会報「岡山と中国」2007年4月号
協会と洛陽市との共同による「洛陽小浪底緑化協力事業」第2期事業始まる!
昨年より日中緑化交流基金の助成により展開している協会と洛陽市との共同プロジェクト「洛陽小浪底緑化協力事業」の第2期事業が助成決定を受け、本格的な準備が始まった。

事前調査団が洛陽訪問

3月10日から13日にかけ、緑化事業全般にわたり指導をいただいている國忠征美氏を協会の松井事務局長が洛陽を訪問し、本年度の事業の確認と現場作業を行った。

桃園準備

11日には、昨年接木をして育っている52本の桃苗木を広い場所へ移植し、桃園の準備をした。現場作業では孟津県林業局長や小浪底鎮の農民らが参加し、品種ごとに約7メーター間隔で植え替えた。この桃園は、岡山の桃栽培技術の協力により、現地の経済作物として、将来産地化して農業収入に貢献できるものとして期待されている。この桃園は協会訪中団が5月に訪問する時、洛陽市の地元民の人々と開園式を行い、2008年の収穫にむけてその成果を期することになっている。
また、今秋には剪定指導のため技術者派遣を予定している。

苗木作り

本年度計画では、女貞、五角楓、刺槐などの樹種合わせて17,200本の植林を予定しているが、それ以外に、ドングリやクリの種140キログラムを準備し、苗作りをすることとなり、特殊加工のポットに入れ、苗床作りをした。ポットは、時間がたつと土に戻るもので環境に配慮したものを日本から持ち込み使用した。

洛陽市人民対外友好協会と協議
11日夜には、この事業とカウンターパートである対外友好協会と本年度緑化事業内容を協議し、合意を得て、協議書を作成した。この協議書は双方の会長の署名により効力を発揮している。

今度の課題

緑化事業は洛陽市孟津県林業局の専門家による管理と地元農民らの作業を中心に行われているが、協会としては日中友好交流事業として位置づけており、できるだけ多くの市民参加が不可欠であると考えている。その意味で、昨年夏に岡山商大附属高校の研修訪問団が現地で地元高校生らと汗を流して共同作業したことは大きな意味がある。今後も、双方のボランティア参加を募り、日中友好、岡山市と洛陽市の友好の象徴として実施していくことが求められる。とりわけ今年は、日中国交正常化35周年にあたり政府も「日中文化・スポーツ交流年」と位置づけており、環境問題と友好交流を有機的にかみ合わせた取り組みがやりやすくなると思われる。

全体計画

第2期は、植付け面積26.7haで、本年秋までに事業を終了する予定。協会では、昨年から洛陽市人民対外友好協会との合作事業として日中緑化交流基金の助成を得て、この事業を開始しているが、1期が33.4haで、3期まで継続すると、緑化総面積は86.8haになる。黄河のもっとも幅の狭いところ(小浪底という地名の由来)を利用して建設された小浪底ダムの北側の丘陵地帯が、いわゆる黄土高原で、土砂の流出が激しく、水土保全林の必要性があり、これまでも洛陽市政府や日本のODAなどの資金も協力して緑化事業が進められてきた。

日本全国の取り組み

日中緑化交流基金の資金援助による平成18年度の実施事業は56プロジェクトにわたり、全国の9つの友好協会が中国と手を組み緑化事業を推進している。

平成18年度の主な日中民間緑化協力委員会資金助成事業
1.大阪府日中友好協会…甘粛省敦煌市黒山嘴風沙口防風固沙林植林事業
2.大阪府日中友好協会…雲南省昆明市呈貢県?池水源涵養林事業
3.宮城県日中友好協会…吉林省扶余県暴風固砂林建設事業
4.静岡県日中友好協会…河南省鄭州市恵済区古鎮緑化協力事業
5.埼玉県日中友好協会…山西省太原市尖草坪区緑化事業
6.佐賀県日本中国友好協会…貴州省貴陽市北郊ダム水源涵養林造林事業
7.長野県日中友好協会…河北省易県太行山緑化協力事業
8.三重県日本中国友好協会…河南省黄河中下流域生態緑化協力事業
9.三重県日本中国友好協会…日中女性協力河南省魯山県条山造林プロジェクト
10.広島県日中親善協会…長江上流南充市嘉陵江沿岸造林緑化事業
11.日中科学技術協力会議…安徽省潜山県長江水土保全生態林造成モデル事業
12.アジア協会アジア友の会…甘粛省鎮原県農村地域の女性たちによる植林事業
その他44団体
         
