の皆さん、友人の皆さん、洛陽の子供たちに私たちの温かい気持を伝えたいと思います。皆様のご協力を心よりお願いいたします。   1998年1月31日
1.募金実施期間 平成10年2月から4月まで。
2.募金額    法人・団体:一口 5,000円、個人:一口 1,000円
3.募金方法   郵便振替、現金受付(協会事務所へ)
4.協賛団体   岡山市国際交流協議会、岡山せとうちライオンズクラブ。
中国三誌友の会十周年記念会開く
  1月20日、協会の中国三誌普及委員会の主催で、岡山中国三誌友の会が、三島協会会長も出席して結成十周年の記念会を開いた。先ず、人民中国雑誌社・沈錫飛社長からの祝賀メッセ−ジが披露され、次いで小路代表幹事が10年の歩みを振り返って、昭和63年に10人で発足したが、年を重ねるごとに充実発展を続けて、現在42人となった。これは、ひとえに会員皆さんの熱心な協力の賜物だと感謝の言葉を述べ、なお将来に向かって会員の団結と中国三誌の普及に努力しようと語った。  当日は、岡山ビジネス情報学院(協会理事・片岡琢之氏が同学院の役員)の研修生・曽仲萍さん、劉●偉さん、張暁芳さんの三人に記念品を贈った。宴に入ると会員から隠し芸が披露され、これに対して返礼として中国人留学生が中国歌曲「海よ我が故郷」の名曲を三人で合唱して大喝采を浴びた。その後、留学生からそれぞれの故郷の紹介を達者な日本語で紹介した。また、会員のト−ク「北京で忘年会」や宝くじなど賑やかな記念会となった。
洛陽牡丹園拡張(半田山植物園)
半田山植物園の洛陽牡丹園拡張
  4月1日、法界院半田山植物園にある洛陽牡丹園の拡張工事が終わって改装オ−プンすることになった。牡丹園の面積は約2倍になり、新たに牡丹が150株増殖された。また、友好都市締結十五周年を記念して洛陽市から贈られた石碑(縦1.3メ−トル、横0.5メ−トル)15枚も牡丹園西側に設置された。
街頭募金(岡山市表町・天満屋本店前)
洛陽市申窪村へ小学校を贈ろう  盛り上がる募金運動
 各方面から続々寄附金が寄せられているが、4月14日午後「洛陽申窪村に小学校を贈る会」のメンバ−15人は、岡山市表町の天満屋岡山店アリスの広場前で街頭募金を行った。雷鳴の轟く生憎の悪天候だったが、土曜日とあって人出が多く大きな反響があった。ハンドマイクを使って趣旨を説明したり、申窪村の現況を書いたチラシを配るなど、協力を呼びかけた。
申窪小募金・私たちも協力します
    岡山市立陵南小学校のよい子たち
 4月18日、岡山市立陵南小学校(高塚幸巳校長)では、全校児童(800人)が体育館に集まり、協会が持参した申窪小学校のスライドを見たり、中国人留学生の話を聞いた後、児童代表が「募金に協力しよう」と呼びかけ、各学級で自分たちに出来ることを相談して、次のようなことを決めた。@自分たちのお小遣いを募金。A余った文房具を贈る。B家の人に協力してもらう。C人の集まる場所で募金をお願いする。DPTAにも呼びかけ募金運動に参加してもらう。子供たちは、早速各自のお小遣いを持ち寄って募金、日曜日の街頭募金で長時間立ちん坊のため気分の悪くなった児童、夜間に町内会へ協力をお願いするなど、涙ぐましい活動が大人の心を動かして学区ぐるみの運動となった。児童たちの真摯な心は申窪村の子供たちに伝わって、21世紀の新しい友好の輪が拡がるだろう。
続々中国訪日団が協会を訪問   上海市松江県企業団
 上海市松江県の上海紅楼集団有限公司の唐維国社長を団長とする6人の訪日団が、4月10日に協会を表敬訪問した。一行は、下津井電鉄株式会社(永山久也社長)と合弁で作られた「中日合資上海永山出租汽車有限公司・営業所は上海」の総会に出席するため来岡したものである。
松江県は上海市の中心部から南西に約25キロメ−トルの位置にあり人口は約50万人。松江県が最も力を入れているのは、工業開発区の建設で、道路・電気・水道・電話など基盤が整備されたので、上海近郊の最大規模の工業団地となった。 
上海市松江県企業団の協会訪問
  浙江省天台県訪日団  浙江省寧波市天台県の●佐●県長特別助理を団長とする7人の訪日団が、4月25日に協会を表敬訪問した。訪日団は、天台県で修行した栄西禅師が岡山出身であるとの伝承により来岡した。
 協会では、岡山と文化的にゆかりの深い天台県の訪日団を歓迎し交流を深めるため、歓迎と交流の会を開いた。協会関係者、仏教会 煎茶同好会が参加した。翌26日には、後楽園で開かれた「第53回栄西禅師賛迎献茶式・大茶会」に出席した後、栄西禅師生誕の地にある吉備津神社を尋ねた。
小遣いの一部を寄付する小学生
洛陽市・申窪村から来た便り
私たちは、今「岡山と中国・110号」(当協会報)において、あなたがたが、わが村の小学校新築のために募金活動を行っている状況を目にいたしました。ここに、私は申窪村の全村民と小学校の教師および学生を代表して、あなたとあなたを通じて全ての寄付者に対して感謝の意とご挨拶を申し上げたいと存じます。これから碑を建て、皆様方がお越しになる前に、全ての寄付者のお名前を碑の上に刻みたいと考えております。早い時期にまた洛陽でお目にかかりたいと存じます。                                                                敬具
                    洛陽市申窪村  陳  順 
 岡山市日中友好協会会長様
申窪小学校に建てられた記念碑
洛陽市教育視察団来岡
 5月25日、洛陽市の教育視察団7人が日本の教育を視察するため来岡した。今回の訪問は、昨年11月に戸村教員長を団長とした岡山市の公式訪問団が洛陽市を訪れ、同市内の小学校を視察した際、日本の教育事情を知りたいとの要望に応えて招待した。一行は 岡山市役所を訪れ、安宅市長を表敬訪問した後、福田中学校と藤崎小学校を訪問した。28日には教育関係者との懇談会を開き、意見交換を行ったが、洛陽側から洛陽市・申窪小学校への募金活動をした陵南小学校へ感謝の言葉を述べた。 
洛陽テレビ局訪日団来岡(岡山外語学院取材)
洛陽テレビ局訪日団来岡
 5月27日、洛陽テレビ放送局の李余良副局長・馬埼政策主任王剣峰生活部主任と方双建対外友好協会副秘書長ら4人が来岡した。一行は友好都市の福島県須賀川市ほか数都市を取材した後、岡山と洛陽の友好交流を洛陽市に紹介するため来岡したものである。
 安宅市長、OHK、当協会を訪問後、半田山植物園、後楽園、駅周辺、岡山外国学院を取材した。同学院には洛陽から26人の研修生が日本語を学習中。訪日団と研修生との懇談が行われ、お国言葉を使って研修生が岡山の印象や学院の生活の様子などを語った。洛陽市には、国営のテレビ局2局とラジオ局1局。都市部のテレビ普及率は120%、農村部は平均約70%、日本との放送方式の違いから日本のテレビやビデオは変換しないと見られない。少ない予算を広告料でカバ−し、広告の時間は1日・45分間である。
洛陽市申窪小学校へ贈る文房具、楽器をカバンに詰める綾南小の児童たち
洛陽市申窪小学校へ寄付金を贈呈 訪問団が300万円を携えて
  訪問団は、団長に片岡協会副会長、副団長に高塚陵南小学校校長顧問に楠木岡山市議会副議長、陵南小学校児童代表3名、保護者代表、学区民代表、引率教師等、計18名で構成された。
 8月20日、洛陽市の査敏洛陽市副市長(女性・教育担当)と会見、支援に対する謝辞があり、片岡会長から安宅市長のメッセ−ジ 中高一貫校への協力交流についての依頼文書を渡し、高塚校長から挨拶が述べられた。  8月21日、訪問団は洛陽市郊外の申窪小学校を訪れた。児童たちの歓迎に迎えられ、校庭では校舎新築記念碑の除幕式が行われ、次いで洛陽市代表の戴保安氏の挨拶の後、小学校校舎建設資金3,193,617円を贈呈した。
 続いて片岡団長、高塚校長の挨拶の後、両小学校校長による友好小学校締結議定書の調印を終えて公式行事を全て完了した。この寄付については、申窪小学校を訪れた松井協会事務局長が老朽化し危険な状態であることを知り、協議の後「申窪村に小学校を贈る会」を作り、会員に募金依頼、街頭募金、各種団体や多数の市民から寄付を頂いた。また岡山市、同教育委員会の協力を頂いた。特に、陵南小学校は児童から率先“募金をしよう”との声が上がり、同学区の全面的な協力により運動が盛り上がり、約七十万円の募金額と文房具、楽器も集まった。このように小学生たちの参加は二十一世紀の日中友好のために大きな意義がある。協会に寄せられた善意の寄付金は、岡山市、県の内外からも1,500人の個人や団体から、約300万円余が集まった。
申窪小学校児童・熱烈歓迎
洛陽市申窪小学校の熱烈歓迎に
     感激した陵南小学校の子供たち