会報「岡山と中国」2007年6月号
岡山市日中友好協会訪中団 洛陽市緑化協力植樹「日中友好桃園」開幕式参加
「日中友好桃園」が開園!
5月15日、洛陽市の黄河沿いの山村で「日中友好桃園」の開園式が、洛陽市政府や地元の中学校の生徒、農民そして日本から訪中した岡山市日中友好訪中団のメンバー18名を含め、約100名が参加して盛大に行われた。式典では地元を代表して挨拶に立った洛陽市孟津県長の王永興氏が、岡山市日中友好協会の長年にわたる緑化協力支援と地元農民の協力を称えた。また訪中団を代表して片岡和男協会長が、友好のシンボルとして日中合作による桃が、立派に育ち、産地化して地元の利益に役立てば幸いと大きな期待を表明した。

この桃園は、2005年から協会が洛陽市人民対外友好協会をカウンターパートナーとして実施している「洛陽小浪底緑化協力事業」の一環として、良質な日本の品種を洛陽の在来の桃の枝に接木し、桃の産地として有名な岡山の生産技術を活かして、昨年より準備を進めてきたもの。本年は秋に摘果と剪伐をして、来年の夏の収穫を目指している。

なお、この事業は日本政府の外務省などが日中国交正常化35周年の記念事業として実施している『日中文化・スポーツ交流事業』に、岡山の団体としては初めて認定されている。

協会訪中団植樹に汗を流す

日中友好桃園の開園式を終えた訪中団は場所を今年度の植樹地域に移動し、植樹作業に取り掛かった。作業現場は急な斜面の道を500メートルほど下ったところにあり、参加者の中には山道をすべりころげる人もいたほどの丘陵地だった。現場には既に地元農民の方々が苗を運んでいて、団員はその苗を1本1本丁寧に、植えていった。2時間ほどの作業で、230本の苗を植え付け、作業を終えた団員たちが農民等と写真を撮ったり声を掛け合ったりして交流を深めた。

この苗は、栗やドングリの苗で、今年の3月に種からポットで育成したもの。今期26.7haの植林計画の中で、槐や女貞などの樹種の間に植え付けていく予定で140キロの種を準備して苗を育成している。

洛陽市関係者への表敬訪問

昨年春、岡山市民訪中団(高谷市長団長)が洛陽市を訪問した時、両市の市長が友好都市凍結解除という歴史的な宣言を行ったが、そのときの洛陽市長である連維良市長が党の総書記に就任し、新しい市長に郭洪昌氏が就任していたため、協会訪中団は新市長への会見を希望していた。ところが、洛陽市に入ると、前市長も会見するということになり、それぞれ30分ずつ人民政府ホールで会見した。連総書記も市長も協会が順調な時も困難な時も一貫して市民交流を継続してきたこと、特に緑化事業では日本政府の緑化交流基金の助成を受けるなど大きな成果を挙げていることを讃えた。そして、高谷市長に再び洛陽を訪問するように伝えてくださいと、片岡会長に委託した。

また、その夜は日本の議会にあたる人民代表大会(人大)の石海欽主任が歓迎宴会を主催するなど、文字通り熱烈歓迎であった。中国の市では、党書記、市長、市人大主任が市のトップ3で、今回はそのトップ全員と会見したことになり、異例の扱いといっても過言ではない。洛陽側の手配責任者でもある方双建外事弁公室主任も「洛陽市民の協会への友好の表れ」と大いに評価していた。
                 
会報「岡山と中国」2007年12月号
2008年度の洛陽小浪底緑化協力事業へ日中緑化基金の助成が決定!
協会が洛陽市人民対外友好協会と共同で実施している洛陽市孟津県での『洛陽小浪底緑化協力事業』に対し、日中緑化交流基金(通称小渕基金)は2008年度予算として、総額560万円の助成を決定し、10月23日付けで協会に書面が届いた。

洛陽市の植林現場へ

これを受け、11月19日から21日にかけ、農業技術指導をお願いしている会員の國忠征美氏と松井事務局長が洛陽市を訪問し、2007年度の実施状況の確認作業を行うとともに、来年度計画の内容について協議した。協議には洛陽市から外事弁公室の楊明副主任、実施地の小浪底がある孟津県林業局の周宗春局長、林業指導員の王海波、梁成立氏らが参加し、内容について合意するとともに、洛陽市側から来年度(2008年)の5月か6月、桃生産の技術研修と視察を目的として岡山へ訪問する計画が明らかにされた。また、2009年以降の計画の中で、3年計画を立て、日中緑化交流基金に申請することも決定された。
                 
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