  申窪村に着いてバスから出ると、もう子どもたちが集まっていました。雨が降り始めてガヤガヤ言っていても、僕たちが笛を吹き始めると、すぐ黙って聴いてくれました。僕は、けん玉を練習して行ったけど、雨が降って、一緒に遊ぶことができなくて、とても残念だったです。今度は、申窪村から陵南小学校に来てくれたらいいなあと思いました。
(陵南小学校5年 鎌田 健介)

 私が中国へ行くと決まって、祖母や父は、食事や水が体に合わなかったり、昔、日本人が戦争の時、中国人に対して悪いことをしたので、心配だと言っていました。しかし、申窪村の人をはじめ、洛陽や上海の人も、とても親切にしてくれました。私だけでなく、もっと多くの人が中国を見、中国のことを知って、理解し合えばいいなあと思いました。
(陵南小学校6年 森下麻利恵)

 申窪村の子どもたちが歓迎してくれた時、想像以上におしゃれをしていたので、びっくりしたし、うれしく感じました。また、村中の人が何百人と集まり、太鼓を叩いて歓迎してくれました。僕たちのしたことがこんなに喜ばれ、苦労がむくわれた気がしました。また、中国の子どもたちはよく働いているので、たくましくみえました。これから、交流を続け、手紙や絵を送って、互いの学校のことを教え合い、もっと知りあえたらいいなあと思います。     (陵南小学校6年 池田 充宏)

 この旅で貴重な経験をしました。申窪村の人達に会って良かったです。バスから降りると村中の人達が歓迎してくれました。本当に多人数でした。私は申窪村という村の事は全く知識ゼロでした。しかし、村のどの人もやさしそうな人ばかりでした。私が子供達の写真を写したら、皆いい顔をしてくれました。今回は多くの事を学びました。私はこの旅で人助けと言う事に関心を持ちました。私の父は、私が生まれる前から日中友好に励んでいました。他にもインドなどにも行って多くのボランティア活動をしてきました。そんな父の姿を見て、今回の旅を感じて、私はこの人生で力一杯人の為になる事をしたいと思います。
(旭中学校2年 宮本 南海子) 
申窪村の村中の人達が歓迎してくれた
第九次福祉の翼上海へ
 中国の福祉関係者や障害者と交流を始めて今年で9回目になる。社会福祉法人・旭川荘の主催で、県内の障害者29人と福祉施設関係者ら計100人(団長・平田春男旭川荘常務理事)が8月25日、岡山空港から上海に向けて出発。3泊4日の日程を終えて28日帰国した。これまではチャ−タ−便を仕立てて訪中していたが、今は、6月に開設された中国東方航空の定期便を初めて利用した。25日夜、「上海市人民対外友好協会」主催のレセプションが開かれ、26日には、中・軽度の知的障害者のための特殊学校と老人福祉施設を見学した。学校では、「日中福祉交歓会」が開かれ学校の生徒と、旭川荘厚生専門学校の学生が、それぞれ歌や踊りを披露して交流を深めた。
人民中国雑誌社社長に中国水害見舞金を寄託する小路代表(右端)
中国三誌友の会十周年記念訪中団
    人民中国社訪問・水害見舞金寄託
 協会の中国三誌普及委員会の活動団体である中国三誌友の会の結成十周年を記念して、13名の会員で訪中団を結成し、9月11日、人民中国雑誌社を訪問した。10日夜9時半、北京のホテルに人民中国雑誌社の張哲氏と劉本平氏が来訪、小路、石村、米倉三会員が面会し日程を打ち合わせた。翌早朝、人民中国雑誌社から張、劉氏ら5人の社員の案内で頤和園へ、昼食を挟んで天安門に登楼の後、午後3時半に人民中国雑誌社に到着、社の玄関では10数名の社員の拍手で迎えられた。広い応接室には「岡山市日中友好協会・岡山中国三誌友の会熱烈歓迎」の横断幕が掲げられ、沈錫飛社長、于明新、王衆一両副社長はじめ編集部社員10数名が出席して懇談に入った。于明新氏は上海に滞在中だったが、急遽、我々友の会歓迎のために飛行機で帰社された。懇談会の席上、沈社長から「岡山中国三誌友の会十周年」と表記した大きな「楯」と各会員に青銅製の有名な「汗血馬」の像が贈られた。友の会から記念品として「健康器具一式」を贈呈した。
 さらに、今回の中国大洪水の被害者に対し、友の会々員が拠出した「見舞金」を中国政府担当機関へ寄託を依頼した。夕刻から歓迎晩餐会が催され、于明新氏が岡山でお馴染みになった「八仙閣」を話題にしたユ−モア溢れる司会による宴が始まった。会員は各テ−ブルで同席の社員と、懇談会で話し足りなかった誌面の話題など交えて和やかな談笑が続いた。最後に、今後も人民中国雑誌社との友好交流を深めることを約して意義ある訪問を終えた。

戻る   このページのトップへ トップページへ